四ノ宮 歌鈴は大食らい 2
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『四ノ宮 歌鈴』
彼女は、どこにでもいる女の子だ。
僕もそう思っていた。
あの日、
事実を知らなければ────
☆☆☆
「お兄ちゃん、もう朝だけど。」
僕の朝は大体妹に起こされる所から始まる。
これは別に、僕が朝に弱い訳では無い。
単に、『妹に構って欲しい』だけなのだ。
いや、言いたい事はわかる。僕も気持ち悪いとは思う。
でも、妹はただいま絶賛反抗期中なのだ。
・・・・反抗的な女の子って、ちょっかい出したくなるじゃん?
言うなれば、これは戦いなのだ!
『反抗期妹』VS『僕』!!
僕の抵抗に対し、如何に妹が冷静さを保っていられるかが勝敗を分ける!
そう言った『戦争』なのだ!!
だから僕は絶対に起きないよ!
妹がキレるまでは決して起きないよッ!!
だって楽しいからッ!!!!
「一ノ瀬先輩、お兄ちゃん寝てます。ヤルなら今です! 」
「ンむぁぁぁぁぁぁぁおっくぅぅぅぅぅぅぅんッ!!!!!! 」
「キャーーーーーーッ!?!? 」
今回の勝敗: 七瀬 真央 (戦意喪失)
☆☆☆
「まったくお兄ちゃんってば、起きてるならさっさと下りてくれば良いのに! 」
「うぅっ、ごめんなさい・・・・」
現在、僕は妹にリビングで正座をさせられている。
まぁ、この光景は日常茶飯事だ。
「お父さんもお母さんも夜出勤で朝は寝てるんだからあんまり騒がしくしたくないんだよ! わかってる!? 」
「はい、存じ上げております! 」
「うるさい! デカい声出すな!! 」
また怒られてしまった。
・・・・いや、お前も充分声デカイよ??
「大丈夫ですよ、まおくん」
「あ? 」
「まおくんは私が責任をもって毎朝起こしてあげますから! 」
「いやです」
「上も下もッ!! 」
「眠いからツッコミたくないんですけど」
「でも下は起きてますよね? 」
「・・・・・・。」
一ノ瀬さんが僕の下半身をジッと見つめてくる。一応、手で股間を隠しておこう。
「まおくん、女性の前で下半身を隠すのはマナー違反です」
「男性の下半身をジッと見つめるのはマナー違反じゃないんですか? 」
「まおくんの身体は私のモノと言っても過言ではありませんので。」
「ほほぉ? 」
「でも、私の身体は、まおくんのモノですよ♡」
「へぇ〜」
「まおくんも私のカラダ、好きにしていいんですよ? ・・・・きゃっ♡」
「あ、咲ちゃんご飯おかわり〜」
「聞いてくださいよ! 」
朝だって言うのに一ノ瀬さんは本当にテンションが高いな。
僕は起きてから一時間は頭がぼーっとしてるから、そうゆう所は本当に尊敬するよ。
「どうしたんですか、まおくん。私の事をジッと見つめて・・・・。ハッ! まさか、遂に私の魅力に気付いて────」
「無いよ、それは無い無い無い。」
「むぅ・・・・。まおくんを振り向かせるのは難しいですね」
一ノ瀬さんは、拗ねたように頬をぷくぅっと膨らませた。
顔が良いからだろうか?
そうゆう動作は本当に可愛いと思う。ほんとに『顔は』良いな。
「あ、色仕掛けが効かないなら既成事実を作った方が早いのでは? でもでも────」
ほんと、口を開かなければ良いのに・・・・。
一ノ瀬さんが妄想に浸り始め、僕が頭を抱えていると、咲が学校に行く準備を始めた。
「じゃあお兄ちゃん、私朝練あるし先に出るから戸締りよろしくね? 」
「うん、わかった。・・・・ぷふっ」
「何、急に笑い出して。気持ち悪い」
「いや、『咲が先に行く』ってダジャレが思い浮かんで────」
「死ねばいいのに。」
あ、割と本気で言ってる目だ。
妹よ、あまり兄が「死ね」とか言うもんじゃないよ?
涙を流すハメになるよ?? 僕が。
「あ、そうそう。」
「ん? 」
「お兄ちゃん、またスマホでエッチなサイト見ながら寝落ちしたでしょ・・・・?」
「ぐっふぅッ!? 」
「うわっ、汚い! 」
え? 何??
今この娘なんて言った??
エロサイト見ながら寝落ち?
僕が?? いやいやいやいや────
「な、なななな、なんのこと、かななななぁ???? 」
「いや、動揺し過ぎでしょ・・・・。別に隠さなくても良いよ。今更だし」
「いや、待ってよ。お前、一体どこまで知ってる訳? 」
咲はハァっとため息を吐き頭を手で抑える。
「私だって知りたくなかったよ・・・・。実の兄が『年上女性に襲われる』感じのジャンルを読み漁ってるなんて────」
「来世は犬になりたい」
「落ち着け、バカ兄。ここは一階だ。窓を開けても死ねない。死ぬなら二階からFly away! 」
「くそっ! なんで寝る前にエロサイト見てたんだよ、僕は! ・・・・おい、咲! それ誰にも言い触らしてないよなっ!? 」
「え、読んでる本の内容を教えてくれたのは一ノ瀬先輩だよ? 」
「はぁッ!? 」
「あぁ、後円香ちゃんも知ってるよ? この前私と円香ちゃんと一ノ瀬先輩で集まって女子会した時に聞いた。」
「うそでしょ!? 」
「えっと、まぁ・・・・どんなエッチな人でも、お兄ちゃんの事、信じてるからね? 」
「せめて目を見て言って・・・・。」
「じゃあ、私先に行くね」
「はい、気を付けて・・・・。」
「えっと、まぁ・・・・ふぁいとっ! 」
反抗期の妹に気を遣わせてしまった。
そして、この日から、少しだけ妹が僕に対して優しくなった。
なんだか、複雑な気分です。
☆☆☆
「あ、あの、真央君っ」
「んあ? 」
登校し、教室に入ると円香がいつも通りオドオドしながら話しかけてきた。
「どうした、円香? お腹痛いのか?? 」
「い、いや、そうじゃなくて・・・・。」
「?? 」
う〜ん、なんか歯切れが悪いな?
いや、まぁ、いつも通りなんだけどさ??
「円香」
「は、はいっ! 」
「僕とお前は幼馴染だ。今更遠慮する仲でも無い。そうだろう? 」
「・・・・真央君っ! 」
こうして耳触りのいい事を言ってあげることで、円香との会話はスムーズに進むのだ。
「じゃ、じゃあ、聞きたいことがあるんだけど・・・・。」
「あぁ、いいよ。何でも聞いて? 身長? 体重?? それともスリーサイズ?? 」
「どうして真央君から一ノ瀬さんの匂いがするのかなぁ?? 」
・・・・あっちゃぁ、聞くんじゃなかった。
「ねぇ、どうして?? 」
「いや、なんと言いますか────」
「一ノ瀬さんを庇おうとは思わないでね? 」
まずい!
円香さんの目が黒く濁り始めた!!
なんとか誤魔化さなくては・・・・・
「や、やだなぁ! 僕から一ノ瀬さんの匂いがする? そんな事ある訳無いじゃないか! 」
「そ、そうだよね! わ、私、勘違いしちゃったみたいっ!! 」
「も〜、円香ちゃんったら〜」
「「あははははっ」」
よし、なんとか誤魔化せ────
「────って言うとでも思った? 」
・・・・ですよねぇ〜?
「・・・・逃げるが勝ちッ!! 」
「あ、真央君ッ!! 」
今の時刻は8:05。
SHR開始まで残り30分。
それまで逃げ続ければ────
「きゃっ! 」
「うわっ! 」
教室を出た瞬間、誰かにぶつかった。
「ご、ごめん! ・・・・あれ? 」
「あ、大丈夫ですよ・・・・ん? 七瀬くん?? 」
「えっと、君は・・・・四ノ宮さん? 」
この人、確か、食欲旺盛なだけで比較的まともな人だった様な?
あれ? 違う??
「・・・・ねぇ、真央君」
「ひっ!? 」
「真央君はいつも女の子と一緒にいるね。何でかなぁ? 見せ付けられる私の気持ちにもなって欲しいな。ずっと私が隣に居たのに。・・・・また周りに女の子を増やすの? その娘はだぁれ? お友達?? どうなの? ねぇ? ねぇねぇ?? 」
円香さん、知らない人にも絶好調です。
「四ノ宮さん、走ってっ! 」
「え? うわっ! ちょっ!! 」
「・・・・逃がさないっ! 」
こうして、『支配からの卒業 』を賭けた恐怖の鬼ごっこが始まった。
☆☆☆
────あぁ、やっぱり臭う。
表面的ではなく、
内側から滲み出るその『匂い』。
錆びた鉄の様な『匂い』が
私の『過去』を呼び起こす。
彼にこびり付いた
『血の匂い』。
あぁ、どうしよう。
ちょっと────
「・・・・吐きそう」
「・・・・え? 」
「────ゥおぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・」
「うわぁっ!? ちょっ、大丈夫!? 四ノ宮さん!? ねぇ、四ノ宮さん!? おい四ノ宮ッ!! 四ノ宮さぁぁぁぁぁぁんッ!!!! 」
そして、私の意識は『吐瀉物塗れ』の七瀬くんの腕の中で途絶えた。
特に書く事が無いのでどうでもいい事しか言えませんが、とある『アイドルモノ』のアプリゲームにハマりました。




