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花束  作者: 辰井圭斗
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一連のGmail・三通目

大事なの伝わった

もう完全に伝わった


先生のお仕事

本当はよく分からない

でも、私はやってみている

魔法の手紙ってやつを


先生、いつから助けてくれてたの

だっておかしかったんだよ

先生、いつから助けてくれてたの

三歳の私の後ろに立ってたのは

「私」だったの「先生」だったの


あなたはほんの子どもだった私を助けた

あなたが助けた子どもが今泣いてる

先生と一緒に戦う仲間になりたいと

わんわん泣きながらこれを書いてる


でも、これが善いことなのか

私には全然分からないんだよね

正直

イイ話になんかなってたまるかよって

思ってるからさ


でも、それが仕事だったじゃん

そして仕事じゃん

そしてでも仕事じゃん

私には分からないよまだ


こんなメールが来て

絶対に何か調べたくなると思う

でも、「何も」調べないでほしい

私は、本当に私を殺したい

抹消したい

無かったことにしたい

だから探さないでほしい


そして、私が死んでても

先生に損はさせないつもりなんだよ

だって「無名」だから

そして贈れただけでハッピーだから

でもマジふざけんなってきっと思われるんだろうな

(そしてみんな思ってたよね)


でもさ、先生

私が私の人生をあるところまででデリートすると

私も先生も助からないかな

それなら先生、卒業論文受け取ってほしい

大丈夫、修論はもう出したから

だからもしかしたら博論かもしれないけど

博論だとしても、その次があるよね


先生、「私」が私の代表作だよ



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