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第五話

冬休みが終わる頃ギルバードはなんと元人間の獣族が人間に擬態できることまでグレモリーから教えられた。


「まあ、6時間ぐらいは持つかしら? 元の姿に戻って30分くらいたってまた人間に擬態すれば人間界に紛れ込むこともできる。そうやってひそかに獣族の勢力を伸ばしていったの」


そうか、そうやってアネット以外のクロエ家と村人は人間になりすましていたのか。


そして……自分も人間時代のギルバードに戻れた。


「この姿を『クル・ヌ・ギア』内で晒すのはやめてね。最悪襲われるからね。今日は特別よ」


そしてめきめきと音をたてながらグレモリーも人間に擬態する。40は超えてるであろう貴族の母という感じだ。


「こんな私もカラン魔導学院時代はお茶会によく誘われたものです」


なんと大先輩ではないか。


「平民……というか農奴というだけで人の命をゴミのように殺していました。私はそんな父母に疑問を持ち、そして平民と共に立ち上がり自ら獣族と……人間の言う『魔族』となったのです」


そういってめきめきと音をたてながらグレモリーが元の姿に戻る。


「そして各地で武勇を立て、気が付けば私はなんと四天王に抜擢されました。先代四天王軍事担当のミゲル様は今大学教授になってるわ。アッシュの指導教授よ」


(どうして、どうしてそれを言ってくれない!)


そう思った。めきめき音をたてながらギルバードも元の姿に戻る。


「どうして、それを……」


「言えないでしょうね。だって人間にひどい事して来たんですから」


そうか。


「私達が罪悪感無しで戦争してるわけないでしょう。失地回復戦争とはいえ」


そうだよな。


「まだこのことはアッシュ君には言わないで」


「分かった」


「私も……財務担当以外の四天王は肉体的な衰えもあるからいずれは任命を外されるの。そして平民に戻る。四天王なんてそんなもん。中には罷免されるものもいるわ。その時ミゲルのように大学院に入りなおして大学教授やったりするわね。もうこの年齢じゃ民間になんか行けないでしょうし」


「何でそんなことを?」


「貴方がそうなる可能性があるからよ」


(それは、自分が四天王になるということか?まさか?)


「まだ、可能性だけどね。だから貴族時代の誇りは失わないで。学業もね」


「もちろんだ」


訓練場にマルコシアスもやって来た。


「ここに居たのか。探したぞ。おい、そろそろ行くぞ。アッシュ君も待ってる」



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