~序~
カラン魔法学院。アネットはかつての学び舎に来た。
ここの食堂に2人の聖女が並ぶ。
アネットの後ろには「れっく君」と「さーち君」もずらっと並んだ。もちろん条約締結の一連の流れを記録するためだ。さーち君の向こうには水晶玉超しで様々な人が行く末を見てる。
アネットの隣はフェルナンデスとアッシュとコルネルが座る。
エレシュキガルの隣にはマルコシアスとギルバードとノインが座る。
アネットは初めて聖女を、もう一人の聖女を見た。
(本当に服装がそっくりだわ!)
「租借地料金を……受け取る事を辞める」
マルコシアスが切り出した。
気まずい空気が流れだす。なにせ先代聖女の心臓を食ったのがエレシュキガル。先代聖女の血肉を食ったのがマルコシアスなのだ。後ろはベレト、グレモリー、プルゾンもいた。
「我々人間の苦しみが理解できたか?」
フェルナンデスが問う。
「もちろんです」
エレシュキガルが答えた。なにせエレシュキガルは元人間なのだ。
「ねえ……」
アネットが何か言おうとした。
「ねえ、影裏族って要はずっと長年封印されてきたんですよね」
「そうです」
「結界はいつまで持ちそうだ?」
フェルナンデスが問う。
「正直分かりません。火山の威力とか地下物質次第でしょう」
「それでは困ります」
アネットはきっぱりと言った。
アネットはすっと書類を差し出した。
「同盟ですか」
エレシュキガルは少し驚いた。
「同盟だと?」
マルコシアスはかなり驚いた。
「人形操術ができる兵士を送りましょう。ゴーレムは……最高軍事機密ですからダメですけど。人形ならすでに送ってますし」
「それで影裏族に勝てるのか?」
マルコシアスはもっともな質問を出した。
「勝てる」
「!?」
アネット以外の全員が驚いた。
「なぜ、そう言い切れる?」
「実態のある影なんでしょう? それはこの魔導の紐を使えば。そして結界の再設置を人形が行うのです。数は力です」
「いいだろう。もっと鉄鋼を貴国に輸出しよう。貴国には地下鉄用のレールも必要だろう」
「分かりました。感謝いたします。ではこの学院に『傭兵』として人形操術兵を駐兵させますがよろしいですか?」
それは事実上カラン魔導学院へ人間が帰還するに等しい。
「もちろんです、人形姫」
「では、条約の締結を」
エレシュキガルはサインをする。アネットもサインした。
条約締結後アッシュ・コルネルとギルパート・ノインが移動する。
新しい戦争が始まる――!




