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異世界が迎えに来る  作者: chil
34/35

心配

あれからどれくらい時間がたったのか、

ようやく樹里はアナスタシアから解放された。

窓の外はいつのまにか、すっかり暗くなっていて、

疲れと空腹で樹里はソファに倒れ込んだ。


「おつかれ」


いつのまにかいなくなっていたレオンが、

戻ってきて樹里の隣りに腰をおろした。

樹里の頭にそっと手を乗せると、

自分の肩にもたれるように促す。


「あの人、言い出したらきかないから」


優しく髪を梳くレオンの指に、樹里はふふっと微笑みだけでこたえる。


ウェディングドレスに始まり、

一体何着のドレスを試着させられたのか。

もちろんそこは魔法の世界。

いちいち脱ぎ着する必要はなく、

鏡の中の樹里だけが、どんどん着せ替えられていった。

数が多すぎて、どれがいいかなんて聞かれても、

答えられず、好みじゃないモノだけなんとか伝えた。

そもそも、結婚するなんて言ってないのに!

とは、さすがに言えなかった。

とてもじゃないけど言い出せる雰囲気ではなくて。


「疲れたけど、楽しかったよ」


申し訳なさそうなレオンを慰めようとかけた言葉は、

樹里の本心でもあった。

一応女の子だし、膨大な量のドレスを選びながら、

母と買い物するような楽しさを、味わっている自分がいた。

たわいない話をしながら、その中に色々と収穫もあったし。

レオンは今までの苦労とか、苦悩とか、

何も教えてくれないから、

樹里を迎えにくるために、魔法の技術を磨き、

その研究に人生のすべてを費やしてきたこと。

心ない噂や、誹謗中傷にも耐えてきたこと。

知れてよかった。


できるなら、レオンの口から話してほしかったなぁ。

どうして話してくれないんだろう?

このままじゃ、自分は流されているだけ。


そう感じていた樹里は、腹をくくることにした。

レオンの本音を聞きださないことには、

話は先に進まないのだ。


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