表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

第二幕 一夜城は実は一夜ではつくられていない



俺は我が目を疑った。

昨日まで確かにそこにあった俺の家が、まったく別の家に取って代わっていたのだ。

しかも俺が気を失っていた半日も経っていない間に。天下の一夜城でさえ一夜では建たなかったというのに…

俺はまだ夢の中にいるのではないかと頬をつねった。

「いへーよ」

やっぱり痛かった…。


俺はへたりとその場に座り込むと、茫然とその家を見上げた。

短時間で造ったにしては立派な家だ。扉も窓もちゃんとついていて奥行きもある。どうやら張りぼてではなさそうだ。

しかも無駄に二階建てで、全体的に丸みを帯びたその形はキノコのよう。というかキノコをモチーフにして造られたのかもしれない。屋根赤いし。

まるでおとぎ話にでも出てくるようなそんな家だった。

「シルバニアファミリーかっつーの…」

正直この町にはまったくの不釣り合いで、ハンパなく痛々しいその家を眺めて…俺はふと考えた。

これってやっぱりご近所からみたら、俺がリフォームしたように思われるのかしら?

「あら奥さん。見た?あのお家、プーくすくす」

「見た見た。趣味疑っちゃうわよねー、プーくすくす」

そんなご近所での会話が脳内で流れ出す。

「…は、」

恥ずかしすぎるぅぅう〜!俺何にも悪くないのに社会から爪弾きにされるぅ!


もはや家を壊されたことよりもショッキングなこの事実に俺は動転した。何とかしなければ!

俺は素早く立ち上がるとその家の玄関へと走り寄った。よく見れば扉の横にはいっちょ前にインターホンなんかがついていて…てかこれ俺んちのインターホンじゃねぇか!!


俺はもろもろの怒りを己の指にこめてそのインターホンをプッシュした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット小説ランキング>現代FTコミカル部門>「七人の小人少女」に投票
ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ