第四章
――なんか獣族が激減したねえ
――なんでも後から来た人間を追い払ったみたいだ。それで自分は陽光溢れる国に行ったらしい。
――身勝手だよね。俺たち影裏族を追いやっておきながら
そう、その名の通り影だけで形は自在に変えられる。獣族が影になった状態と全く同じだ。違いは実在化出来ないことにあった。影裏族はわずかな隙間も抜けられる。まるで液体のようだ。地下世界で地震を起こせる。そんな彼らになぜ負けたのか。
好奇心で獣と交わってできた半影裏族に負けたのだ。当初は半影裏族を劣等民として酷使していたが革命によって倒れた。勇者なるものを引き連れて、だ。おかげで光がほとんど刺さぬこの闇の大地の地下世界で蠢く存在となった。しかもほとんどは封印されてしまい地上に出ることもままならぬ。その後半影裏族は「獣族」と名乗ってこの大陸の覇者となった。人間が来るまでは平和に過ごしていた。地下に「地獄」を作りながらだ。
そしてついには我々の存在すらも認識しなくなり影裏族は伝説と化したのだ。結界の力も強烈だった。歴代の聖女の力は凄かったのだ。
地震はその結界の威力を弱めるための手段だが、ほとんど効力が無かった。外の世界に出れる影裏族も少ない。というよりも地下世界に慣れてしまったのだ。
そんな地下世界。実はもう人口減で苦しくなっていた。そんな時に獣族の鉱山を見つけた。そうだ。ここを丸ごとのっとってしまおう。
影裏族の攻撃方法は残酷だ。対象物を包み込んで溶かすのである。そして我が物とする。
我らの悲願は千年越しであった。火山の近くまで地下世界が到達したのだ。
いよいよ反撃の時は近い。
もはや地下世界とは言い難いほどのまばゆい都市。そこの宮殿にスーバイは居た。
「いよいよ、わが民族の念願の時が来た」




