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第二話

上級魔法を習得したアネット。転移魔法も覚えて移動力が格段とアップした。まさに指輪のおかげだ。しかしそれでも留年危機が去ったわけではない。2年時に64単位を取らないと原級止め、4年時に必修単位と128単位以上を取らないと留年なのだ。留年は2回までしか認められてない。つまり3回以上留年すると貴族籍をすでに剥奪されたものは永久に平民へ、貴族籍を持ってる者はここで貴族籍を剥奪され平民に永久に落ちることになる。大学除籍処分となり平民籍に落ちたものは銀行や商船の損害保険会社などに就職する。そういった就職先は平民の中でも最上位級であるがそれでも領地運営者だった一族の時代からするとただの雇われ人に落ちる。場合によっては執事・メイドに落ちるのだ。なお、登録単位は1年で60単位までなので事実上3年まで通学となる。4年次はもう貴族生活の準備になりあとは希望者が卒論を書くだけなのだ。卒論を書くものは修士課程に行く。修士に行くものは平民ばかりで貴族は珍しい。修士課程は貴族籍を取った1代限りの元平民がさらに上位の生活を手にするチケットでもあるが元から貴族だった者に修士号や博士号は意味のあるものではない。研究好きの貴族はともかく。


アネットは武芸でも補習の対象者となった。そう、武芸科目は必修で逃れなれなかった。つまり4年間で128単位以上取っても武芸Ⅰ、武芸Ⅱという2科目を落とせば留年なのだ!


ここばかりは人形の助けが無い。アネットも杖の使い手である。しかしことごとくはじき返される。魔法使いは武芸に強くなくてもいいのだがそれでも限度というものがある。


「どうした人形姫!! 人形の助けが無いと何も出来ないのか! MP無い状態だと魔物に殺されて死ぬぞ!」


師範の声が響く。師範の名はマオ。なんと女性の棒使いだ。武芸Ⅱの担当准教授でもある。得意げに棒を振る。


◆◇◆◇


「痛そうだねえ」


「ありがとうございます」


回復魔法があるとはいえ、手厳しいものがある。保健室で治療するのだ。保健室の先生ドロシーが治療する。


今回ばかりは人形にも補助具にも頼れない。つまり誰も助けてくれないのだ。


「ここはね、52年前に先代聖女様が寄る辺のない人たちや一部の貴族を連れて魔物が跋扈してた地域を開拓して出来た辺境領って事、知ってるわよね」


「はい……」


「聖女様が張った結界の外は魔族、魔物だらけなのよ」


「勿論知ってます」


そう、ここは開拓地でありまだフロンティア線があちこちにある。フロンティア線の外は、魔界なのだ。


「魔物や魔族でもいい魔物や魔族も居て浄化魔法使えば人間にすることも出来るのですからね。特に人の形に近い魔族は」


「はい……」


「説得するときは魔法が無効の部屋で説得する時もあるのよ」


そう、説得に失敗したら魔法が使えない状況で戦うことになる。


「あのー、杖の武術ってどうにかならないんですか?魔法使いってけっこう体弱そうな人、多そうなんですが」


「練習用の杖を自分の力で強化することなら許されてるし、実際の戦闘ではいい杖を使うのよ」


「でも、魔法は禁止でしょ?」


「そう、魔法を使わずにどうやって杖を強化して武芸科目をクリアするかだねえ」


「はい、治療完了」


魔法を使わずに、杖の強化?どうやって?


「ありがとうございました」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ニュアンスが異なるかもしれませんが「寄る辺のない人たち」ぐらいの方が穏やかではないでしょうか
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