第1章 第24話 再びオメガ
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「ご主人様、ツバサ様からのテレパシーを受信しました。オメガ駅へのトンネルも掘ってほしいとのことです。」オメガ到着直前にツバサからのテレパシーを受信した芽衣子が一機に話しかける。時刻は真夜中。人目につかないように移動するためにこの時間に移動している。いくら今日が満月とはいえ夜空に紛れていればそう見つからないだろう。
「掘るってどこを掘ったらいいんだ? 」
「私は何となく感覚でわかるのですが、うまく伝えられません。上空から指さすことにします。」
「それがよさそうだな。」
「緯度経度の解析が終わりましたわ。って嘘でしょ? 」
「どうしたんだ? 」
「それが、あそこでした。」
「まさか売沢商会の真下にオメガ駅が埋まっていたとは。」
「じゃあ、商子に頼めば簡単だな。」
一機とメイコは売沢商会に行くことにした。
一方、売沢商会では、商子とタクミは一機たちオメガの英雄がいなくなった寂しさを紛らわすために夜空の満月を眺めていた。
「芽衣子のことは残念だが、一機は無事なんだろうか? 」
「無事であることを願うしか。」二日前にオメガで二人の有名人がいなくなってしまった。四大建築物の付近で起きた爆破テロでいなくなった芽衣子と、何故か国王軍に追われ行方不明になった一機のことである。
「しかし、今日の月は一段ときれいね。」
「ん? 今一瞬何かが凄いスピードで飛んでいかなかったか? 」
「そんなわけないでしょ? 」
そんな会話をしているうちに一機たちが着陸した。
「いきなりお邪魔してすみません、こんばんは。」
「ひえっ、あら、芽衣子さんと一機さんじゃない。こんばんは。」
「こんばんは。無事だったみたいだね。俺たちにできることがあったら手伝わせてくれ。」
「だったら助かります。実はですね...。」
一機はこれまでのことを話した。
「しっかし、魔女とは信じ難いが、異世界があるくらいだし居てもおかしくはないか。」
「それにしても、革命を起こすんですって。私たちはオメガ暮らしだからこれまであまり重い税を払わなくて済んだけれど、これからどうなるか分からないし、商人たちの話でオメガの外の暮らしを聞いているので革命を起こすべきだと思うわ。家の地下ならいくらでも貸すし、物資も惜しげなく提供するわ。」
「俺も賛成だ。」
売沢と木野は革命の話に乗ってくれるようだ。
「協力してくれてありがとう。」
「何言ってるんだ。あの時計台を直してくれたお礼だ。」
「そうよ。」
翌朝から地上と駅を結ぶトンネル、駅と木野の工場を結ぶトンネル造りと車作りが始まった。
「こんな高性能な車、初めて見るぞ。」
「しっかし、なんで秘密に製造するんだろう。」
「なんて言ったって、あの造田さんが設計したらいいぞ。」
「さすがだなぁ。」
ギルドの従業員はそんな話をしながら密かに車づくりをしている。これは木野の考えで革命のことは外部に漏れないようにするために、従業員にも詳しいことは話していない。その方が占いで見つけられる可能性が下がるとツバサもテレパシーで言っていた。
それと同時に一機は芽衣子とトンネルを掘っていた。ドリルは高性能だが出てくる土を処理するために異次元カバンを使おうとすると転送量が多すぎて発熱がひどいためゆっくりと掘るしかない。そんな進度なので一機と芽衣子は辟易していた。




