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第四話

ここが……影裏族の根城……。


一見なんも変哲もない土地だ。


ところどころひび割れてる部分を除けば。


ここをまるでらせん状に表土を削り取る。


2人も聖女が協力すればこんなことは訳が無い。


するとしばらくして空洞が現れた。


なんということだろうか。本当に地下世界が現れたとは。


そしてここに巨大な石が置いてあるのは封印だったのだ。


石は4つ置かれており2つにひびが入っている。これで結界が解けてしまったのだろう。


「行きます」


エレシュキガルが言う。


なんというあっけない結末であろうか。結界が地下都市を包む。逃れられないようにしてるのだ。影の種族をジェノサイドしてるに等しい。フェルナンデスはこの2人の聖女に恐怖を覚えた。


あまりの地下深くなので途中で野営をする羽目になった。


そして翌日に到着した王城や城下町を見る。なんと人間や獣族と変わらないではないか。


「おい、フェルナンデス!」


マルコシアスがついに怒った。


「まさか、同情してないだろうな?こいつらはお前を包んで溶かして殺す恐るべき相手なんだぞ!」


「分かってる」


フェルナンデスがその声に答える。縄で影裏族を捉え体を散らした。


四天王なるものもいたが全く相手にならなかった。名前すら憶えてるのも面倒であった。


そして逆座に座っていたもの。スーバイが居た。


「お前の軍はすべて倒した」


マルコシアスの声にスーバイは何も答えない。


「何か最後に言うことはないか?」


エレシュキガルが聞くが何も答えなかった。


やがて重い口を開いた。


「次はどうせお前らの争いになるであろう」


「そうか。それがお前の遺言か。アネット……やれ」


「わかった」


アネットが魔導縄でスーバイを捉えぐっと握ると断末魔と共に散って行く。


「終わった」


マルコシアスの声は淡々としていた。


「あっけなかった」


エレシュキガルも淡々としていた。


「ここはわが軍が調査して遺跡にしよう」


共通の敵が消えたということはまたしても獣族と人間族は再度敵対関係になる。


「ここに魔法陣を設定して瞬時に旧王城に戻れるよう」


エレシュキガルの指示にマルコシアスは「御意」と言った。


(こんなにあっけないものなのか?先代勇者はなぜ苦労したのか。それとも人間族はやはり侮れないということか?)


マルコシアスはなにか心に引っかかった。

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