表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

商人

「ちょっと待てよ…エルフの嬢ちゃん…」

男が私の肩を掴む。逃げようにも逃げられない。

しょうがない、魔法で迎撃するしか…

「あぁ…すまん、力強すぎたな。ちょっと興奮しちまってよ…」

「え…?」

「いやぁ…まさかエルフに出会えるなんてな…人生やめたもんじゃねぇな」

どうやら、男は人生初のエルフとの遭遇にとても興奮していたらしい。

エルフの里に行けばいつでも会えるのに…おかしなやつだ。

「私を捕まえて売り捌くんじゃないんだ…」

「え?捕まえて売り捌く…?ブッハハハ!」

男が腹を抱えて大声で笑う。

「んなわけないだろ。エルフは生ける知識って言われてんだぞ?捕まえるなんて国が絶対に許さないだろ」

「そうだったんだ…」

数十年外に出ていない弊害を実感した。

「そういや、自己紹介してなかったな。俺の名前はヘンブランだ、商人をしてる。よろしくな、エルフの嬢ちゃん」

「よろしく、ヘンブラン。あと、エルフの嬢ちゃん呼びはやめて。エルフィって名前があるんだ」

「エルフィねぇ…いい名前じゃねえか」

ヘンブランが、もうすっかり茜色に染まった空を見つめる。

「もうそろそろ宿に戻らないとだな。嬢ちゃ…エルフィはどこに泊まるんだ?」

「私も宿に泊まるかな…いい宿知らない?」

「どんな宿がいいんだ?」

「ご飯が美味しくてお風呂があってベッドがフカフカな所が良いね」

他にもいろいろあるが3つに絞ろう、最低これがあれば十分だ。

「なら俺が泊まってる宿とかどうだ?今まで泊まってきた宿の中で5番目にいい宿だぜ?」

「じゃあそうしようかな」

そうして私とヘンブランは宿へ向かった。


「なんでエルフィと同室なんだよ…」

「それは私のセリフだよ…」

話は数分前に遡る――

「ここが俺の泊まってる宿だ」

ヘンブランがまるで自分のものかのように自慢げに紹介する。

「おっちゃん!この人がこの宿使うってよ!」

フロントの受付をしているだろうおじさんに、ヘンブランが私を紹介する。

「おうよ!じゃあお前と同じ部屋だな!」

「へぁ?!どういうことだよ!俺は自分の部屋で――」

「お前さん、今日の宿代払ってないからな。個室は満室だから2人部屋で仲良く、な?」

ヘンブランの顔が一気に青ざめる。

「すまねぇなエルフィ。別の宿に行ってくれ、俺は1人で二人部屋に――」

「それは困るなぁ、お客さん?」

フロントのおじさんがヘンブランの背後に忍び寄り、頭を鷲掴みにした。

「痛てぇ!はなしてくれ!頼む!」

「じゃあそこのお客さんと仲良く同室でいいな?」

「え…ちょ――」

「わかった!わかったから!」

「私の意志は?」

そうして、私達は2人部屋に宿泊することになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ