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ロマン・ストーリー 剣に導かれし者たち  作者: 灰庭論
第四章 魔法少女の資格編
151/244

第十九話(151) 西側諸国への旅は続く

 ミルヴァとビーナによる話し合いの最中に、私が横から口を挟むものだから、二人とも驚いた顔を見せた。これまで二人から何かを命じられることはあっても、自分から進んで意見したことはなかったからだ。


「なによ?」


 ビーナが睨むから口ごもってしまう。


「マルン、なに?」


 ミルヴァの方は優しく気遣ってくれた。


「うん」

「言いたいことがあるなら言っていいのよ?」


 ここは自分の気持ちを伝えなければならない。


「ここへ来るまでの間、私たちはたくさんの戦災孤児を見てきたでしょう? 身分があっても兵士にさせられるだけで、女でも軍需工場で働かされるだけになる。身分がなければ犯罪の被害に遭うか、犯罪者になる未来しかないのよね。でも、それならまだいい方で、大抵は大人になる前に死んでしまう。この前の戦争は、眼前に全滅させられそうな大軍が迫っていたから自己防衛という大義が成り立つけど、これからは、もう、その大義は成り立たないでしょう? そんな、自分たちの命に関係のない戦争に参加していいものなの? 一度血で汚れてしまえば同じということでもないでしょう? ここから先ははっきりと目的が変わってくる。それは故郷を守るためではなく、地教を広めるための戦争だと思うの。つまり、やってることがガルディア人と変わらないってこと。だから私は、もう戦争はしたくない」


 殺そうとしている相手に対して『黙って殺されなさい』という教義はどの宗教にも存在しない。それでも『殺すくらいなら死んだ方がマシだ』と考えるのは個人の自由ではある。しかし、それを他者に強制させるのは、間接的な殺人でもあるわけだ。


 この前の戦争では間違った判断をしたかもしないが、あそこで撃退していなければ、人間社会に放り出された途端、ミルヴァとビーナは殺されていたかもしれないので、だから彼女たちの行為に正当性を認めることができた。


 しかも、判断を間違ったといっても、戦争慣れした帝都軍が十万もいたので、プント国王の策謀など効果がなく、そのままウルキア帝国領全土を支配していたかもしれないので、やはり撃退して正解だったのだ。


 そういう意味でも、戦争に『もしも』の仮定を持ち込んではいけないわけだ。ビーナがすぐに切り替えたのは、やはり自分がした行為によって多くの民を救えたと結論付けることができたからだろう。それで、次は完璧に勝利したいというわけだ。


「そうね。両国の戦争に参加するのは止しましょう」


 それが長考していたミルヴァの出した結論だった。


「ちょっと、ミルヴァ、正気なの?」


 ビーナが異議を唱えた。


「正気も正気よ。他人の戦争に巻き込まれるのはたくさんだわ」


 嬉しかった。


「わたしたちには、わたしたちのやり方がある。しかも、それはわたしたちにしか出来ないことなの。だったら人間たちとは違う方法で皇宮を破壊してしまいましょう。それに、ほら、わたしが考えた作戦の方が、よっぽど効率がいいでしょう? 上手くいけば帝都が戦争の準備を始める前に武装化を解除できるかもしれないし」


 そこでミルヴァが私に向かって微笑んだ。


「あなたを連れてきて良かった。マルンのおかげで冷静になることができたんですもの。こういう時のために連れて来ようと思ったんだけど、どうやら正しかったようね。これからも思っていることがあったら何でも言ってちょうだい」


 生まれて初めて充足感のようなものを味わうことができた。

 それからビーナにも微笑みを向けた。


「ビーナ、あなたを否定したわけではないから悪く思わないでちょうだいね。できれば皇帝一族の死を一人でも多くの人にプレゼントしたかっただけなの。ほら、兵士を死なせなければ、喜ぶ人も増えるでしょう?」


 ビーナに不満はないようだ。


「分かってる。ただ、大きなチャンスであることも忘れないでよね」


 そこで改めてミルヴァが説明する。


「確かにそうなんだけど、どうも油断していたみたいで、せっかく王城に入って王様とも知り合えたんだけど、明日には引き揚げようかと思ってるの。黒衣だけでウルキアから来たことを当てられるとは思わなかったんですもの。こんなことでは無事に皇宮に潜入することなんて出来っこないわよね。本当に甘く見ていたというか、完全に人間を舐めていたみたい。特に女、しかもウルキア人の女には気をつけないと。観察力が他の民族と違うのよ。本来は仲間なんだけど、ハーテス王女のようなウルキア人に足をすくわれかねないものね。プント領で出会ったすべての人に魔法を掛けることはできないし、ここは身を引いた方がいいと思うの。王族に近づくせっかくのチャンスだけど、ここに留まるのは危険だわ」


 ということで、翌日には国王に別れを告げて、すぐに王城を後にした。



 その足で北西にあるセイバーン領に向かって、城下町へと入り、教会に行って、上等な黒衣を着古して色落ちした黒衣とに、わざわざ換えてもらうのだった。何も手放す必要はないと思ったけれど、持っているだけでも興味を持たれるということで手放したわけだ。


 セイバーン国は『海の都』と呼ばれているように、大陸西端の海に面した地域に領土を抱えている国だ。さらに北に行くと海の向こうに大きな島があり、『氷の都』と呼ばれる国が存在するのだけれど、そこはガルディア帝国の支配下ではないので別の話となる。


 ミルヴァの調べによると、セイバーン国の国王は元々プント国の岬守や島守として西側の海岸を守るために防人としての役割を任されていたようだ。しかし現在に至っては、両国に主従の関係はないようだ。


 同じウルキア人を先祖に持つということもあり、西側諸国の中ではプント国とセイバーン国が比較的対等な同盟関係にあるようだ。帝政下でも平等な関係を貫いているのは、セイバーン国の外交官による努力の賜物なのかもしれない。


 それでも城下町に入ると灰色の髪と灰色の目をした北方民族の姿がやたらと目についた。おそらく『氷の都』の人たちなのだろう。何度か戦争もあったが、それも大昔の話で、今は大事な交易相手国となっているみたいだ。


 ちなみにだけど、人間というのは外見だけでルーツが分かるようになっているので簡単に見分けることが可能だ。ウルキア人は私たちとまったく同じで黒系の髪と黒い目が特徴的で、ウルキアの南方地域に住むアステア人は赤い髪と明るい茶色い目が特徴だ。


 その中間色である茶色の髪と濃い茶色い目をしているのがガルディア人というわけだ。その西方に住むプント人が黒髪のままなのは、ガルディア人と違って南方民族と血が混ざらなかったからだと考えられる。


 しかしセイバーン人は北方民族と血が混ざっているようだ。北方民族の特徴である灰色の髪に黒い目をした人や、黒い髪に灰色の目をした人が城下町や港町に多く存在しているからだ。また、カグマン島に渡った北方民族もいると聞いた。


 南方地域で暮らす人たちについて付け加えると、南方民族でも多くのタイプに分かれているという話だ。アステア人に追い出されたウルキア人もいて、その迫害された人たちが大陸の最南端や、南西の島々で酷暑と戦いながら暮らしているという話だ。


 見た目はウルキア人と変わらず黒い髪と黒い目をしているが、髪に癖がついているのでひと目で出自が分かるようになっている。心が痛む話だけれど、帝都やヘパス国では癖っ毛のウルキア人が最も酷い扱いを受けているという実態があった。


 肌の色に違いがなくても、髪や目の色だけで身分が決まり、謂れのない差別を受けるのが人間社会だ。それも私たち魔法界の影響だが、人間の場合は私たちの悪い部分しか反映されていないような気がして残念でならなかった。



 交易船の運航で忙しい港の様子を、見晴らしのいい丘の上から見下ろしながら会議をすることにした。まずはカラス部隊を率いているビーナからの報告だ。これまでと同じように、王城で交わされた会話をまとめて結果を伝える。


「北西地域を支配するセイバーン国にとっては、中央の政治よりも、氷の国との外交や北方部族との紛争の方が大きな問題みたいね。帝国内の北方地域を治めるカスエフ家の勢力を拡大させないためには、氷の国との同盟の方が大事みたいで、プント国も含めて武器の輸出などで支援しているみたいなの。氷の国に王国ができたことで、といってもこれは北方民族が誰の手も借りずに成し遂げたことだけど、そこに一つの軍事国家が誕生したことによって、カスエフ家の西征を食い止めることができたみたい」


 大陸の至る所で戦争や紛争が起こっているので頭がこんがらがる。


「ただね、セイバーン王室に入ったとしても、帝都の皇宮に近づくのは難しいと思うよ。それならまだカスエフ家の方が可能性はあると思う。というより、カスエフ家の動きは注意しておいた方がいいと思うんだ。ほら、氷の国がカスエフ家の西征を食い止めたって言ったでしょう? するとね、今度はウルキア帝国の北部を狙った東征に切り替えるんじゃないかって、王城の中で話し合っていた人がいたの。前哨戦でアリアン・ヒュースに敗れたのも北軍のカスエフ家だったみたいで、本来ならそれを足掛かりにウルキア帝国の北部を支配したかったみたい」


 報告を受けてミルヴァが所感を述べる。


「北軍のカスエフ家に単独でウルキア帝国に攻め入る力があったら、大規模遠征に参加することはないでしょう。しかも遠征ルートを考えると、北域でも東部の方は馬車道一本分の道すら開通していないのでしょうね。つまり北東部に関してはまったく掌握しきれていないんだと思う。北部の豪族がウルキアへの侵攻に力を貸さなかったということは、支配していないどころか、道すら通してくれなかったということなんですもの。その関係はこれからも変わらないでしょう。寒冷地帯に加えて、敵兵の数が分からない複数の豪族を相手に戦って勝利を収めるというのは不可能に近いですものね。ましてや今回の戦争で大きな損害を被ったカスエフ家に単独で勢力を拡大する力は残っていないと思うの」


 そこでミルヴァが決意を新たにする。


「このところ、ぼんやりと考えていたんだけど、一から国造りを始めようと思うの。だってそうでしょう? 仮にセイバーン王室に入り込むことができたとしても、向き合わされるのは海賊対策とか、漁業権とか、中央の政治よりも切実な問題ばかりなんですもの。それではいつまで経っても帝都にある皇宮を破壊することはできないじゃない。カスエフ家の王室に入っても同じでしょうね。各地で起きている部族間抗争に頭を悩ませて、失敗が続けば責任を取らされて、他の豪族に名家の座を奪われてしまうの。そんな未来しか思い描くことできないところに嫁入りなどできるものですか」


 ガルディア帝国は完全なる男社会なので、嫁ぎ先の男の失敗がそのまま命の終わりとなってしまう。そこを上手くコントロールできればよいが、人間社会で男に命運を託すのは、私たちとしてはリスクが高すぎる選択になるというわけだ。


「だからこそ、一から王国を作ろうと思うの。多少は時間が掛かるでしょうけど、結局はそっちの方が早いような気がするのよね。何もない土地に人を住み着かせて、わたしたちが生活を支えてあげつつ、大きな教会を建てるのよ。そこを出発点として、大陸の西端から太教や宙教を滅ぼしていけば、やがては原点を思い出して平和が訪れることとなるでしょう。これは人間社会を一から立て直す壮大な計画でもあるの。そう、わたしたちで人間社会の世直しをするっていうわけね」


 家出娘が故郷に錦を飾ろうと決意したようだ。


「おもしろそう!」


 友達の家出娘も話に乗った。


「退屈を紛らわす時間潰しには丁度いいかも」


 ただし、ビーナの場合は動機が軽かった。

 すかさずミルヴァが苦言を呈する。


「これはガルディア人に苦しめられている人たちを救う戦いでもあるのよ?」

「分かってるって」


 そう言いつつ、ビーナがカラスにエサをまく。


「他民族や異教徒を絶滅させようとしている人間どもを、反対に絶滅の目に遭わせてやるというのは、これ以上ない皮肉だもんね。お芝居としても最高のシナリオでしょう? 後はウチらが最高のキャストとして、その一大悲劇を演じてやればいいだけ。まずは土台となる舞台セットから始めるという感じかしらね」


 ビーナは最近お芝居にハマっている。カラス部隊に仕事をさせている間、城下町に行っては観劇を繰り返すのだった。同じお芝居を何度も観るものだから、セリフなども全部暗記してしまったそうだ。


 人間社会におけるお芝居の文化というのも地域で発展の仕方が異なり、踊りや歌をメインとした演舞が最も人気で、楽器などは民族の数だけ種類が増えていくという広がりを見せている。音がするものなら何でも楽器にしてしまうのが音楽の親しみ易さなのだろう。


 歌や踊りに比べると、演劇は都の中でしか観ることはできないけれど、それでも同じくらい人々を熱狂させていた。歴史上に実在した偉人を演じるわけだが、偉人が残した言葉や名言というのは、この芝居によって作られることが多い。


 神の教えを演劇で伝えるという役割もある。戒めや教訓など、神牧者が語って聞かせるよりも分かりやすいということで、子どもに積極的に観劇させるわけだ。子どもを退屈させない工夫こそが、最も尊い仕事という認識が存在しているのだ。


 演じられる偉人に関しては、アステア人はアウス・レオス大王を演じることが多く、ガルディア人はレオ・ジス一世を演じることが多い傾向にある。その二人を演じることで、より伝説的な人物として記憶させる効果もあるわけだ。


 人間社会では焚書によって文字が消されることがあるので、歌や踊りや芝居をすることで、迫害された民族は自分たちのルーツや偉大なる祖先の記憶を残そうとするわけだ。だから、それらは単に娯楽というわけではなく、最も大事なものだったりする。


 文字や芝居や歌を軽視したり、差別したりするのは、それは為政者にとって目障りでしかないからだ。その狙いも知らずに差別に同調する庶民が存在するというのも、また人間の愚かな特徴の一つなのかもしれない。


 しかし世の中が豊かになり、為政者の側に立つ人間が増えれば、公務として娯楽を弾圧する動きが活発化することだろう。そして、自分たちに都合がいいものばかりを流通させるわけだ。それを知らずに庶民が賛成するという自縄自縛も織り込み済みである。


 世の中を変えることができるのは、いつの時代だって戦う表現者だけだった。それを今度は私たち三人だけでやろうとしているわけだ。どういう結末を迎えるのか分からないけれど、『世直しを心に決める』というプロローグは悪くない出だしのように思った。



「わたしたちの王国の建国場所だけど」


 ミルヴァが舞台セットの背景を決める。


「ここから海岸線に沿って南下したあたり、つまりガルディア帝国の南西地域がぴったりじゃないかしら? ほら、今はマアス国がその地域を治めているというけど、局地戦は続いていて、いつ支配者が変わってもおかしくないっていうでしょう?」


 ミルヴァの言う通りだった。ガルディア帝国の西側諸国の中でも特に戦乱が続いているのは半島を含む南西一帯だった。西側諸国は争いが絶えないというのも、不安定な半島情勢を指して使われるのがほとんどだ。


 マアス国が治める都は『戦いの都』とも呼ばれており、古代ウルキア人が支配していた時は平和だったというが、そこへアステア人が住み着いてから争いが絶えぬようになり、ガルディア人の囚人が流されてきてからは滅茶苦茶だという。


 ウルキア人の罪人の末裔がガルディア人で、そのガルディア人の罪人が南西地域の半島や島々に流されてきたのだから、混乱するに決まっているのだ。処刑されない思想犯や政治犯なので、高い身分を持つ者も罪人の中に含まれているから厄介でもある。


 治安が悪いので城下町の中を歩くことはできなかったが、高地から都の様子を眺めただけでも他の都市と違うことが一目瞭然だ。灰色の北方民族や癖っ毛の南方民族まで兵士として雇われており、町中には灰色の癖髪や、赤毛の癖髪を持つ人などが存在した。


 戦争では暴行だけではなく、捕虜も得るため、中には脱走して帰還しない者も出てくるのだ。海賊の根城も多く、そこでは女や遺児も略奪の対象となるので、戦争地域では様々な民族の血が混ざり合うわけだ。


 直近の歴史では、支配していたガルディア系マアス人が、カグマン島の同じくガルディア系の王家と戦って惨敗し、現在はアステア系の民族に支配権が移ったみたいだ。その際にクルダナ国として独立したようだ。


 アステア系マアス人が半島の先にクルナダ国を建国し、カグマン国に敗れたガルディア系マアス人がその独立を条約で許可した形のようだ。それも狡猾なアステア人の策謀のような気もするが、真実は分からなかった。



 国境付近の海岸線の浜辺に立って、半島の先を眺めながら会議を行った。今回もカラス隊を率いているビーナが先に報告する。新しく建国する王国の予定地としての視察だけれど、口を開く前から不満がありそうなのが分かった。


「ガルディア人とアステア人というのは、本当に最低最悪のコンビみたいね。その二つの派生民族が合わさったことで、今日こんにちの世界における混乱をもたらしたんじゃないかな? それくらい酷いんだよ。クルナダ国の独立も、先住民である古代ウルキア人や南方部族から土地を奪って、先住権を資料に記すためでしかないんだもん。ほら、プント国がセイバーン国を防人としての役割を担わせるために独立を支援したでしょう? それと同じことを真似したわけね。頭の悪いガルディア人は、頭のいいウルキア人の真似しかできないのに、そのウルキア人を滅ぼそうとするんだから、本当にアホみたいな人種なのよね」


 ウルキア帝国に良心が残り、邪心が独り歩きしてしまったかのようだ。


「マアス国とクルナダ国に挟まれる形でジマ国というのがあって、辛うじて絶滅を免れたんだけど、そこが古代ウルキア人による王政を残しているみたいね。でも半島の付け根にひっそりあるだけで、今は完全に影響力を失ってしまったみたい。その、何が悲しいって、それもガルディア人とアステア人の策謀だから腹立つんだよ」


 ビーナが半島の先にいるであろうクルナダ人を睨みつける。


「カグマン島にはガルディア系のフェニックス家というのがあって、半島で同胞が迫害されているというホラ話を信じて、それで挙兵して、海を渡って古代ウルキア人を殺したのね。そのホラ話を吹き込んだのが半島のガルディア系マアス人と、アステア系マアス人、つまり現在のクルナダ人なんだよ。その凶悪なコンビは半島を支配するためにカグマン国を利用して、自分たちは見物しただけで半島の利権を手に入れたというわけ。利用した奴は許せないんだけど、利用されたカグマン国の連中も相当アホじゃない? 頭が悪すぎる人間を見ると殺意を覚えるんだけど」


 その言葉を受けて、ミルヴァが西の海に目を凝らす。


「海を渡りましょう。カグマン島をわたしたちの出発点にするの。カグマン王国とカイドル帝国の二つの国が存在しているようだけど、どちらの国を選択するかは調べてみないと分からないけど、小さな島を統一するのはそれほど難しくないでしょう」

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