表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢の美妙な冒険  作者: 安久谷クレージョ
PR
20/27

血も凍る陰謀の巻 その①


 ふとアルは、思い出したように服のポケットから髪飾りを取り出した。


「お嬢様、これをお返しします」

「役に立ったかしら?」

「はい。すべてうまくいったと思います。今日のオークションに出品されていたものにも反応していました」

「そう。それはなによりだわ」


 アルから受け取った髪飾りをラミアが自分の髪につけるのを、アルはぼんやりと眺めていた。

 そこへ、ビノが大きな体を揺すりながら歩いて来た。


「いやはや、オークションはいかがでしたかな、ラミア嬢」

「おかげで、楽しませていただきましたわ」

「そうですか。それは結構。もう少しすれば運ばれてきますからな」


 ビノがオークション会場の方へ顔を向けると、ちょうど係員が台車に載せられたガラスケースを運んでくるところだった。

 おそらくは、あの中に『神の遺骸』が収納されているのだろう。


 しかしアルは、その様子を奇妙に思った。

 どこか、芝居がかっているような気がしたのだ。


「ビノさん、さっきは脅すような真似をしてごめんなさい」

「いえ、いいのです。あれは最初からラミア嬢に落札してもらう予定でしたから」

「最初から、わたくしに?」

「ええ。あなたにも共犯になっ(・・・・・・・・・・)てもらう(・・・・)ために」

「何の話ですか、ビノさん?」

「私が申し上げたいのは、今から起こる事に動揺なさらないでいただきたいということです。先に謝っておきましょう。申し訳ない、ラミア嬢」


 まるでビノがそう言うのを待っていたように、黒い服装で全身を固めた男たちが現れ、係員の手からガラスケースを奪い、そしてそのまま消え去った。


「あの者たち、何を!」


 反射的に男たちを追おうとするアルを、ラミアが制止する。


「待ちなさい、アル。……ビノさん、これもあなたのシナリオ通りということですか?」


 目を細め、ラミアはビノに向き直る。

 ビノは頷いて、


「そうです。ヌエ一家はオークションに力づくで介入し、オークションそのもののルールを破る。そして、我々はルールを破った彼らを、大義名分のもと始末できる……そういうことですな」

「わたくしが落札しなければ、ヌエ一家が強硬手段にでる必要もなくなる。だからわたくしが落札できるよう図ってくださったのですね? 警備もつけずに錯誤異物を運ばせていたのも、強奪しやすくするためですか?」

「もちろん。警備が薄くなるタイミングさえ、相手には情報を漏らしておいたのです。ですが、ラミア嬢。私どもを恨みなさるなよ。先に私に取引を申し込んできたのはあなたなのですからな」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ