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第九幕 小学生は大概ジャンケンで何でも決める


前回までのあらすじ

起きて早々に前々回の夢の解説に入る俺は良く出来た主人公だと思った。そんなこんなでピンクの幼女が俺の股ぐらに…!?

PS.第八幕の題名に共感をもった人はもっと広い視野で世界を見た方がいいと思うよ!



今俺の股の上でスヤスヤ寝息をたてて眠る少女は、その名をピンクちゃん(俺命名)という。

服装もピンク色。ふわふわと綿菓子のような髪もピンク色。だからピンクちゃん。

そんなピンクちゃんはさっきからまったく起きる様子もなく、未だ俺の股の上で眠りこけている。

一見何とも微笑ましい光景のように見えなくもないが、俺はそんなピンクちゃんをじっと見つめ、ゴクリと息をのんだ。


決して

「ゲヘヘ、ピンクちゃん可愛いぜぇ」などといかがわしい事を考えているわけではない。

俺はこの少女に恐怖しているのだ。

なぜならこの少女の出で立ちは、どこか見覚えがあるものだったから。


桃色のチュニックに黒のパンツ、やけに先のとんがったブーツ、そしてヘンテコな布製の帽子…。色こそ違えど、その服装はあのリダという少女とまるっきり同じものであり、つまりそこから導かれる答えはたった一つで…



《ピンクちゃんはあの赤豆太郎の仲間!》



答え合わせをするまでもなく、そういう結論に達することができる。まぁ、この家が乗っ取られたことを考えれば服装など見ずとも彼女が俺の家の仇であることは至極当然にわかることだが。とにかく俺をぺしゃんこにしようとした少女の仲間が俺の股の上で寝息を立てているというこの状況は俺にとって恐怖以外の何物でもない。


「もうマジ帰りてぇ…」


帰る家はここだというのに、そんなことすらすでに忘れて俺は早くも戦意喪失。しっぽまいて逃げる気満々だったわけだが、どうにもこのピンクちゃんが俺を抱き枕よろしく布団共々抱きしめているせいで身動きがとれない状態である。

怖いからなるべく起こしたくはないのだが・・・ここで彼女を引っ剥がそうと手を出せば、きっとまたしても俺は変態扱いをうけるに違いないことは先の経験でおおよそ予想できることで、どうせ赤豆太郎があのドアを突き破って「寝込み襲うなんて人の風上にもおけないな!このど変態が!」などとのたまい、またあのハンマーで殴りかかるわけですよ。わかってるんですよ!パターン読めてんですよ!


しかし、だからと言ってこのまま手をこまねいているわけにもいかず、どうしたもんかと考えていた俺はふと閃いた。

つまりは彼女に触れなければいいのだ。なら…


思い立ったが即行動と俺は掛けてある布団を手に取った。そして手間取りながらもその掛け布団をピンクちゃんを中心として端からたたみこみ、その端と端をしっかりと結んだ。

「よし!」

俺はしてやったりの顔で俺の股の上のピンクちゃんのなりの果てを上から眺めた。

目の前には大きな包みが一つ。無論これは布団に包まれたピンクちゃんである。これならばピンクちゃんに直接触れることなく彼女を排除する事ができ、尚且つ万が一にも破廉恥な行いをしているようにも見えない。あれ?俺天才じゃね?


「てかこんなになってもまだ寝てるって…どんだけー」


俺はそんなピンクちゃんに少し呆れながらも目的を果たすため袋の結び目を両手でつかみ、持ち上げようと腕に力を込めた。

しかしこの体勢で、しかも子供とはいえ人一人を持ち上げるというのは相当に筋力を使うもので、さらに言えば袋にされた(包まれた的な意味で)にも関わらずピンクちゃんは未だ俺の股にがっしりとしがみついているため、結局のところさっきから少しも動いていないというのが現実で…


「無理」


そう早々に悟った俺は袋から手を離し、誰に見せるわけでもなくアメリカンコメディさながらにお手上げのポーズ。


ふふっ、非力な俺を笑いたければ笑うがいいさ…。でもね、結果よりその過程にこそ意味があると僕は思うよ!


一体どの過程にどのような意味があったのか定かではないが、とにかくやれるだけのことはやったと俺は半ば投げやりにまたベットに寝転がった。


「何やってんだお前は…」

「どぅわっ!?」


しかしそれも束の間。言い訳全開フルスロットルの俺は、目の前にまたしても現れたあの赤い悪魔の再来にびっくりドッキリ飛び起きて、ついでに口も滑らした。


「あ、赤豆太郎…!?いつの間に!?」

「…お前相当死にたいらしいな?」


レッドデビルは邪悪な笑みを浮かべ、五本の指を堅く握りしめた。何?ジャンケンでもしようっての?そうでしょ?そうだよね?それじゃ、じゃーんけーんぽげぶぅ!


俺は手をパーで突き出しながら赤豆太郎にグーで顔面を殴られた。でもジャンケンには勝ったよ!試合に負けて勝負に勝った!ん?逆か?ま、いいや!誰か褒めて!てか痛ぇぇえ!


殴られた頬をおさえ、ベットの上で悶え苦しむ俺。それをまるで汚物でも見るような目で見ながら赤豆太郎はため息をつく。そして如何にもめんどくさそうに、俺に向かってこう言った。


「来い変態、姫がお呼びだ」

評価が一向につかないもんで「ハイハイ、どうせ誰も読んでないんでしょ…」何ていじけていたら今回評価を頂いて作者は大変喜んでおります。いや、ホントに。他にもこんな作品を「はんっ」と鼻で笑って見てくれる人がいれば嬉しいです。え?オチ?ありませんよ?

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