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哲学の道と僕と1匹の猫

昼下がりのベンチ。

僕の膝の上には君。

撫でると気持ちよさそうな顔する。

僕はそれを見て癒されている。


「話の続きをしようか。」


銀閣寺はとても綺麗な場所だった。

雨と相まって

自然と日本の美しい庭園との調和、

その中で佇む銀閣は幻想的で

非日常を感じさせた。


「色々調べていたら哲学の道なるものがあると知って、

丁度南禅寺の方にも行きたかったから歩いてきたよ。」


哲学の道なら君と一緒に歩けるなと

思いながら背を撫でる。



哲学の道は銀閣寺辺りから南禅寺の辺りまで約2km続く遊歩道で、

春は桜、夏は緑葉、秋は紅葉、冬は静寂

四季折々楽しめるとそこには書いていた。


みゃお、と鳴く君を見て続ける。


「実際歩いてみると、

小川が流れていて、その道の両側には

カフェだったり、雑貨屋だったり、

少し逸れたら神社もあったりして

楽しい場所だったよ。」


雨だったからか人は少なかった。

だからこそより自然の音を感じ、

心が落ち着いた。


そして目に入る全てのものが美しく感じた。

流れる川に飛び込む無数の雨粒たち

雨粒たちを精一杯体で受け止めて揺れる葉

生きていることの素晴らしさを感じるようなものだった。


「哲学の道って名前通りに色々考えさせられたんだ。

僕にとって生きることはなんなのか、

とかね。」


君の手をムニムニと触りながら話す。

君は嫌がることをせず身を任せている。

最近遠慮がなくなってきたことに

多分気づいてるだろうけど、

信用してくれているみたいで嬉しい。


「でも1つわかったことがある。

僕は単に楽しいことを

したいだけなんだって。

一瞬の楽しいもそうなんだけど、

この先ずっと楽しいと思いながら

出来ることをしたい。

まだ見つかってないけど

それを見つけたいなと思った。」


今は凄く楽しい。

隣に君がいてくれているから。

君といる時間以外にできることを、

心からワクワクすることをしたい。

誰にも止められることのない衝動。

今はそれを探す時間かな。


「色々やってみようと思う。

音楽やってみたり

写真とかも。

それに絵を描いたり

小説を書いてみるとかね。

周りを気にして

出来なかったことをしたいな。」


君のことを伝えたい

そんな思いもある。

僕と一緒にのんびりしている君は

大きな目で僕を見てくる。

頭を撫でてやると目を瞑る。

この時間が幸せだ。


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