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第五話

悲劇は突然起きた。


火山が次々爆発したのだ。瘴空溢れる地域で。突然。


そして地中に埋め込まれた結界が壊れた。影裏族が表に出る。一気に首都へ攻め入る。


獣人族は今まで自分がしてきたことをされる番になったのだ。


首都を放棄せざるを得なかった。ギルバードも含めてカラン魔導学院に転移する。


逃げ遅れた者は影裏族に取り込まれ体を溶かされながら死んでいく運命となった。獣族を取り込んだの魔力はより強くなる。獣族は絶頂の瞬間から一気に国難の時代に突入した。


「首都イブラヒムが!!」


エレシュキガルが泣き崩れる。


「またしても俺たち獣族は追われるのか!」


マルコシアスは思わず壁に拳をぶつけた。大きな穴が開いた。


「聖女様! せめて瘴空がない地域に結界を! ここなら地震もほとんどありません!」


グレモリーの提案。そのラインはかつての人間族との国境であった。


「そのラインは……」


「我々が絶滅してしまいます!」


グレモリーが懇願した。


聖女は部下の懇願を聞いて尖塔に上って必死に結界を張った。


「旧国境の魔法陣の機能を止めて! 魔法陣から魔族が来るわ!」


魔族。そう、影裏族は獣族にとって魔族であった。


「グレモリー様。いい機会です。ここを首都としましょう」


「ですがプルソン殿。ここは人間族の領土に近いです。挟み撃ちされる心配が」


「我々の財力と魔力をなめてもらっては困ります。まあ鉱山を多少失ったのは痛いのですが」


そう、この時人間族の痛みや苦しみをようやく理解できた。痛いほど。


「ギルバード呼んで頂戴。不可侵条約を強化すると。租借地料も要らないと。出来ればアネットと直接条約を結ぶのです」


第7章 終

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