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お城
とにかく、王になったのはアレク。
で、レオンは?
「王様なんかになったら、樹里を迎えに行けなくなっちゃうからね」
あっけらかんと言ってのけるレオンの笑顔に、ウソはないように見えた。
いやいや、私なんかのために、王座捨てちゃってどーすんの!
っていうか、こんなの鵜呑みにして、喜んじゃダメだから。
ちょっと嬉しいと思ってしまった、単純な自分を慌てて戒める。
「くっそー、オレが行くはずだったのに!」
悔しそうなアレクを嘲笑ってるレオン。
兄弟仲良しなのは変わってないんだなぁ。
微かな記憶が呼び起されて、懐かしい気持ちになった。
私が途中で放り出したこの世界が、ずっと続いて、
こんなに平和だという事実に感激していた。
「樹里、そろそろ行こうか?」
「ん?どこへ?」
「城だよ。ほら、あそこに見えるだろ?」
「レオン、あんなすごいトコ住んでるの?」
「うん。今日から樹里も一緒だよ」
パチンとウィンクすると同時に、レオンの腕が私の腰をぐっと引き寄せる。
「じゃあ、オレたち、先に帰ってるから!」
言い終わる前に、
遠くでアレクの叫び声が聞こえた。




