初めての戦闘・・・?
ったく。こんな時に新スキルか?
(なんだ、その<<変形>>って)
まあこういうときは聞くか。
『了。個体スキル+超特殊スキル<<変形>>
体のあらゆる部分をあらゆるものに変えれます。解放された後は自身も変形できます』
へえ。自身も変形するっていうのはよくわからないけど、体の部分をあらゆるものに変える・・・ねえ。例えば、ナイフとか、銃とかにもできんのか?
『答。できます』
ほへえ。まあ戦闘に使えるのか。
あ、だからこのタイミングで解放されたのね。納得!
「おい、こっちだ!めっちゃ強力な魔波を感じるぞ!きっとそんじゃそこらのモンスターなんて比じゃないぜ!」
「え、そうなの?討伐したい!」
すると、遠くから声が聞こえた。俺はいそいでスライムの軟体性を活かしてむにょんとしゃがんだ。草むらに隠れながら、AIに聞いた。
(おい、あれが狩猟者か?)
『答。あれが狩猟者です。
Sランクの狩猟者
Aランクの狩猟者
がいます』
ランクってなんだ?強さ的な感じか?
まあいいや。
さっそく・・・
(変形!!腕を刀に!!)
『了。<<刀:腕>>』
カチャカチャカチャカチャ。体から機械音が響く。腕がみるみる変化してゆく。
やがて、シャッキーンと二本の短刀が現れた。
いや、双剣というべきかな?
かなり鋭い刃がついていて、スライムの俺にも扱いやすそうなサイズだった。すこしだけ素振りをする。
「!あっちで剣振ってる奴がいるぞ!しかもめっちゃ魔波が強い奴!きっとさっきの奴だ!」
「奴奴うるさいけど・・・確かにいるね!」
すると、素振りに気が付いた二人がこっちに来た。結構小さく振ったのに、どうやって気づいたんだ?
しかし、スライムだとは気づいてないみたいだ。だったら、チャンス!!
俺は隙を見て茂みから飛び出し、不意打ちをした!
ん・・・?届かん!!
リーチ短いの忘れてたああああああああああ!!てか、どんだけ短時間で忘れんだよ、って自分に突っ込みたい。
「おっ!いたぞ・・・って、え、スライム?」
「え?あの、低級の?」
二人とも、とっさに剣を構えていたが、唖然と口を開けている。その図は笑えた。
「ま、まあこいつだと思う。よし、討伐だああああああ!!」
一人の狩猟者がでっかい剣を振って、振り下ろそうとしている。俺も負けじと双剣を構える。
・・・両者は草原を挟んで睨み合った。が、お互い動こうとしない。
俺は、単純に怖い。
だって、あんなでっかい剣の攻撃を食らったら、スライムの体は文字通り木端微塵に弾けるだろう。
しかし、相手が動かないのは分からない。さっきから慌ただしく森の方を見ている。なにしてんだよ、と言おうと思ったら。
ヒュウウウウ―――――――――――――――
冷たい風が吹き、空気が変わった。
あ、性能とか付け足したほうがいいですかね。