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第十三話

 またしても必死に結界を作るアネット。だが結界の魔力を吸収すると前の戦いで知っていたシャーロットはなんと巨大な波動をアネットに向けて撃った!


「何よ……これ……」


 結界は無事だが防御力を向上させる魔法効果が切れた。


 シャーロットは結界の外に巨大な神聖空間を作る。光り輝くその世界はシャーロットを守る。シャーロットの皮膚はまるで黄金色だ。


――なんて神々しいんだ


観客がどよめく。


(まさか……)


試しにちょっとした攻撃魔法をアネットは打ってみたがまるで効果が無い。魔法が打ち消される!


「どういうこと!? フェルナンデス!!」


フェルナンデスに戦闘中に聴くのは初めてだ。


「分からん……なんだこれは……俺も見たことが無い」


「黄金術よ」


なんとご丁寧にも敵であるシャーロットが答えた。


「攻撃をほぼ無効化する。それがエレシュキガル様から教えてもらった奥義!」


(そ……そんな!! それじゃ……私の攻撃は一切効き目が無い!?)


ならばとその黄金術を打ち消す波動砲を出すアネット。


効いたか!?


だがその魔法も打ち消されていた。


アネットは相手の攻撃が来る様子をうかがう。しかしいつまでたっても相手は攻撃する様子を見せない。


「どういう事? なぜ攻撃してこないの!?」


その問いにシャーロットは無言だ。


「アネット様……私達家族の過ちをお許しください」


(!?)


「この戦いを引き分けで終わらせるのです」


「それは出来ない」


なんとその声は審判のベレトの声だった。


「この決闘はどちらが負けるかで決まる。引き分けなどない。なお日没後は明日に持ち越される。お前もこのルールは聞いているはずだ」


非情な審判の声。


するとアネットは波動砲を泡状で出した。


「これで互角かしら?」


(相手は……攻撃が一切通用しない!?じゃ、どうすれば勝てるのよ?この波動砲だっていつまでもつか!?)


黄金術を解いたシャーロットはあいさつ程度の魔法攻撃を繰り出す。炎、氷、水、雷撃、光、闇……。威力は小さくすべて波動の力で打ち消される。結界にすら届かない。


「両者に告ぐ! まもなく日没を迎える!」


泡状の波動砲術を解いたアネットもあいさつ程度の魔法攻撃を繰り出す。炎、氷、水、雷撃、光、闇……。威力は小さくすべて結界に跳ね返される。


(魔王だわ。まさに次期魔王にふさわしい相手)


アネットは相手の力を測っていた。もしかして相手もそうなのか。


そんな時……光魔法がアネットを襲う!!


「逃げろ!! アネット!!」


フェルナンデスの声に従い頭上から降り注ぐ光線をよける。


「残念ね。もっと太陽の力が強ければアネット様は静かに消えるようにして死ぬのに」


(太陽の力が強ければ……。ということは明日はもっと厳しい戦いが待ってる!)


瘴空から太陽が沈む。


「これまで! この戦いは持ち越される。明日の9時に再試合となる! なお明日は昼休み無しの戦いとなる!」


ベレトの声が響く。


「今日はご挨拶程度に留めておきましたわ。アネット様」


挨拶……。


「よくやった。今日は終わった。俺たちの実質的勝利だ」


フェルナンデスが言う。


「どうかしら?」


シャーロットはフェルナンデスに向かって指を指す。


「私の黄金術に対する対策が出来なければアネットは消耗して最後は負けるだけ……ではアネットに違うお願いをするわ。降伏して頂戴?」


その顔は悪魔の笑みともいえる笑みだった。


さすが次期エレシュキガル候補。


これに対しアネットも魔女の笑みで返した。


「お断りしますわ、姉さま」


「両者、控室へ! フェルナンデス! 貴殿もだ!」


この声を聴くと観客は続々と席を立ち帰って行く……。

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