九章〜十一章
めちゃ時間かかってしまいまして申し訳ございません
その分読み応えも上がっているので、楽しんで頂けたら幸いです。
第九章
確認・融合
「おはようございます。レム様。」
「んん…?誰?」
「私は貴方様をサポートするための人口知能「アイ」とお呼びください。」
「え?アイ?なんで?お前ついに体を持ったのか?」
「貴方様が巨神兵となった事により魔力が大幅に上がったことで、可能になりました。」
「へ、へー…なんでお前メイド服着てんの?」
「貴方様の記憶を少し覗かしていただき、この姿が一番お気に召すかと思いまして。」
「いやまぁ従者と言えばメイド服って相場は決まってるけどさぁ。」
「ご評価ありがとうございます。今の姿がお気に召さないのであれば、自由に変更が出来ますので、お申し出ください。」
「それはいいんだけどさ、俺は魔王になって何か強化されたりとかあるの?」
「先程申した通り、魔力の大幅上昇及び耐久力の大幅上昇等々などです。あとは新しい能力が追加されました。」
「能力追加されたの?」
「はい。新しく追加された能力は、
・転移
・吸収
・解放
・変形(鬼神)
・変形(炎神)
・森羅万象の知
・索敵
・先見の明
・土流移動+召喚(土人形)=土流操作
・心眼(未開放)
・造形加工
・使役
・集約
・魔王覇気
「多い多い!え?そんな増えるもんなの?」
「魔王への進化とはそのような物なのです。」
「へー、兎に角確認しに行こうかな。」
「はい。それがいいと思います。」
「おーいルート。」
「はっ、何でしょう、レム様。」
「俺は少し出かけてくる、皆で業務をこなしておくように。」
「はっ。承りました……其方の女性は?」
「あぁこいつは俺の秘書だ。」
「そうでしたか。お初にお目に掛かります、私ルートと申します。」
「私はレム様のサポートをする、アイです。よろしくお願いします。」
「じゃあ封印の洞窟行くか。」
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「さて…兎に角、転移」
転移は指定の場所にポータルを置いて、そこと繋げられるというものだった。アイによると、この大陸の端から端まで範囲があるという。
「吸収」
吸収は、色々な物を吸収できる技だ。敵の攻撃なんかも吸収出来んのかな?
「解放」
解放は、吸収で吸収した物を解放できる技だった。エネルギー砲みたいな感じでも出せる。普通に吐き出すことも出来るらしい。
「変形(鬼神)…え?俺鬼神になれんの?」
「魔王への進化と共に、配下である魔物に変形できるようになりました?」
「へー…妖精とかドワーフとかでも、配下にいれば何でもなれんのか。」
鬼神の体は、筋肉ががっしりしてて、背の高い22歳ぐらいの人間みたいな見た目をしていて、角が生えていた。
「変形(鬼神)を実行したことにより、新能力、「一刀両断」を手に入れました。加え、「楼花斬」を獲得しました。」
一刀両断は…言うまでもないけど、楼花斬は気になるな。
「変形(炎神)」
「変形(炎神)を実行……成功しました。炎神を実行したことにより、新能力、「炎操作」獲得しました。それに加え、「覇王魔衝陣」、「炎華抜剣」を獲得しました。」
炎神はだいぶ人間に近い形状をしているけど、体の半分以上が炎で出来ていた。
「炎操作」
炎操作は文字通り、炎を操作できる…そのままだな!いや、待てよ?これ新技産まれちゃうかもしれないな。
「炎操作を発動して、手に波動を込める事ってできるか?アイ。」
「可能です。実行しますか?YES/No」
「YES!よし行くぞ、「炎波動」!」
「成功…新能力「炎波動」を会得。」
「よっしゃあ!概ね読み通りだな。コマンドは→↘️↓じゃないけど。えっと、次は…森羅万象の知?これなんだ?アイ」
「森羅万象の知とは、私の機能の一部である、知能の部分を大幅に強化した物です。」
「じゃあこの、先見の明っていうのは?」
「先見の明は、極限まで集中することで少し先の未来が見えるものを簡略化して、瞬間的に発動できるようにしたものです。」
「結構強くね?次は…心眼?」
「心眼(未開放)とは、心眼の未開放状態を指します。」
「解放方法は分からないのか?」
「ひたすら修行を積むしかないらしいです。」
「そうなのか。」
「リトルフさんに後ほど聞いてみてはいかがでしょう。」
「そうだな。えっと…造形加工?」
造形加工は鉱石などを、瞬間的に加工し、好きなように造形できる能力だった。
「集約」
集約は、身寄りのない精霊を集め、上位精霊にできるものだ。
「おお、人間見たいなやつが出てきたな。」
「お初にお目に掛かります。私は闇の上位精霊でございます。 」
使役は集めた精霊を自分の使い魔に出来るものだった。
「よろしくな。お前、名前はあるのか?」
「私には名はございません。通常精霊には名は無いのです。」
「じゃあ今日からお前は「戒」と名乗るといい。」
「…!ありがたきお言葉。この戒、レム様に一生着いてまいります!」
「おう!心強いな!」
これでやっと能力の確認ができた…街に帰るか。
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第十章
建国
「おーいルート、帰ったぞー」
「お帰りなさいませ、レム様。レム様に客人が来ております。」
「俺に?誰だろ?」
「貴方様がレム様でございますね!」
「そうだけど…なんか用?」
「私たちを貴方様の傘下に入れていただきたいのです!」
「え?」
「「「私たち貴方様に忠誠を誓います!」」」
どっかで見たことあるな…まあ、断ることも出来ないか。
「レム様に気軽に話しかけるな。この下民が」
「お前はその喧嘩腰をどうにかしておけ。お前らは一つの村から来たのか?」
「いえ、私共は多数の集落から集められました。」
「そうか…自分の住む家は自分たちで作れよ。」
「え?受けていただけるのですか!?」
「あぁ、断る理由もないしな。好きにしろ。だけど、この国にいる限り、ルールは守ってもらうからな。」
「ありがとうございます!」
「レム様の厄介事を増やすようならば、俺が真っ先に追い出すからな。」
「少し落ち着け、戒。別に大丈夫だよ。」
「しかし、レム様…」
「自分の身は自分で守れるようにならなきゃ、人の上に立つものとして、失格だからな。」
「……!深いお言葉、心に強く響きました!この戒!感動でございます!」
「感動したならそれでいいよ。」
「ルートはいるか?」
「はっ。ここでございますが。」
「皆を広場に集めてくれ。」
「はっ。承知致しました……集まったそうです。」
「え?もう集まったの?何か早くね?」
「今連絡したのです。」
「まあ早いに越したことはないか。さて、広場に行こう。戒とアイも着いてきてな」
「「了解しました。」」
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「皆の者沈まれい!レム様がお話になるぞ!」
「そんな気負いしなくていいよ。さて、今日みんなに集まってもらったのは、この街の人民調査と俺の仲間を紹介するためだ。先ず、俺の新しい仲間を紹介しよう。俺の秘書のアイだ。」
「皆さんこんにちは。私はレム様をサポートする人工知能アイです。以後、お見知り置きを。」
「それと…俺の直属の兵士の戒だ!」
「レム様直属の兵士の戒だ。正直お前ら下級な魔物等と群れる気は毛頭ないが、レム様が言うのならば、その命に答えようと、できる限り努力するからよろしく。」
「そんな所だ。さて、人民調査というのは、どんな種族がどれだけいるのか。と言うのを調査することなので、皆協力してくれ。」
「迅速に行動しろ!レム様の手を煩わせないよう!」
「俺は恐怖政治がしたい訳じゃないから大人しくしとけ!戒」
「ですがレム様……分かりました。」
「集まりました!レム様。この街には
・ゴブリン 四百五十
・ドワーフ 三百七十
・ピクシー 二百二十
・オーガ 十九
・鬼神 三
・上位精霊(闇) 一
という感じです」
「そうか…皆御苦労だった」
「はっ!ありがたきお言葉」
「さて、次に話したいことは、皆の生活環境に付いてだ。皆は今の生活環境に満足しているか?本心で答えてくれ。」
「はっ!良いでしょうか?!」
「いいぞ」
「私は排泄環境について少し不満なことがあります。今は垂れ流してるだけなので、有効活用出来ないでしょうか?」
「そうだな…アイ、排泄物ってどうやって肥料にするんだ?」
「一般的な方法は、水に濡らしたゴミなどと一緒に放置しておいて、作成します。」
「なるほど!ありがとうございます!!」
「後は有るか?」
「レム様。よろしいでしょうか?」
「おう、いいぞ。どんどん出してくれ!」
「鍛冶師についてですが、流石にアレックや、他数名では、賄えなくなってきたのです。」
「そうだな…他の街に行って、腕のいい鍛冶師を探してくるしか無いか。」
「そうですね…ここからだと1番近いのは竜蜥蜴の街ですが、リザードには余り腕のいい鍛冶師は居ませんので、ここから一番最寄りのドワーフの街ですと到着に二週間はかかります…」
「そうだな…」
「レム様!私がお役に立てる時が来ました!!」
「どうした?戒」
「私は空間転移を心得ているのです!」
「空間転移?」
「空間を転移させる能力です。」
「まじか!?ならドワーフの街にはすぐ着くな。」
「では、部隊を結成しますか?」
「いや、俺と戒だけで行こう。皆は街を護っててくれ。」
「承知致しました!」
「戒、行けるか?」
「はい!!命を懸けてもお守りします!!」
「レム様、緊急連絡です。」
「どうした?ジェラード…お前も鬼神になったんだな。」
「南の辺りから魔人将軍が来ています。」
「多人数か?」
「いえ、個人です。攻撃しますか?」
「いや、戦闘の意思があるのかもわからん。様子を見よう。」
「了解しました。」
さて…魔人将軍か。どんな奴なのか…
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ジャマリアの大地を闊歩する、1人の魔人がいた。その男、いや。男かどうかは分からない。何故ならその魔人は仮面をつけているからだ。その魔人の名は「羅刹」かつて魔王の側近であった程の実力者だった。
「ふふ…この土地はいずれ…ふはははは!!」
そしてまた歩き始める。我が物顔で、偉そうに。神をも恐れない風に。そして魔人は一つの街を見つける。
「ここもいずれ我がものになる。挨拶でもして行こうか。ククッ。笑いが収まらん。ククッ フフフハハハハハハハハ!!」
魔人は笑う。一人歩き、余裕な表情で。愉快そうに。己が道に試練など一つも無いと確信して。
第十一章
この大地に君臨す
「このまちの長は何処だ!!」
「俺だけど…なんか用?ていうかあんた誰?」
「ふふ。この俺も知らないとは!世知らずにも程があるな!!まあ低俗な人間ごときだ!仕方ない。許してやろう!」
「は?」
「俺の名を教えてやろう!!かつて魔人魔王様の側近であった!!「羅刹」だ!!まあせいぜい覚えておくがいい!ククッ。フハハハハハハハハ!!」
小物臭がすごいな…適当に、出来れば穏便に帰っていただけないだろうか
「おい、レム様に向かって何だその態度は。次失礼にしてみろ…殺すぞ。」
「おいおい!!やめろ!戒」
「はっ。承知致しました…命拾いしたな。」
「ほう?お前上位精霊か。俺の部下にしてやろう!着いてこい。」
「一線を超えてしまったな…不本意だが殺すしかないようだ。」
「グッ!ガハッ!や、やめ、やめろ!上位精霊如きがこの俺様に逆らうか!」
「おやめなさい!」
「誰だ!」
「私はこの大地の守護者…名をオハーリーと申します。」
「ち、丁度いい。おい!守護者!俺を助けろ!」
「離しなさい。そこの上位精霊」
「俺には戒という名がある。」
「戒。止めろ。」
「承知…致しました」
「はっ…はあ。流石守護者物分りがいいな。」
「貴方は何者なのですか。」
「俺様はこの大地を支配することにした!」
「何者から許可をとりそのような事を?」
「許可などとる必要はない!何故なら俺は神だからな!」
「言ってる意味が分かりません…やはり始末すべき存在!神毒!」
「ぐわぁあぁ!!……とけ、溶ける…」
「神の前にひれ伏しなさい!神の息吹!」
「く、首が、首が………」
うわぁ……魔神が溶けたり頭吹き飛ばされたり…この守護者とやら戦い方が全体的にグロいな。
「失礼致しました…私はこの大地の守護者オハーリー…お初にお目に掛かります。」
「あぁ…兎に角応接室行こうか。」
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「先程は失礼致しました。」
「いいんだ、俺も腹が立ってきた所だったしな。」
「それなら幸いです。さて、本題に入らせていただきます。」
「俺に何か話があってきたのか?」
「はい…ある、事件のお話です。」
「事件?」
「簡潔に言いますとこの国に人間の軍隊が攻めて来ています」
「ふむ…え!?何処の国の?」
「貴方前に、人間の国をひとつ滅ぼしましたよね?」
「ああ。物の弾みでな…」
「その国の姉妹国である国の軍隊が今この森を横断しております。」
「まじか…潰した弊害がここで出てきたか。」
「そこで、私の方から貴方様方に人間たちの討伐もしくは撃退を依頼したいのです。」
「守護者様が直々にか…よし分かった。その依頼。この国で請け負う。」
「有難う御座います。では、私は引き続き人間達を観察しておきますので…」
「さて…準備をしよう。」
滅茶苦茶疲れた…最近諸事情が忙し過ぎまして…許して下さいお願いします何でも…
まあ楽しんで頂けたら幸いです。前書きと同じこと言ってんな私。
まあ、読者と自己顕示欲の為に今後も頑張って行きますので生暖かい目で見守って頂けたら良いです。(後書き長スギィ。)