表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その元・男、現・貴族令嬢にて  作者: 伊賀月陰
序章:転生令嬢、その華麗なる幼少期
1/72

開幕:男の死と神の言葉


 人生は過ちとの向き合い方だ、と父は言った。


 人は産まれ、生き、過ち、いずれ死ぬ。


 死なぬ人はおらず、過たぬ人もまたいない。


 過ちから時に逃げ、時に忘れ、そして時に克つ。それが人生なのだと。


 だから―――自分がこうして、過ちを犯したまま死ぬのも人生なのだろう。




「それは過ちなのかい?」


 無論である。

 人を救おうとして、救えないどころか自分も揃って死ぬなど過ちでなくて何なのか。


「ふむ、目的を達せられないのが過ち?」


 この場においてはそうだ。


「ではこの過ちとどう向き合えれば満足かな?」


 自分は死ぬ、もう何も出来ない。


「それは今置いといて」


 …………この人を救えれば、それで満足だ。


「その願いを叶えよう。代わりにお願いを聞いてくれるかな」


 なんだ?


「此処より遥か彼方、ある者が苦難に遭おうとしている。これを救えるとしたらどうする?」


 救う。


「素晴らしい。即答だね。その道が容易いものでなかったとしても?」


 やれば救えるのなら、やる。


「救えるとも」


 やろう。やるべきだ。やらねばならない。


「では、君に救ってもらうとしよう。……ああ、脅したがそう厳しい道ではないよ。気楽にやりたまえ。では君の新たな生に幸あらんことを」



 ぐるり、と意識が暗転する。下半身がもう無いのに話せていたのは、不思議な彼女の温情だったのかもしれない。まあ死ぬのであればもう関係のないことだ。

 ああ、でも。



 ―――できれば本当に妹が無事か確認をしたかった―――










主人公が死んだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ