幕間:再開と本当の始まり
デイリー2000PV到達ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
本編開幕です。
夢を見た。
いつか見たような真っ白で透明な景色と、忘れもしない不思議な少女。
「やあ、少年。久しぶりだね」
貴女は、神様?
「んー、まあそれでいいか。そうだよ。元気……って聞くつもりだけど、顔見たら聞く気も失せちゃった」
私は救えなかった。
「それは仕方ない。元々変えられない運命ってやつさ」
励ますような口調でやれやれと語る。
「ここまでは、変えられないんだ」
……何だって?
「言葉通りさ。君が両親を失い、家族を傷付けられる……そこまでは決まっていたことなんだ。
―――すまないね」
何故謝る。
「ボクはこうなることを知っていて君を転生させた。
本来の『リリアンヌ・ル・ブルトン』が耐えられず発狂した、この事態が起こることを知っていて、君に任せたんだ」
……………とんだ非道だ。
「うん、そうだね。でもこの先は違う」
白磁のような細腕を目いっぱいに広げ。
「君はここから先を、選べる」
選ぶ?
「本来の『彼女』には無かったものが君には幾つもある」
無かったもの……。
「剣術も体術も、魔法も魔法理論も、学術も、政治も……そして君の転生前の知識も」
さあ、と背中を押すように。
「君は何を選び、進み、終わるのか。選べるのは―――君だけだよ」




