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変われぬ世界  作者: 恭愁
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失われた希望


私の場合、まず最初に同情をしてしまった。次に自分に置き換えて考え、軽く…と言うより実感がわかなかった。


私の従兄も耳に障害をもっており、補聴器をつけている。

でも普通に生活し、普通に働いている。


だからこそ偏見はなかったが、同情は抜けなかった。

片耳ならまだしも片目まで失っている。


私には当たり前の聞き取るという事が和也には半分になっているし、

同じく見える世界が半分になった。

と言っても過言ではないだろう。

片目のせいで距離感が分からないときがあるそうだ。


和也はそれから祖父と友達になったらしい。


祖父の手術は成功した。

だがやはり片目だけ極度に見えにくいらしい。


やはり同じ立場の人の方が話があうのだろうか。

和也と祖父、従兄はよく家で話をしている。

祖父の楽しそうな顔を久々にみた。


だが、私と和也の距離は縮まらなかった。むしろ離れていったように思えた。祖父は和也の事を孫のように可愛がっていたし、従兄は和也と同い年なため、昔からの親友のようだった。


和也の両親と私の両親もすぐに仲良くなった。


私は一人取り残された気分だった。

妹は和也をお兄ちゃんと呼んでいたし兄は和也を弟のように可愛がる。

私は一人ぽつんと輪の外で見ている事が多かった。


私は進路について甘く考えていた。そう思い、情けない気持ちだったから打ち解けられないのかもしれない。


昔から福祉関係の仕事をしたかった。

祖父の事がきっかけになり、絶対福祉関係の仕事につくと決めた。

だが、祖父や和也をみて私なんかに何ができる?

そう考えると何もできない。と思ってしまった。

勉強はしていた。祖父のしたい事を先に理解し、手伝う事くらいはできた。


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