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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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エッセイ

思い出を探しに

作者: 山本大介
掲載日:2026/08/28

思い出を・・・。


 私の子どもの頃の思い出です。

 うちの親父の仕事柄、子どものころは転勤が多くて、よく引っ越しをしていました。

 といっても県内を三度かな。

 小学1年生の二学期から4年生の一学期まで過ごしたのが、柳川市の大和町(当時は山門郡大和町)でした。


 なにしろ、40年以上前の話で私も当時の記憶を忘れておりました。

 

 仕事の同僚で二つ下の仲間がいます。

 この同僚が大和町出身なんですね。

 ・・・なんという偶然、しかも世代近いので当時の昔話に花が咲きました。

 

 通っていた小学校、近くの文具店、友人の薬局や材木屋、クラスメイトの料亭・・・ラーメン屋、謎の店、寂れた駅、酒屋、駄菓子屋、ザリガニをとっていた沼、そんなむかし話をしていくうちに鮮やかに記憶が蘇って来ました。

 そうそうそう・・・って。

 なんか当時を知っている人がいることが嬉しかったなあ。



 という訳で、その数日後、私は奥さんと思い出の地を訪れてみました。

 大袈裟に書いてますが、車で20分くらいの近場です。

 が、近くにあり過ぎると、いつでも行けるという変な安心感からか、疎かになるもので、まともに訪れるのは実に数十年ぶりなのです。


 この日は、めっちゃ暑くて、散歩なんぞノーセンキューな気候でしたが、あまり乗り気ではない奥さんを無理矢理誘って、かつての故郷を散策しました。


 私が当時通っていた小学校はなんとタイムリーなことに今年で廃校になっていました。

 校舎はまだ残っており、校門の近くに「ありがとう」という横断幕を見ると、4年間という短い間でしたが、母校が無くなったことを実感し、ちょっとだけノスタルジックに寂しい気持ちになりました。

 

 そこからちょぴり南下し、道が緩やか弓なりになっている所に、クラスメイトや友人が住んでいました。

 木材店や薬局屋の友人、料亭のクラスメイト・・・。

 薬局や料亭はもうありませんでしたが、材木屋は当時の面影が残ったままありました。

(そうそう。ここやった)

 私は嬉しくなり足早に動きます。


 その真ん前、クリークのある橋をわたった先に家がありました。

 親父の職業はポリスメンで私たち家族が住んでいた駐在所はもう撤去されて空き地になっていました。

 当時は新築だったんですけどね。

 最初引っ越しして来た時はここはあばら屋のように傷んでいて、すぐに建て直すことになりました。

 そこで近くのトトロででてくるサツキやメイみたいな古い家にしばらく住んで、新しい家が建つとまた戻って来たという経緯がありました。

(そうそうそう)

 と次蘇る記憶を辿りながら、私たちは歩きます。


 小道に入り、かつての友人の家を横切り、住んでいた家の裏には公民館がまだありました。

 路面は綺麗に舗装されて、この先には友だちのお兄ちゃん家があって、ザリガニ釣りをしていた小さな沼がありましたが、どうやら埋め立てられてありません。

 そこから歩いてすぐのスーパー兼駄菓子屋は観る影もなく、店の前にあったお地蔵さんが頼りで当時あったと記憶を呼び起こします。

 そこには確かメダルゲームが置かれていたんだよなあ。

 道を左に曲がって歩き、交差点の手前が酒屋でしたが、今は何もありません。

 そこから真っ直ぐ行くと、幼稚園と無人駅があって・・・。


 およそ1kmにも満たない短い場所が、当時の私の主な遊び場でした。

 散策時間は15分程度でしょうか。

 思わず、

「こんなに近場で遊んでたんだ」

 と言う私に、

「小さい頃はそんなもんでしょ」

 と言う奥さん。

 

 うだる猛暑の中、ふたつの日傘が揺れながら車を停めた駐車場へと向かいました。


 


 

辿る。

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