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女刑事と将門さん  作者: 安土朝顔
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第17話

人質にされた男性は、無表情にされるがままだ。犯人には黒い靄はついていない。




「あ、あの! 私がその男の人の身代わりになります!」


「は? お前、こいつとどんな関係だ?」


「一目惚れしたんです! イケメンじゃないですか? それにそんな大きな男の人より、小柄な私みたいな女の方が人質にはいいと思うんです!」




 犯人は少し思案して、鈴の提案を受け入れた。




「よし。お前、こっちに来い」


「わかりました」




 ゆっくりと犯人に近づき、男性が前に突き出され鈴の腕を思いっきり犯人が掴んだ。




同時に鈴は、引っ張られた力を利用して思いっきり相手に体当たりをし、体勢を崩した犯人の急所を思いっきり蹴り上げ足を引っかけて床に倒した。




「ッウギャ!!」




 一瞬で勝負はついた。


 鈴は犯人の腕を捻じり上げたが、縛るものがないのに気が付いた。今日は非番だった。




周りを見たら人質だった男性の腰が目に入った。




「人質だった人。拘束したいからちょっと着けてるベルトを貸して。あと今、何時何分?」


「分かりました。あと今は一三時二分です」




 ベルトを受け取り、素早く手首を縛った。




「ベルトは後で返してもらって」




 人質だった男性は、鈴が見上げるほどやはり背が高かった。改めて見ると、かなり顔が整った顔していた。うっわ! 美形。脚、長っ! 坊ちゃんって言われていたから金持ちか。この店で買い物をしていたから当たり前か。




 鈴は思わず、普段見ないような美形な男性だったからマジマジと見てしまったが、それより肩に乗っているほっそりとした手で女の人のだろう手が気になった。




 生霊って事でもなさそう。親族かな? 悪いものではないけど、イケメンの肩に乗る霊の手ってちょっとシュール。




 鈴がハンドさんに集中していたら、低めで心地いい声が聞こえた。




「さっき」


「え?」


「一目惚れしたと」




 真面目な顔で、人質にされていた男性は鈴が咄嗟に言った言葉を真に受けたらしい。




「咄嗟に吐いた嘘なんで、気にしないで下さい」




 すると今度は坊ちゃんと呼んでいた初老の男性が鈴の手を握りながら「ありがとうございました。ありがとうございました」と壊れたロボットみたいに言い始めた。




 手を振り払う事も出来に愛想笑いを浮かべていたところに、制服警官たちが雪崩れ込んできた。




「警視庁機動捜査隊の守矢鈴です。一三時二分、現行犯逮捕しました」




 やってきた警察官たちは、犯人の首元を踏み付けながら敬礼する鈴に唖然としていた。




 翌日、登庁すると加地が「昨日、大捕り物をしてみたいじゃないか! あと結婚しても、仕事は続けるんだろ?」と鈴の背中をバンバンと叩いてきて痛かった。




「昨日の午後からの予定、全部パアでしたよ~~休みだったのに無駄に疲れました」




 あのあと、将門さんは逮捕劇にやたらテンションが高くなって、所轄に行く間ずっとピーポー君に入って儂も体術はしておったぞ! と小さい体で実演してくれていた。




パンケーキの事は忘れてくれたみたで鈴はホッとしていた。

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