記憶の欠片
これから十季→瑞子→十季→瑞子の順でやっていきますっ!( `・∀・´)ノ
「うそじゃねえし!スライムが超強かったんだよ!マジだマジ!」
「そうだよ!信じてくれ親父!」
こっちの世界に来て、数週間が経過した。私の家にある二人の男が来た。
もう、スライムと聞いても驚かなくなった。
もうここが普通の世界じゃないことは理解していた。
私はある大きい街の一家に転生した。周りの噂からみて、どうやら腕利きの魔導士のようだ。
この世界では成長速度が速く、数週間でもう喋れるようにも立てるようにも剣や杖を振れるようにも本を読むこともできるようになった。
私はそれよりこの家に来た男の話題に注目した。
「ええ?そんなことあるわけないじゃないか。スライムは低級中の低級だぞ。お前たちはSランクとAランクの狩猟者なんだから負けるはずがn」
「だぁかぁら!」
「嘘じゃねえって!」
父が疑っていても、ずっと叫んでいる男たち。
「お父さん」
そこで私はある方法に出た。
「うおっ!なんだ、ミサキじゃないか。どうしたんだ?」
なぜかびっくりして振り返る父。その父にある提案をした。
「この人たちの記憶を視ようよ」
「!!」
父はかなり動揺していた。
それもそのはず、私はこっそり父の部屋に入って、魔導書を見つけ出し、色々な術を覚えた。この術はその中の一部だ。
「おお、君が娘のミサキちゃんかい?記憶を見る術は難しいよ」
一人の男が言う。
だが問題なし!
カリカリと腰にかけていた杖で男の周りに陣を描いた。そして、
「魔導・記憶視」
と唱えた。すると、男から水色の粉が出てきて空中にいちまいの大きい板を作った。
よっし、大成功!
これをもし十季さんが見たらどんな反応をするかな。
そんなことを想像すると笑みが漏れた。
十季さんのもとへ、と願ってここに来たけど会う兆しはない。
しかし、今はそのことを考えず、記憶の方に専念しよう。
板にはある風景が映し出されている。
「あ、これレンの記憶じゃない?俺隣にいるし」
「あ、ほんとだ」
男がそんな会話をしていた。一方はレンというのか。
すると、紫色の粉がある方向から大量に出てきた。この世界ではそれを「魔波」という。
その出している本人の強さを表すもので、強ければ濃く、弱ければ薄くなると魔導書に書いてあった。ちなみに魔導書はカバンの中に入れて携帯している。
『なんだこれ、すごい濃い魔波だ!相当強いんじゃねえか?狩りがいがありそうだな』
記憶の中のレンが言っている。
『ほんとだ。よし、行ってみよう!』
と言うと、視界が一気に移動した。草原の中にいる。
すると、ぱっと草が切れたところがあった。
男たちがそこに行くと、ちんまりした銀色の体に水色の目と水色の点が複数あるスライムがいた。
「あれはメカリウズムスライム!」
父が叫ぶ。
魔導書をぺらぺらめくってモンスターが載っているところまで一気に飛んだ。
魔導書によると、メカリウズムスライムは結構強くてレアらしい。極小確率で魔王になることもあるとか。
スライムがこっちを見ると、腕が刀になっていた。個体スキル『変形』の効果だと思われる。
すると、記憶の映像でもわかるぐらい空気が変わった。
空は薄暗くなり、なにか相当な強者の出現する前兆と思われる。
そっちに気が言った瞬間、スライムが飛び込んできた。
スライムが最大ズームで映し出された時、心臓の鼓動が大きくなった。私も少し変な違和感を覚えた。
しかしハッとする。
もしかして、このスライムが十季さん・・・?
最大ズームの顔の後ろで踏ん張っている顔の十季さんが見えた気がした。
急いで魔導書を確認する。
『この世界で人間がモンスターに転生、その逆はかなりの確率で起こる』
と載っていた。
そして、予想は確信に至る。
間違いない。このスライムが十季さんだ。
一方そのころ記憶の映像ではスライムに大苦戦しているときに鎌が飛んできたところまでいっていたが、それを見ていない瑞子ことミサキはそのことを知らない。
ネタバレ・もうすぐ二人が会います。(ФωФ)フフフ・・・