~序~
委員会室に宣誓が響く。
「汝、アネット。聖女の地位を譲渡することを誓うか」
「誓います」
「汝、リシテア。聖女の地位を承継することを誓うか」
「誓います」
「汝、リシテア。聖女の地位にいる間は『ソフィア』の名を使うか?」
「使いません」
「それでは杖と聖女の聖衣の譲渡を」
委員長の声に従いアネットは杖と聖衣をリシテアに渡す。
「委員たちよ。リシテアを聖女とすることに意義はないか?」
「「異議なし!」」
6人の委員。貴族から選出された委員が全員異議なしとなった。
「これにより本日からアネットは元の平民となる。学業に励むように」
「はい」
アネットはいよいよかたき討ちに出る。おそらく最後の戦いになるのだろう。
だからまだ休学届は出したままだ。
かつて聖女の譲渡の儀式は神殿で行われていたが国土喪失のため今や学園内で行われる。この部屋は普段理事会が行われるところだ。
自分は平民に戻ると聖女室つまり校長室に入り私物を片付ける。私物も段ボールの中に入れた。
「今日からここに座って、リシテア様」
「様……はいいです」
「じゃあ、リシテア。ここに座って」
新しい聖女にして校長は校長の椅子に座る。もちろん学生兼校長だからと言って不正などは許されない。そんなことをしたら聖女の地位を剥奪どころでは済まない。死刑もあり得る。重責なのだ。
「じゃあ、私はまだやり残したことがあるから行ってくる」
「アネットさん!」
「何?」
「ちゃんと生きて帰ってください!」
その言葉はもちろん……。
「当たり前じゃない」
そういって校長室のドアが閉まった。
「アネット」
廊下にはフェルナンデスが待っていた。
「いよいよだな」
アネットの服が普段着に戻ったことを確認する。
「ええ」
「あと2人、かたき討ちのメンバーに参加する者を探さないといけない。でないと君は相当不利な状況で戦うことになる」
「2人どうやって探すのよ!」
「分からん……」
2人はかたき討ちのへ参加自体の雲行きが怪しくなってきた。




