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第十四話

「昨日と同じだ。不意打ち等を防ぐため今から試合開始時間まで外出を禁止する。トイレの時は門番に申し出るように。魔法は昨日と同じ睡眠魔法のみ許可する」


マルコシアスが2名に説明する。


「それと人形だが丁重に葬った。試合が終わったら墓にお参りしていい。だが試合の途中で墓をお参りすることは禁止する」


「分かったわ」


アネットは納得した。


「承知」


フェルナンデスも納得した。


「それでは食事を持ってきた」


従者が台車を押して持ってきたものはハンバーグにブロッコリーに人参にポテトにパンであった。


食事を終えると食器は回収されて行く。


「アネット、血だらけの聖衣を洗ってみた。どうだろう?」


ちゃんと汚れは取れていた。


「ありがとう……」


「この衣装は聖水などをかける必要はあるか?」


「ないわ」


「そうか。じゃあ部屋干しだな」


そう言ってフェルナンデスは洗濯ものを干す。


「いつもメイドにやってもらっている作業だから苦労したぞ」


「ごめんね」


「礼は試合が終わってから」


「そうだった……」


「さ、早く寝てくれ。精神力の回復こそ勝利の近道だ」


「ところでさ……フェルナンデス」


「なんだ?」


「黄金術ってどう対策したらいいのかしら?」


フェルナンデスは少し考えた。


「あれは……もしかして黄金術というのは術が掛かってる間は術者は攻撃出来ないのかもしれん」


「へ?」


「つまりだ。相手は君と戦いたくないんだ」


(じゃあ、どうすればいいのよ?)


「簡単だ。ガン無視しろ」


(無視……。そう簡単に出来るのかなあ?)


「それはともかく……君はちゃんと相手を討つつもりなんだよな。情けはかけないよな。もしシャーロットが生きていた場合……彼女がエレシュキガルになった後……復讐の連鎖が起きるぞ。なんせ君は家族を3人も討ったのだからな」


「フォーサイトに攻めてくるって事?」


「そうだ。それだけのことを君はした」


(そうだよね。私のしたことって鬼畜だよね)


「アネット……悪になるな。悪役令嬢になれ」


(「悪」の役になれって事?難しいわ)


「さ、難しいこと考えるのは後だ。睡眠魔法だけ書けることが許されている。寝るぞ」


◆◇◆◇


食事を終えて食器もかたずけてもらったシャーロットは一人となった。


――昨日と同じだ。不意打ち等を防ぐため今から試合開始時間まで控室からの外出を禁止する。トイレの時の場合のみ許可するが門番に申し出るように。魔法は昨日と同じ睡眠魔法のみ許可する。墓参りは禁止だ。かたき討ちが終わって生きて帰ってこれたときのみ許される。睡眠魔法が必要なときは伝えよ。私がかけてやろう。


グレモリーの言葉を聞けるとは思わなかった。


(というかきっと自分がエレシュキガルになったら復讐の鬼となって人間族の最後の領地フォーサイトに攻めるだろう。そのように現・エレシュキガルは仕向けているのだ。エレシュキガルってなんてむごい事を考えるのかしら。だからこそ「ビヒモスラージャ」よりも上の位なのかもしれないけど)


そして気が付いてしまった。利用されていたって事に。いいえ。そんなことはとっくに気が付いたうえで復讐心に載ってこの戦いに挑んだんじゃない。何考えてるのだろう。自業自得じゃない。しかも負けそうになって。


(黄金術以外で勝てそうにない)


力を推し量ったときに分かったのだ。とてもじゃないが私ではかなう相手じゃないと。


(死にに行くようなもの……)


もうこれ以上考えたくない。


「すみません、睡眠魔法お願いします!」

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