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七瀬くんお元気ですか?  作者: 柴犬男
8/20

妄想暴走少女 二宮 円香 2

新キャラが登場します。

「ま、真央君、ちょっと、来て? 」

「う、うん」


昼休みになると、早速円香の方から話しかけてきた。


円香、少し顔色が悪いな。

朝も様子がおかしかったし。


やっぱり何かの悩み事なのかな??


まぁ、心配ではあるんだけど、まずは


「一ノ瀬さんは着いてこないでくださいね? 」

「? なぜでしょう?? 」

「一ノ瀬さんには関係の無い話だと思うんで」

「まおくんの話なのにですか?? 」

「あー、えー、はい」


今ちょっと日本語がおかしかった気がするけど、まぁいいや。


「ま、真央君、早く」

「ん、わかったわかった」


円香に急かされ、僕達は本来なら立入禁止の筈の屋上へと向かった。



☆☆☆



屋上ってなんだかドキドキするよね。


普段は入れないからかな?


普段はやっちゃいけない事をしてる自分に酔ってるのかな?


それとも────


「はぁ、はぁ・・・・真央、君・・・・♡ 」


幼馴染の女の子に押し倒されているからかな?


うん、なんだこれ?


屋上へ着き、扉を開けると、突然円香に押し倒された。


何この展開? 君も一ノ瀬さんみたいにおかしくなっちゃったの??


「あの〜、円香さん? この状況は一体・・・・?? 」

「ま、真央君っ! 」

「はいっ! 」

「お、お願いが、あります」

「な、何でしょう? 」

「い、一ノ瀬さんと、別れて、ください」

「・・・・はい? 」


なんで急にそんな事を?

別れるも何も、最初から付き合ってないのですけど??


「真央君、い、一ノ瀬さんに、脅されているんでしょう? 」

「まぁ、襲われそうにはなってますけど」

「な、何か弱味とか、握られているんでしょう? 」

「まぁ、ナニと股間を握られた事はあるけど」

「ほ、本当は、一ノ瀬さんの事なんて、好きじゃないんでしょう? 」

「いや、うーん・・・・」

「だ、大丈夫だからっ!! 」


円香が突然大声を出すので、驚くが押し倒されているので身体は動かない。


「わ、私が、助けて、あげるから」

「なに!? ほんとかっ!? じゃあ────」

「だから、赤ちゃん作ろ? 」

「────今、なんて? 」


気の所為かな? こいつ、今「赤ちゃん作ろう」とか言わなかった??


「赤ちゃん、作ろ? 」


はい、聞き間違いじゃなかったね。


「真央、くん・・・・」


円香は、ゆっくりとブラウスのボタンを外していく。

そして、決して豊かではないが形のいい胸が露わになる。


そのままの勢いで、円香は、僕のベルトへと手をかける。


「ちょっ、まどかさんっ!? 」

「はぁ・・・・はぁ・・・・私が、助けるから・・・・♡ 」


まずい。


こいつ、本気だ。


本気で『子を成す』おつもりだっ!!


「いや、まどかさんっ!? おかしいって!! 何考えてんのさッ!? 」

「真央君はじっとしてて! 天井のシミでも数えているといいよ!! 」


いや、屋上だからシミどころか天井なんか無ぇよ!?


僕も混乱してるのか、的外れなツッコミを入れてしまう。


何度振り払おうとしても、円香はびくともしない。


ちくしょうっ! 一ノ瀬さんだけでなく円香までおかしくなっちまった!!


「んっ、真央君、大好き・・・・♡ 」


いつの間にかズボンが下ろされ、今度はパンツへと手をかける。


「いやーーーーっ! 発情した幼馴染に犯されるーーーーっ!? 」

「こ、こんな所で何をやってるデスッ!? 」


突然、屋上のドアが開いた。

そちらを向くと、金髪ツインテールのロリっ娘が立っていた。

ロリっ娘はこちらへ歩いてくると、僕達に向かってビシッと指をさした。


「お、屋上は立入禁止のはずデス! 一体何をしようとしていたデス!? 」

「邪魔しないで金髪。私は真央君と子供を作るの」

「ふぇ? こ、子供?? 」

「そう。真央君の〇〇〇を私の■■■に✕✕✕するの」

「んみゃっ!? にゃ、にゃにを言ってるデスッ!? 」


そうだよ、こんな純粋そうな娘に突然性知識を与えるなんてどんな神経してるんだよ。

僕はお前が怖いよ、円香。


「と、とにかく! 屋上は立入禁止デスッ! この事は風紀委員長に報告するデスッ!! 」


よく見ると、ロリっ娘の制服には風紀委員が付けるバッチの様なものが付けられていた。

こんなに小さいのに風紀委員として頑張っているのか。偉いなぁ。

しかし、風紀委員長に報告か。それは嫌だな。


・・・・仕方ない。一か八かだけど言ってみるか。


「わかった。風紀委員長に報告しても構わないけど、その代わり一緒に怒られてくれ」

「ふぇ? な、なぜ私も怒られなければならないのデス?? 」

「だって、君も今屋上に出てるじゃないか」

「・・・・・・あぁっ!? 本当デスッ!? 」


うわ、チョロイな。


「ね? 僕達が怒られるなら君も怒られるべきだと思うんだ」

「どどど、どうしましょう!? 私、怒られたくないデスッ!! 」

「そっか〜、どうしようね? 」

「う、うぅ〜、何か、何か良い案は無いデス・・・・?? 」


ロリっ娘は、もう完全に涙目になってしまった。可哀想に、誰がこんな事を・・・・


「こ、こうゆうのはどうかな?? 」


今まで黙っていた円香が口を開く。


「風紀委員長には報告せず、黙っておく」

「な!? そんな事、許されないデス!! 」

「でも、報告すれば怒られちゃうよ? 」

「うぅ、それは、嫌デス・・・・」

「大丈夫だよ、報告を忘れたってことにすれば! 」

「う、う〜ん・・・・」

「人間、誰だって一度くらい失敗するよ! ね! 真央君!! 」

「そうそう! 風紀委員長だって、たまに失敗すると思うよ!! 」

「そ、そうですね! それでいくデスッ!! 」


堕ちたな・・・・。

僕と円香は、そう言ってニヤリと微笑んだ。


「じゃ、じゃあ、今回の事は無かったと言う事で! 」

「うん、ありがとう。君、名前は? 」

「? 私のデス?? 」

「そうそう、君の名前」


後々役立つかもしれないし、念の為名前を聞いておこう。


「杏デス。『五十嵐(いがらし) (あんず)』。16歳の高校二年生。風紀委員デス。」

「そっか、ありがとう。またね! 」

「は、はい! お二人も、また会いましょうデス!! 」


随分と扱い易い娘だったな。しかも、同学年だったなんて・・・・。

まぁいいや。僕達も教室へ────


「私、諦めてないから。」


立ち上がった瞬間、円香がそんな事を呟いていた。

こ、怖ぇ・・・・



☆☆☆


「ドッと疲れた・・・・」


昼休みは休む時間のはずなのに、なんでこんなに疲れてるんだろう、僕。


「大変でしたね、まおくん」


項垂れていると、右隣から一ノ瀬さんが話しかけてきた。


「・・・・今日はどこから見てたの? 」

「失礼ながら、予め屋上にカメラを設置させていただきました。迷惑、でしたか? 」

「うん」

「うぅ、正直ですね。でも私は諦めません。いつかまおくんの為になると信じて! 」


うわぁ、堂々とストーキングやめない宣言したよ。

もうやめてあげなよ、元ファンクラブが悲しそうな目でこっち見てるよ?


「まぁ、でも、今回は役に立ったよ。風紀委員の娘を呼んだの、一ノ瀬さんでしょ? 」

「っ! お気付きになられていたのですか!? 」

「うん、まぁ。タイミングとしては妙に出来過ぎてたし、それに、一番チョロそうな娘選んだでしょ? 」

「ふふっ、こんなにも私の意図をわかってくれているだなんてっ! ・・・・いと? はっ! 『赤い糸』ッ!? やはりまおくんと私は運命の赤い糸で結ばれているのですねっ! そうなんですねッ!? 」

「ん? ごめん、聞いてなかった」

「あん♡ 冷たい。でもそんな所もス・テ・キ♡♡♡ 」


騒がしいな〜、この人。もうみんな慣れたけどさ。

まぁ、1人だけ全く慣れてない人もいるけどね。

一ノ瀬さんの目の前に座っている円香ちゃんは凄い目で睨んできてるけどね? 大丈夫、円香ちゃん? その顔、『女の子が』って言うか、もう『人間が』していい顔じゃないと思うよ??


まぁ、そんな顔するのも、僕の所為、なんだよね・・・・。


確かに、円香は僕に惚れている。そんな気はしていた。

でも確信がなかった。

しかし、一ノ瀬さんが現れた事で円香の気持ちが暴走した。そんな所だろう。


今夜は円香の事もあるし、一応警戒しておくか。

幸い、今日は金曜日。明日は休み・・・・。



☆☆☆



「さぁ、まおくん! 部活の時間ですよ!! 一緒に行きましょう!! 」

「はいはい、ちょっと待ってくださいよ〜? 」


あぁ、やっとこの時間だ。

もう、ここ最近僕の安らぎの時間が『佑の隣』か『言葉との部活時間』しか無いよ。


「まおくん、今日は何をするんですか? 睡眠ですか?? ご一緒させていただいてもよろしいですか?? 」

「ダメでーす」

「じゃあ、せめてまおくんをいただいてもよろしいですか?? 」

「なんでいただけると思っちゃったんだろう? 」


この人、本当は発情してるだけなんじゃないか?

なんか発言も軽いし。好きって言うのも、どうだか・・・・


全く、なんで僕なんだろう・・・・


「(まおくんだからですよ)」

「ん? なんか言った?? 」

「いいえ、なんでもありません! 」

「ふ〜ん、そっか」


一ノ瀬さんが何かを呟いた気がしたが、僕は深く追求はしない事にした。

もしも何か地雷を踏んでも対処出来ないからね。


「遅れました〜」

「あ、せんぱい」


部室に入ると、言葉がとてとてとこちらへ駆け寄ってきた。

最近、言葉は僕を見つけると近寄ってお菓子をねだりに来る。

全く、こんな可愛い動作を覚えて、偉いぞっ!!


頭を撫でてやると、言葉はほんわかとした笑顔を僕に向けてきた。

あぁ、この小動物感、癒されるわ〜


「あ! ずるいですっ! 私も撫でてください!! ほら、私のお腹、撫でてもいいんですよ? くぅ〜〜ん♡♡ 」

「うげぇ、さなだ・・・・」


うわっ、すっげぇ。

一ノ瀬さんの顔を見た瞬間、言葉の顔が豹変した。

この顔は、アレだ。

「おじいちゃんの入れ歯くさ〜い」って感じの顔だ。


「言葉ちゃん、さすがの私もそれは傷付きます・・・・」

「さなはかえっていいよ」

「ぐっふぅ・・・・私、いらない子扱い」


うわぁ、トドメ刺されてるじゃん。

まぁ、大人しくなったから一ノ瀬さんは放っておこう。


「せんぱい、いこう? 」

「えーっと、どこへ? 」

「きっさてん」

「いつもの喫茶店でいいのか? 」

「うん。そこがすき」


結局、今日も部活動は言葉との待ち合わせの時間となって終わった。

どうだったでしょうか?

執筆中に思ったのですが、円香ちゃん、本当にめんどくさい娘になりました。

なぜこんな事に・・・・。

次はお泊まり会です。

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