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女刑事と将門さん  作者: 安土朝顔
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第5話

あの靄が関係しているのかな? 死者のお婆さんに娘か孫に殺されたって聞いたら、首を横に振って泣いていたのってそういう事? 孫の意思ではなく操られていたからってお婆さんの意思表示? 乗り移って人を殺したりできるって教えてもらった事はないし、最近見るようなになった黒い靄を纏った被疑者たちは、乗り移られたとかは言ってなかった。




 靄の被疑者たちは薬とか喧嘩、暴力、盗みばかりで殺しはなかったけど。


 鈴は最近の事を振り返ってみても霊が乗り移って犯罪を犯していたとは思えなかった。




「そう言えば守矢。報告書は書いたのか?」


「はい一応。でも玉井さんじゃなくて何で私が。おかげでこの時間まで残業ですよ、残業」




 手錠をかけたのは玉井だったのに、最初に少年を拘束して自白させたということで鈴が報告書などの処理をしなくてはいけなかった。




「良かったじゃないか。これでまた警視総監賞と刑事課へ近づいた訳だ」


「マジで止めて下さい。私は制服警官ラブなんで。んじゃ、お疲れ様でした」


「おう。なあ守矢。一つ聞いていいか?」


「何ですか?」


「あの坊主に、婆さんが刺殺されていたって言ったらしいな。何でそんな嘘を言ったんだ?」




 玉井は責めている訳でも怒っている訳でもないのは声から伝わってきたが、どこか不審に感じているなと鈴は思った。




「何となくあの子の挙動っていうんですか? それがおかしかったんでカマを掛けただけですよ」


「ふうん、そうか。お疲れさん」


「お疲れ様でした」




 鈴は玉井に軽く敬礼をして更衣室に向かった。




「何でわざわざ狙ってあの子に声をかけたんだか。不思議な奴だよな」




 玉井の独り言は鈴の耳には届いていなかった。

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