第20話 「巡る季節と、永遠の微光」
第20話 「巡る季節と、永遠の微光」
一年が巡り、再び春が訪れていた。
朝の七時。灯台荘の台所は、十四人分の椀で満ち、皆の顔に穏やかな光が宿っていた。
新たな漂着者も迎え、季節とともに物語は静かに続いていた。海人が皆を見回し、珍しく長く話した。
「この一年、俺たちは傷を抱えたまま、朝を迎え続けた。
完璧じゃなくても、灯りは回り続ける。」澪は児童福祉の現場復帰を決め、彩は笑うことを自分に許し、耕平は息子と和解の道を、遥香は絵本を、俊介は言葉を、瞳は怒りを、蓮は優しさを、雪乃は希望を、それぞれ少しずつ取り戻していた。午後、十四人は岩場で春の波を見つめた。
海人は皆の中心で、静かに言った。
「人として生きるって、傷つきながらも、ここにいることを許すこと。
そして、誰かに『ここにいてもいい』と伝えることだ。」夜。
機械室でÓlafur ArnaldsとMax Richterの調べが優しく流れ、十四の杯が静かに触れ合った。海人は一人、最上部に上がり、回転する灯台の光を見つめた。 (遥……お前が見たかった光は、ここにあった。
季節は巡り、人は増え、微光は永遠に回り続ける。
俺は、これからも灯台荘を守っていく。)遠い海上で、多くの船が白い光を頼りに進んでいた。
灯台荘の窓から、十四の温かい灯りが、夜の海に優しく広がっていた。「また明日も、ここにいよう。」
皆の心に、その言葉が静かに響いた。(第20話 完)
後書き
今日の灯台荘より
**「季節は巡り、傷は残っても、
朝を迎え、光を分け合う。
それが、人として生きる、永遠の微光。....」




