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女刑事と将門さん  作者: 安土朝顔
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第34話

深夜に責任者の校長、教頭が駆け付け、早朝に緊急招集された高等部の教師たちには詳細が伏せられていたため、あまり緊張感はないように見えた。しかし警察車両や制服警官がまだいるために不穏な空気を漂わせている。




「守矢、さっき管轄の刑事から聞いたんだが、帳場が立つかもしれんぞ」


「え? 何でですか?」


「少し前に中等部で、男子学生が校内の池で不審死しているそうだ」




加地の言葉に鈴は、一週間前くらいに映像を見て探してたのは殺人事件の溺死だったが、変死で登録されているなら検索に引っかからなかった訳だと納得した。




「溺れたとかじゃなくて?」


「いや、溺れるような池じゃないらしい。事故、自殺、他殺の線で捜査中だが、まだ結果は出ていない。もし仮に中学男子が他殺だとすると連続殺人になる」




連続殺人に仮になったとしたら、何か共通点があるはずだ。それにその男子中学生にも怨霊が絡んでいたら、必ず被害者と犯人に何か繋がりがあるはず。




「ちょっとその池を見てきます」


「おう。直ぐに戻ってこいよ。場所はここの中等部と高等部校舎の間くらいあるらしい。池の真ん中には鳥の石像があってそれが目印だ。分からなかったら誰かに聞いてくれ」


「わかりました」




通りかかった学校の職員に場所を聞いて問題の池に着いて周りを見回した。誰もいない事を確認してから鈴は将門を呼んだ。




「出てきてもいいよ、将門さん」


「あい分かった」




今回は内ポケットに入っているピーポー君が飛び出して来たのではなく、生首がニュルっとでてきたから鈴はビックリした。




「ちょと! 脅かさないでよ」


「ん? どうしたっぺ?」


「どうしたって、生首で出てくるから」


「慣れておるじゃろ」


「人から生首に慣れてるとか言われたくないし、慣れたくて慣れたんじゃないからね! そうじゃなくて、胸元からピーポー君が出てくると思っていたらそのまま将門さんが出てきて驚いたの! 自分の胸元から生首が出てきたら、いくら私でもビックリするよ!」


「それはすまなんだ。以後、一声かけるようにする。それと儂は人でないっぺ」


「そんなツッコミいらないよ~~」




一気に力が抜けて、鈴は池の淵にしゃがみ込んだ。




「どうかしたっぺか?」


「ほら前の土砂降りの日、男子学生が水に沈められているのを見たって言ってたでしょ? あれ多分、ここだと思う」


「なんじゃと!」


「周りは見えなかったけど、この水面の雰囲気というか少しだけ見えた淵もこんな感じだった」




溺死から一週間も経っているからか、残穢の欠片もない。確かあの日は日中の平日だった。警備員室には学校を囲う塀の監視カメラの映像があった。そうなるとやはり犯人は学校内にいる人間の可能性が高い。




それに女子高生を殺して日中に殺しても見つからないと自信があったのなら尚更だ。


しかし男子中学生と女子高生で学年も違うし性別も違う。そうなると中等部と高等部の生徒、それに加えて教師が参考人なってくる。




本来なら黒い靄を纏っている人間をピンポイントで尋問できたらいいが、普通の捜査となるとそうはいかない。そもそも今までは、現場に一番に入り、犯人が近くにいてラッキーだったのだ。




今回は犯人が分かったとしても、所轄の捜査になるから特定ができてもそれなりに筋を通していかないといけない。とにかくこの学校内で黒い靄を纏っている人間を見つけないと話は進まない。




「将門さん、事情聴取をするの嫌だ」


「どうしたっぺ? 急に」


「もう~~将門さん、怨霊の本体を退治してきてよ~~」


「できたらそうしておるんじゃがなあ……苦労を掛ける鈴」


「マジそれ」


「あ、そうだ。将門さんにお願いがある」


「なんじゃ?」


「あのさ――」




鈴は、ある事を将門にお願いした事で少しだけ足取りを軽くして加地の元に戻った。


鈴が戻ると、人が増えていて職員室に集められている教職員たちは、事情を聴いたのは異様な雰囲気になっていた。




「所轄の刑事から説明があったんですか?」


「ああ。一部臨時休校にすべきと意見が出たが、犯人が生徒の一人かもしれんからな。とにかく今日は登校させることになった。その後、所轄と事情聴取に入る」


「分かりました。時間が掛かりそうですね」


「まあな」




ざっと見回すと、後ろのほうの席に濃い黒の靄が見えた。鈴は何気なく職員室の後ろに移動してその人物を確かめた。

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