甘酸っぱいリンゴ_短編小説
恋に恋する女の子の短編小説。
こんにちは、私は彼方あやめです。
私は高校2年生です。趣味はお菓子作り、なんてかわいいこといってますが、よく作るわけじゃありません。
友達の誕生日や夏休みなどの長い休みのあるときと、忘れちゃいけないバレンタイン。
でも毎年本命に渡したいと思っていても、渡せないで弟にあげちゃいます。本命には私が作ったお菓子を食べてもらいたいから、同じクラスの子だったら保険かけます。
クラス中にちょっとしたものを作ってみんなに配ります。
弟は「また、本命に渡せなかったの?」と毎年飽きれてますが、もらってくれます。
私の好きな果物はリンゴです。とくに紅玉のリンゴが好きです。
リンゴの紅い色がただなんとなくかわいくて、そのまま食べてもおいしいし、アップルパイやアップルティーの甘酸っぱさが大好きです。
甘酸っぱさを気持ちにたとえるとしたら、その子に知られず片思いしてるときに似ていると思いません?けっこう楽しい時間で、だから私は甘酸っぱい果物が大好きです。
去年、好きな子に好きだってことがバレてしまって、その子は他の子が好きで結局失恋。苦い思いをしました。
2年になって、クラス替えがありました。
そしたら、私の理想の容姿をした男の子がいたんです。
私は今まで「私の理想の容姿をした男の子」を見たことはありませんでした。
かっこいいと思う子はたくさんいるんですが、理想とまでは思わないです。
去年の失恋をひきずっていなければひとめぼれしたと思います。
ほんとうにきれいな顔立ちをしていてかっこいいんです。
でも、友達と話しているときなど笑うとあどけなくかわいいと思ってしまいます。
通学途中に会う友達にこのことを話したら、「恋」だと断言されてしまったが、私としては、少しだけ気になるだけで恋じゃないと思う。思うけど……そうなのかなって思ってしまう。
その子のこと見ているのがとっても楽しいし、友達になりたいなと思って、まずどうやって声を交わそうかと考えて、数回成功した。
けどしゃべるまでにはいかなくて、趣味が合えばしゃべれるかもしれないと思いつつ、何が好きなのかも分からない。
今その時のことを振り返ると、「恋」だと思っていたのは背伸びした私がただ恋に「憧れ」ていたのかも知れません。