第三十三話(165) 亡国と建国
帝都に戻ると、寝泊まりしている町の教会の屋根に真っ白い伝鳩が止まっているのを確認した。それはビーナの使いで飛んできた凶兆を知らせる暗号でもあった。どうやら私たちの身に危険が迫っているようだ。
伝鳩を見たミルヴァの行動は早かった。本来ならば官邸で行われる高官だけが出席できる会議に参加する予定だったけど、着替えをするとデモンに断りを入れて、そのまま別れも告げずに会議をすっぽかしてしまったからだ。
教会の前でデモンと別れたミルヴァは、周囲を警戒しつつ、尾行に気をつけて、オーヒン町までの最短ルートでもある山岳ルートを目指して帰路に就いた。風を使えば渓谷や激流も気にならないので三日で帰ることができた。
ビーナが秘密基地にしているマエレオス領の森の中で彼女と落ち合った。そこは領民から『カラスの森』と呼ばれているらしく、滅多に人が寄り付かないと聞いていた。つまり私たちにとっては、この森ほど住み心地のいい場所はないということだ。
「ミルヴァ! マルン!」
月明かりもない闇夜にビーナの声が響き渡った。ミルヴァは駆け寄るビーナを抱きしめて再会を喜んだ。それから倒木に腰掛けて、すぐに会議を始めた。深い闇ほど心地がいいのは、宇宙そのものがそんな風にできているからだ。
「早速だけど、ちょっとこれを聞いてみて」
ビーナが止まり木で休んでいたインコを手招きするのだった。
「チャバの戦いでパルクスが勝利した後のコルヴス邸での会話なんだけど、記録を残してあるの。とりあえず聞いて」
ビーナに魔法を掛けられたインコが喋り出す。
「面目次第もございません」
「五千で充分と申したのは貴公ではござらぬか」
「ザザ家の抵抗が予想以上でございまして」
「飼い犬に手を噛まれるとは情けない話だ」
「ですから誰が本当の飼い主か教えてやれば良かったではありませぬか」
「いや、それにはまだ早い」
「閣下の仰る通り、あの女主人にはまだまだ使い道がありますからな」
「魔女か」
「あの魔女めが、此度も邪魔をしたのではないでしょうな?」
「そうであるならば貴公が無事では済まなかったのではないか?」
「うむ」
「いやいや、今夜あたり呪い殺されるかもしれぬぞ?」
「お止めくだされ」
「ハハハッ!」
「しかし殿下、取り逃がした獲物はいかがなさるおつもりですかな?」
「それについては、既にセトゥス公に任せておる」
「あの小心者に皇帝を殺めることができるとお思いでございますか?」
「『窮鼠猫を噛む』というではないか。あの鼠男には軽く脅してやればそれでよいのだ」
「成功した暁には、セトゥス公をオーヒン国の初代国王にしても良いかもしれませぬな」
「貴公は望まぬと申すか?」
「小官が即位しては新たに建国する意味がございませぬ」
「ならば予定通りマークス・ブルドンでよかろう」
「町長は女主人の言いなりでございますからな」
「それは主人が生きていればの話でござろう」
「うむ。すべて貴官に任せる」
そこでインコが喋り終えた。
「ね? 今の会話で分かったでしょう?」
確かに私たちの命が狙われているということが分かった。
「分からないの?」
じれったそうにするビーナが説明する。
「これはコルピアスとコルヴスによる二人の会話ではなくて、三人で交わされた会話なの。その証拠にコルヴスに対する呼び名が二つあるでしょう? 『殿下』と呼んでいるのがコルピアスで、『閣下』と呼んでいるのがデモンなの」
デモン?
「ウチら完全に騙されてたんだよ」
ビーナが怒った。
「待って、パルクスが殺される前の会話ということは、デモンはまだ帰島する前よ?」
ミルヴァの言う通りだ。
「だから違うの。全部嘘なんだよ」
「そんなはずない」
ミルヴァは認めようとしなかった。
「ミルヴァが帰島した直ぐ後に、デモンも帰島しているの」
「あの男も、わたしを騙したというの?」
「そう」
ビーナが追い打ちを掛ける。
「それだけじゃなく、パルクスを殺すように命じたのもデモンだったの」
「二人は誰もが認める友人同士だった」
「『男の友情ほど信用できないものはない』ということね」
そう言われても、ミルヴァはまだ信じられない様子だ。
「デモンはそれほどまでして皇帝になりたかったというの?」
ビーナが首を捻る。
「それは違う。さっきの会話を聞いたでしょ? オーヒン国を建国する野望、といってもウチらの構想を盗んだんだけど、それはともかく、自分が国王になろうとは思っていないみたいなのよね。しかも皇帝に即位したというのに、遷都のアイデアをそのまま実行しようとしているわけでしょう? ということは、カイドル帝国を自らの手で滅亡させようとしているようにも見えるのよね。本当に何を考えているのか分からない男なの」
稀代のホラ吹きであることは確かだ。
「あの男について調べ直してみたんだけど、デモン・アクアリオスほど血統に拘る人はいないということが分かったんだ。だって官職を身内で固めたのはデモンの一族ですものね。特に父親が血脈にうるさかったらしくて、こういうのって親の考えが強く影響するじゃない。それでデモンも血に拘るようになっちゃったんだと思う。ところが成人を迎える前に父親を亡くした辺りから人が変わったみたいなのよ。原住民の血が流れているパルクスと急に仲良くなったのもこの頃だって。だから肉親のように育った親友というわけでもないのよ」
男が口にする『友』とか『信用』などの言葉は、自分に都合よくしか使われないものだ。
「これらはすべてリング領に匿われているデモンの奥さんから直接聞いた話なんだけど、まだまだ隠し事というか、夫から口止めされていることがあるみたいなんだよね。もっと親しくなれば聞き出すこともできるんだろうけど、それだと今度は奥さんの命も狙われるんじゃないかと思って止めておいたんだ。だけど、デモンが嘘しかつかない男だということはよく分かった。だから急いで伝鳩を飛ばしたの」
ジェンババを見つけ出す仕事が終わったところだったので、そこで用済みとなって殺されていたとも考えられるわけだ。ということは、ギリギリのタイミングで無事に生還できたことになるので、これはビーナの好判断だ。
「それと、もうオーヒンの大聖堂には近寄らない方がいいみたい。というのも、パルクスが殺された夜もデモンに忠実な部下しかいなかったみたいよ? だから殺されるべくして殺されちゃったのよ。だからセトゥスのネズミオヤジが楽に逃げることができたのも当然なの。わざわざセトゥスを実行犯にしたのは、パルクスに忠実な部下を欺くためなんだってさ。衛兵が下手人だと兵士が兵士を疑う状況が生まれるから、それを避けたかったみたいね。すべては初めから仕組まれていたことなの。まぁ、今回はウチらの負けね。それも完敗だわ。不意打ちで殺されなかっただけマシだと思った方がいいみたい。これで終わりじゃないみたいだから」
私たちは裏で操っているつもりが、完全に踊らされていたということだ。
それからしばらくして王国軍と帝国軍による大規模な戦闘が始まったのだった。ただし、両国が剣を交えたわけではなかった。どういうわけか、それぞれ別々の場所に出兵し、それぞれ別の大義の元で戦果を挙げていくのだった。
その間にビーナはカラス部隊を方々に放って情報をかき集めて、ミルヴァは足を使って聞き込みを行うのだった。私はカラスやインコのお世話をしながら彼女たちの仕事を見守った。会議が開かれたのはミルヴァが王都から帰ってきた秋の夜だった。
カラスの森に丸テーブルを置いて、ゆっくりと腰を落ち着けて話し合うことにした。大きな木の枝にたくさんのカラスが止まっているけれど、みんないい子たちばかりなので、うるさくすることはなかった。
「結局、わたしたちの計画が狂い始めた原因はオルバ王の暗殺にあったのね」
それがミルヴァの出した結論だった。
「ゲミニ・コルヴスの暗躍も、デモン・アクアリオスの裏切りも、パルクスの死も、すべてはフェニックス家の御家騒動が発端なのよ。わたしたちからしたら人間の、しかも男系の血脈など何の価値もないのだけれど、わたしたちが女系の血を大事にしているように、やはり真似してしまうというか、名残りとして存在してしまうものなのね。わたしたちのように魔力が受け継がれるわけではないから、どうして男が血に拘る必要があるのか理解に苦しむけど、でも、その男のくだらない拘りを理解できなかったから、わたしたちは見事に騙されたんだ。血脈がそれほど大事だと分かっていれば、もう少し用心できたと思う」
近親者同士の結婚は病気になるというのに、人間はなぜか血を濃くしたがるのだ。
「ゲミニ・コルヴスにはオフィウ・フェニックスという双子の姉がいるんだけど、この姉に子どもの頃から何度も殺されそうになっていたのが、オルバ王暗殺の発端でもあるのね。本当ならゲミニが王位を継ぐはずが、姉に殺されるかもしれないということで王宮を出てしまったのよ。だからオルバが国王になれたのは、異母兄妹のオフィウと結婚できたからなの。公には従妹と結婚したことになってるけど」
従妹どころか、貴族の中には未だにオルバの妻は王宮で育てられた遠縁の娘としか知らされていない者もいる。とはいえ、王宮には王妃の血統が考慮された王位継承順位が最も高い者ほど秘密に守られて育てられるという防衛策が取られているので仕方のないことだ。
「ただ、オルバにはこれまた母親の違う弟がいるんだけど、そこで母方の血が問題になってくるのね。ゲミニやコルバの母方は男子直系であるのに対し、オルバの母方の祖父はクルナダ出身なのよ。つまりガルディアの直系とは異なるということなの。そこでゲミニとコルバの異母兄弟によってオルバは殺されてしまったというわけ。この時、オフィウも毒殺されそうになったみたいだけど、一命は取り止めたみたいね」
身内で起きた狭い話なのに、それが島の未来を左右するのだから不思議なものだ。
「この話が複雑なのは、ガルディア系とアステア系がそれぞれ派閥を形成しているだけではなく、アステア系カグマン人とアステア系クルナダ人で対立していたり、同じアステア系でも母方の血統を重んじる家系があったり、ガルディア系でもアステアの血を認めない純血主義があったりすることなのよね。ゲミニとコルバがまさにそれで、茶色い髪の直毛人しか認めない一派なのよ」
しかし現実はカグマン王国の沿岸にあるハクタ町やゴヤ町では明らかに赤い髪をしたアステア系が多くなっているように感じるのだ。新勢力であるクルナダからの移民に対して、純ガルディア系というのは保守的な立ち位置ということだろうか。
「どうして国王の血統が重要かというと、それが大貴族からなる七政院の人事にも反映されてしまうからなのね。母方にアステア系クルナダ人の血が入ったオルバが国王に即位すると、クルナダをルーツに持つ貴族が何人も新しく要職に就いたというものね。純血主義のゲミニとコルバには我慢ならなかったのでしょうよ」
純血を信じて結婚したが、生まれてきた子どもが混血だった時、母子を殺してしまうという話をガルディア帝国にいた時に聞いたことがあるけれど、小ガルディアと呼ばれているだけあって、カグマン島でも同じようなことが起こるようだ。
「さらに複雑なことにね、人間社会には血脈だけではなく、長男こそが第一血統とする考え方も併せて存在してしまうということなのよね。だからゲミニやコルバの異母兄弟ではなく、長男であるオルバこそが正統なる血統者と考える一派も存在するの。オフィウを自治領で匿っている法務官のムサカ家がその代表ね」
つまり自分たちこそが正統であると主張しあっているということだ。
「この王宮内の血を巡る後継者争いに巻き込まれてしまったというのが、今回のわたしたちなのよ。この島には原住民が多く住む北方地域の問題と、大陸から支配しにきた者が多く住む南方地域の問題、その性質の異なる二つの問題が同時に存在しているということを抜きにして考えてはいけなかったのね。移民系のアクアリオス家が初めて北方地域を治めたことで、両国の関係が対立ばかりとは限らなくなったんだわ。徐々に血が混ざっていったことで、対話による和解という選択ができるようになったのね」
二百年から三百年の間ずっと戦い続けてきた両国が二十年前に停戦協定を結んだけれど、それは剣聖モンクルスや軍師ジェンババの功績だけではなく、血が混ざり合う土壌が育まれた結果でもあるわけだ。
血が混ざり合うことで、相手国の人間を敵と判断できなくなり、戦えなくなった兵士もいたことだろう。人間同士が戦うには士気や大義が重要なので、意義を見出せない大戦はそれほど長く続けられないということだ。
「一方でカイドル帝国にも血の問題は残っているの。それがリング領で守られている女系の王女様よね。そのマナン王女だけど、どうやらパルクスの子どもを妊娠しているみたいなのよね。女の赤ちゃんならばその子が次の王女様になるでしょう。パルクスはガルディア系カグマン人の父親と古代ウルキアの北方移民である母親の間に生まれた子どもだから、女系信仰を持っていたのでしょう。だから女帝ウインから受け継がれた血を守るリング領の領民にも認められたのでしょうね」
女帝ウインが私たちと同じ魔法使いだとしたら、領民は女系の血を残すことで魔力を持つ女が生まれてくることを待ち望んでいるのだろう。つまり『復活』のためにリング領を守り続けているとも考えられるわけだ。
「そこで疑問に思うのがデモン・アクアリオスの思考と行動ね。ただ、彼と交わしてきた会話をすべて裏返しにしてみると、なんとなくだけど行動に一定の筋道を見つけられるような気がするのね。本当ならばパルクスよりも年上の自分が皇帝の地位に就き、マナン王女と結婚して、この島で最も伝統あるリング家の子を儲けたかった。しかし妻との生殖活動の記録がないように、ある時期において自分が血統を守ることができないことを知って、それまでの父親に植え付けられてきた価値観が壊れてしまったのよ」
尋問魔法で奥さん本人から訊き出したので間違いない。
「デモンがパルクスを殺したかったのは、自分にはないすべてを手に入れたことへの逆恨みに近いものがあったんじゃないかしら。実の父親を殺したのもデモンかもしれないのよね。子孫を残せないということで、身内ほど殺したくなる衝動にかられたのよ。それはこれからも変わらないでしょう」
ミルヴァの憶測も含まれているかもしれないけど他の人の分析よりは的確だ。
「これから気を付けなければならないのが、デモンの標的がパルクスの子どもに向けられてしまうかもしれないということなの。誰よりも血統に拘って育てられた男だからこそ、その反動が『根絶やしにしたい』という願望となって、由緒正しき血統者に向けられてしまうのね。でも、リング領の中は警戒が強くて何もできないでしょう? だから皇帝となったデモンはジェンババを利用して兵士をオーヒンに移住させるために遷都しようと考えたのよ。いずれはオーヒン国とリング領の間で戦争が起こるかもしれないわよ。すべてはパルクスの子どもを殺すためにね」
たった一人の子どもを殺すために、多くの兵士が巻き込まれてしまうということだ。それが人間社会においては、特に不可思議ではないというところが可哀想になってくる。これは反対に、一人のために戦えるという側面も同時に存在するからだ。
「わたしたちにとって不本意だったのは、そのデモンの思惑とゲミニとコルバの目的が上手く合致してしまったことでしょうね。ただし、これは一時的なものだと思うの。なぜならガルディア系純血主義の異母兄弟にとっては、アステア系のアクアリオス家は排除の対象なんですもの。それは同じくアステア系のコルピアス家やセトゥス家も同様なの。彼らは互いに利用し合っているだけで、強い結びつきなんてものはないのよ」
そこに付け入る隙があると考えているようだ。
「それがこの夏に行われた帝国軍と王国軍の出兵計画によく表れているの。デモン率いる帝国軍の出征先は大陸側沿岸のフェニックス家所有の荘園地だった。そこはアステア系クルナダ人の王族縁者が支配している土地で、ゲミニとコルバにとっては国内法では合法的に支配権を奪えない場所だったのね。そこで異母兄弟の二人はパルクスの反乱に見せ掛けて、デモンに領主を始末してもらうことで、タイミングよく王国軍を派遣して鎮圧させたんだから、自作自演もいいところよ」
それについてはビーナからも夏頃に話を聞いた。すでにパルクスは殺されていたけれど、王国軍には秘密にされていたようだ。会談を予定していたモンクルスは王宮に呼び戻され、彼の片腕であるエムル・テレスコが全軍の指揮を命じられたようだ。
「帝都から出征した兵士たちにとっては殺されたパルクスの弔い合戦だったのよね。コルピアスやセトゥスの顔なんて知る者はいないから、みんなデモンの言いなりになって戦争に身を投じたの。信じて戦って死んでしまった人を思うと悲しくなってしまうわね。ただし、土地を奪うだけの侵略行為もあったみたいだから同情する気はないけどさ」
兵士の移住先として手頃な土地も奪ってしまったようだ。それにはリング領を孤立させる目的もあったのではなかろうか。デモンはオーヒン周辺にある豪族の中で非協力的な勢力を排除しようとしたわけだ。
おかしな話だけれど、帝国領で帝国軍に侵略された村人たちを救い出したのがテレスコ率いる王国軍の兵士たちだったようだ。消滅したガンマ村の村民をモンクルスの自治領へ移住する手伝いをしてあげたそうだ。
「そして先日、やっとパルクスは死ぬことができたみたい。モンクルスとの会談に応じる形で停戦し、半年遅れて暗殺事件を再現させたのね。ただし、誰に殺されたかは分からないようにしたみたい。すでにパルクス派の衛兵たちは粛清されたみたいだし、パルクスの死の謎が明かされる日はやってこないでしょう。王国側の人間にとっては暴君として記憶させるだろうし、帝国側の人間にとってはカイドル帝国を滅亡に至らしめた最後の皇帝として記憶されるというわけね」
人間社会では事実を偽って書き残すことがあるし、何度も書き換えられることだろう。
「モンクルスほどの男ならば、背中を刺されたパルクスの替え玉が偽物であることは見抜いたでしょうよ。それでも帝国宰相のデモンと予定通り会談を行ったのは、何か意味があるんでしょうね。彼の忠実な部下たちが戦死と見せ掛けてリング領に残っているんですもの。モンクルス隊はモンクルス隊で歴史の裏で暗躍し続けるかもしれないわね」
私たちはその更に先を読んで行動しなければならないということだ。
「そして今秋、オルバ王崩御の報せと共に、カイドル帝国滅亡とオーヒン国の建国が認められたわけね。わたしたちのマークス・ブルドンが国王になったのはいいけれど、官職にゲミニやデモンやコルピアスやセトゥスがいるという気持ち悪さよ。わたしたちが一から構想を練って頑張ってきた希望の国オーヒンが、そんな吐き気のする男たちに乗っ取られてしまったの。こうなったら、やり返すしかないわよね? 泥棒にわたしたちの気持ちを味わわせるには、彼らが発展させたオーヒン国を盗み返してやるのよ。彼らが人生を完成させる頃合いを狙って、すべてを奪って絶望の淵に突き落としてやりましょう」




