表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/83

第二話

模擬戦場でボロボロになったゴーレムが居た。


「アッシュ、どうしてそこまで強くなったんだ」


コルネルはなんども旗を折られていた。今日だけでなくもう6回戦全部敗北したのだ。


「僕は獣族の学校でいろいろ学んだから」


「そうか……ちょっと、一緒に来てくれ。まあお茶でも飲まないか」


「……いいけど変な真似はしないでよね」


「当たり前だ。俺はもうそういう卑怯な真似はしない」


◆◇◆◇


勘当かんどうだって!?」


「そうだ。俺みたいな落ちこぼれは貴族籍をとっても無駄だと」


「どうするの。だって君は、ここゴーレム重工の」


「そうだ。聖女様だけでなく君にも負けるようじゃね。もういらない子って事なのさ。後継ぎは次男なんだろうさ」


「でも、ゴーレムは輸送用としても活躍するって」


「うちのオヤジは戦争の事しか考えてねえよ。武器商人さ。商業用や民生品はおまけ。クズなのさ。だから負けるたびに、戦争を反対するためにぶん殴られてた。馬鹿すぎる。勝てると思ってるんだ。この状態でだよ。俺は人類をこの大地から絶滅させたくない」


「そう」


長い沈黙が流れた。


「ねえ、これは1つの提案だけど……」


「なんだ」


「僕と一緒に交換留学しない?」


「なんだと……」


「よく考えてよ。なんであんな弱小の僕がこんなにゴーレム戦で強くなったって事を」


「そりゃそうだが」


「獣族はゴーレム自体は操れない。でも君は操れる。そこに獣族が持つ増幅魔法や超・上級魔法を手に入れたら。親も見直してくれるのではないかと思ってね。さすがにゴーレムは軍事機密だからここから持っていくことは出来ないけど。それで人類はこの大陸で絶滅を防いだんだしね」


「……お前、だましてないよな」


「だましてない」


「本当だな」


長い沈黙が流れた。


「お前に暴力振るって申し訳ない」


「ありがとう……」


長い沈黙が流れた。紅茶を飲む音以外何もしない。そこでアッシュが切り出した。


「ところで人形は操れるよね」


「もちろんだ。下位魔法だしな」


「僕一人じゃもう人形操るのもう限界だしね」


「人形操って何やってる」


「未開の地の探査さ」


コルネルはケーキスタンドにあるサンドイッチをかぶりついた。


「おもしれえ。もうこの地に俺の居場所はなさそうだ。差別を覚悟で行くか」


「勿論聖女様が許可するか分からないよ。それに相手の交換留学生が来るのかも」


「もちろんさ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ