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第八話

 当然魔は……モルゴースは人形の足を攻撃する。もちろん人形は結界で守っていた。そこに何度も槍で攻撃していた。そんなモルゴースは妙な呪文を唱えた。


「なにこれ? 結界を超えていくわ!」


人形を操作してるアネットが驚く。


そう、普通は結界を超える呪文なんて存在しない。が……この呪文は結界をすり抜けていったのである。鎧の色が変色した。


「アネット、まずい!! それは鎧の弱体化を進める呪文だ」


「フェルナンデス何よそれ!? 聞いたことないわ!」


「君は中等部で何を勉強したんだ!」


これはデバフの一種で防御力を下げる呪文であった。


「さすが落ちこぼれね。『バリアダウン』も知らないなんて」


アネットはやはり落ちこぼれだったのであろうか。


棒術が得意なモルゴースは結界にどんどん傷をつけていく。


「槍だ。あの槍に何か仕組んでいる!」


そう、フェルナンデスの言うとおりだ。普通は結界を壊せるはずがない。武器が特殊に違いない。


「じゃー武器を徹底的に攻撃するしかないね」


アネットはアグリちゃんを操作し斧を振り回し武器を狙っていくことになった。


互いが結界を張る。しかし、前の戦いと同じであった。斧の威力は並大抵のものではなかった。モルゴースの結界にひびが入る。


結界と結界のぶつかる音がする。


キーンという音が響き観客が耳をふさぐ。


だが先に結界が割れたのはアグリちゃんのほうだった。


「隙あり!」


アグリちゃんの足に突き刺さる。その足が刺さった状態でなんと槍を持ち手放さない。


「なっ!?」


そのまま斧は槍の束を折った!


相手の武器を喪失させた。


「いくぞ~~~~!」


そのまま斧を縦横無尽に振り回す。斧は盾の役割も果たしていた。魔法を跳ね返す。それでも一部は被弾し脚を次々攻撃され動けなくなっていく。そこでなんとアネットは斧を投げた。


ひび割れた結界を突き破り見事に斧がモルゴースの体に突き刺さる。悲鳴が木霊する。


いざという時に持っていた剣を抜きモルゴースの首を刎ねた! 兄妹の悲鳴が木霊する。


「そこまで! 勝者アグリちゃん!」


だがもうアグリちゃんは使い物にならなくなっていた。


「これより15分の休憩に入る!」


アネットは意識を失いそうだった。人形操術でかなりのエネルギーを消耗していた。ただ操るだけじゃこうもエネルギーは消耗しない。戦いはエネルギー消耗の次元が違う。そもそも人形自体にも結界を張っているのだ。これだけでも相当のエネルギー消費だ。


「アネット、もういい。次の戦いに備えよう!」


フェルナンデスの声はどうにか聞こえた。

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