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百聞は一見にしかず
落ち着きを取り戻そうと、深呼吸を繰り返して、
ようやく我に返った。
いやいや、またこれ、夢オチでしょ?
じゃなきゃ、こんな都合のいい話、あるわけないじゃない。
とはいえ、目の前には、おそろしいほどの美形が、
柔和な笑みを浮かべて、私のベッドに腰掛けていらっしゃるわけで。
「あの、いくつか聞きたいことがあるんだけど…」
「どうぞ」
レオンは樹里が何を聞きたいのかさえ、わかっているかのように頷いた。
「でも、口で説明するより、目で見た方が早いと思うんだ」
「え?」
「樹里、明日の予定は?」
「あ、明日は、特に何も…」
そうだ、明日は土曜で、仕事はお休み。
だけど、これといった予定もなかった。
悲しいことに。
「よかった」
にっこりほほ笑むと、レオンはそっと樹里の手を取った。
「ちょっとだけ、ガマンしてね」
言うと同時に引き寄せられた樹里の体は、
その腕の中にすっぽりとおさまった。
「目瞑ってれば、怖くないから」
「怖くないって?」
「じゃあ、出発!」
「え、ちょ!ちょっと、待って!
行くって、どこ、えぇーっ!?」




