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第七話 神の介入、予測不能な戦場

俺が解き放った最上級魔獣(Tier 2)によって、人類が築き上げたささやかな安全地帯は次々と崩壊していった。新宿中央公園も例外ではない。バルログの圧倒的な力の前に、自衛隊も市民も為す術がなかった。

「さて、次はどうやって足掻いてくれるかな、人間ども」

俺は廃校の屋上で、人類の絶望的な状況を眺めていた。すべては俺の計画通りに進んでいる。

その時、遼の声が緊迫したトーンで響いた。

「レン様、異常事態です! 新宿中央公園のバルログが、停止しました!」

「なんだと?」俺はモニターを注視する。

モニターには、燃え盛る公園の真ん中で、バルログが突如として動きを止めている様子が映し出されていた。その巨体は、まるで時間が止まったかのように静止している。

「何が起きた? 遼、解析しろ!」

「分かりません! バルログの存在概念そのものに、外部から強力な干渉を受けています。これは……レン様が我々に付与した『神の権能』に似た、しかしもっと限定的な、能力の干渉です!」

遼の報告に、俺は眉をひそめた。俺以外の『神』の介入?

「まさか……」

俺は全知全能の権能で、新宿中央公園の状況を詳細にスキャンする。そして、すぐに原因を特定した。

公園の片隅。瓦礫の下敷きになった仲間を助けようと、必死にコンクリート片を押しのけている一人の青年がいた。彼の能力は、どう見ても普通の人間のものではない。

そして、その青年だけでなく、他にも数人の生存者が、バルログの攻撃を回避したり、傷ついた仲間を瞬時に回復させたりしている。彼ら全員が、非科学的な『能力』を使っていた。

『――フフ、レン君も楽しそうで何よりだ。一方的じゃつまらないだろう?』

頭の中に、あの白いスーツの神様(仮)の声が響いた。まるで、俺の思考を読んでいたかのように。

「てめぇ……余計なことを!」俺は思わず叫んだ。

「レン様、どういうことですか!?」ゼロが尋ねる。

「あの神様(仮)が、遊び感覚で人類に能力を付与し始めたようだ。バランス調整、とかなんとか言ってな」

俺は怒りを通り越して、興奮していた。

一方的なゲームじゃなくなった。俺が設定したルールの中で、人類は『能力者』という新たなカウンターを手に入れた。皮肉にも、それは俺と同じ『神の権能』由来のものだ。

「面白いじゃないか、神様(仮)!」

俺はモニターの中の世界を見つめる。能力を得た青年たちが、協力してバルログに立ち向かおうとしている。彼らの目には、恐怖だけでなく、新たな『希望』が宿っていた。

「遼、イヴ、ゼロ。計画を変更する」

俺はニヤリと笑った。

「人類の中にも『逸材』が現れ始めた。戦争は、次のフェーズに進む。これはもはや、人類と魔獣の戦いではない。能力者同士の戦いだ。俺たちの『神の使徒』軍団をさらに強化するぞ」

人類に能力者が現れたことで、世界はさらに混沌とするだろう。だが、それこそが俺の望みだ。

退屈な世界は、完全にぶっ壊れる準備が整った。


◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇


俺たちは『神の使徒』軍団を強化するため、次の『逸材』探しに奔走していた。人類側の能力者が現れた今、悠長に構えている暇はない。

そんな中、遼が新たな異常事態を報告してきた。

「レン様、新宿中央公園のバルログが……消滅しました。跡形もなく」

「何だと?」

俺はモニターに映る新宿の映像を睨みつけた。ついさっきまで、能力を得た生存者たちがバルログと戦っていたはずだ。最上級魔獣(Tier 2)を、あの程度の能力者が倒せるはずがない。

『――フフ、レン君、楽しんでるかい? ちょっとしたスペシャルゲストだよ』

再び、頭の中にあの神様の声が響いた。俺は口角を上げる。

「てめぇ、今度は何をしやがった?」

『神』は楽しげに笑う。「最強の駒を一人、フィールドに投入しただけさ。じゃないと、ゲームバランスが崩壊しちゃうだろ?」

俺は『神の権能』で新宿をスキャンし直す。能力者たちの反応、そして消滅したバルログの痕跡。そして、一人の男の存在を特定した。

彼は、普通の人間だったはずだ。だが、今は違う。圧倒的な魔力を感じさせる存在感を放ち、その手には、バルログを一瞬で消し去るほどの、制御された『力』が宿っていた。

「……信じられん。人間が扱える範疇はんちゅうを超えている!」

俺は感嘆の声を漏らす。あの神様(仮)は、遊び半分で、人類の中から最強の能力者を作り出したのだ。

「遼、あの男の情報を解析しろ!」

「はっ……解析不能! ですが、彼の権能は『全魔法使用可能オール・エレメンツ』! あらゆる属性の魔法を制限なく行使可能です!」

『全魔法使用可能』。それは、異世界転生モノなら最強格のチート能力だ。確かに強力だが、世界の理そのものを書き換える俺の『神の権能』とは、根本的に格が違う。あくまで「魔法」という既存の枠組みの中での最強だ。

「やりやがったな、あの野郎……!」

俺は激情ではなく、純粋な歓喜に打ち震えた。これはもはや、一方的な虐殺ではない。最高のライバル出現だ。俺の計画を、俺の遊びを、心行くまで楽しめる相手が現れた。

「レン様、どうしますか?」ゼロが黒炎を灯しながら問う。

「決まってるだろ。俺たちの最初の敵は、魔獣や一般人じゃない。あいつだ。人類側の『能力者チーター』と、まずは手合わせだ!」

人類側のカウンターとして現れた最強の能力者。

俺と、俺の仲間たち『神の使徒』は、自分たちとは格の違う力を持つ敵との、最高のゲームに身を投じることになった。

退屈な世界は終わり、いよいよ『神』同士の戦争が始まろうとしていた。

=====

【社会】神の使徒 Part.45 【魔獣】

1 :名無しの生存者:2025/12/16(火) 20:10:33.11 ID:SurvivorJPN001

おい、新宿どうなったんだ!?

さっきまでバルログが暴れてたのに、一瞬で消えたんだが?

誰か現場のやついるか?

2 :名無しの科学者:2025/12/16(火) 20:12:45.09 ID:ScienceIsReal_AA

>>1 詳細不明だが、強力なエネルギー反応が消滅と同時に確認されている。

対抗手段のドローンが効いた可能性もあるが、それ以上の未知の力が発生した模様。

人類側にも覚醒者(能力者)が現れ始めたと見るべきだろう。

3 :名無しの自衛官:2025/12/16(火) 20:15:11.22 ID:JSDF_Secret_XXX

現場にいたが、なんか人間がバルログ持ち上げてたぞマジで。

あり得ない光景すぎて笑えてきたわ。

しかもそいつ、謎の魔法で一瞬でバルログ消し炭にした。

4 :名無しの希望:2025/12/16(火) 20:16:50.01 ID:Hope2025_Now

3

まじかよ!人類の希望じゃんそれ!!

これで『神の使徒』と戦えるだろ!

5 :名無しの厨二病:2025/12/16(火) 20:18:01.45 ID:Chunni_Master

キタコレ!主人公覚醒展開!!

俺にも能力目覚めないかなー。早く俺を戦場に送ってくれよ!『黒炎』希望!

6 :名無しの傍観者:2025/12/16(火) 20:20:19.88 ID:Observer_JP

能力者が現れたのはいいけど、それが本当に人類の味方になる保証ないだろ。

『神の使徒』と同じ力ってことは、人類を支配しようとする可能性もある。

現場の能力者の目、イッてるって話も聞くし。

7 :名無しの生存者:2025/12/16(火) 20:22:30.12 ID:SurvivorJPN002

>>6 そんなこと言ってられないだろ!バルログ倒せるならなんでもいいわ!

とにかく、これで神の使徒と互角に戦えるかもしれないって事実が重要なんだよ!

8 :名無しの政府関係者:2025/12/16(火) 20:24:45.91 ID:Japan_Gov_Anon

>>3 現場の能力者とは接触済みだ。彼は我々と協力する意思を示している。

これは人類の希望の光となるだろう。

9 :名無しの一般人:2025/12/16(火) 20:27:11.05 ID:Citizen_A

とにかく、最強の能力者ならレン様とかいうを倒してくれるんだろ? 早く平和な日常に戻してくれマジで。

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