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親不孝高校 3年D組のデアテーチャー【Forever Yong (追憶の彼方)】  作者: 野松 彦秋


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26.GTM(グレート テーチャー マルイ)と石井君(結)

数百メートル歩いたところで、曲がり角があったので良太は直ぐに其処を曲がった。


細道に入った瞬間、張り詰めた緊張が緩んだのを覚えている。


どうやら、無事自分の世界に戻れたという様な安堵感だった。


ホッとすると、心に余裕が生まれたのか車に残った自分以外のクラスメート達を心配する気持ちが戻って来た。


良太は、自分が曲がって来た大通りの方に少し戻り、身を隠しながら石井君たちが乗っている車が有ろうと思われる方を眺めた。


その時である。警察官が立っている場所あたりで、車のクラックションが鳴り響いた。


『ビィービウィ~、ビィ~』


音が鳴り響く中、数名の人影が音が鳴る方向に集まろうとした時、1台の車が動き出し、車の侵入を防ぐ方向に置かれていた三角ポールをなぎ倒し、急発進したのである。


最初に動けたのは、パトカーだったが、そのパトカーも、自車のサイレンが鳴り始めたのを確認してから追跡を開始した為、数分のタイムラグが生じていた。


それから、また少し遅れ、白バイ隊員たちも追跡の為、発進する。


あっと言う間に、彼らの姿は洋太の視界から消えてしまった。


洋太は暫くの間、その場で立ち尽くしていたが、やがて諦め、仕方なく再び家路を辿ったのであった。


洋太が自分の家に着いたのは、20時近く、学校の校門を出てから3時間半も経っていた。


洋太の母は、前もって連絡していた為か、息子の帰りが遅くなったことを問題にしなかった。


『どうして、歩いて帰って来たの?』


『なんとなく、歩きたかったから・・・』


『あ、そう、ゴハンできてるわよ』


確か、こんな感じだった。


洋太は、その夜、両親には自分が大学に合格したとは言わなかった。


そんな事よりも、車にクラスメート達を残し、一人だけのうのうと逃げてきた自分への罪悪感が大きく、そして彼らの安否が心配だった。


次の日、良太は何時もより早く、始発のバスに乗って高校へ向かった。


勿論、クラスメートたちの状況を少しでも早く知りたかったからである。


学校へ着くと、良太は直ぐにクラスへ向かう。荷物を置き、丸井先生に会おうと職員室に行ったが、職員室には既に多くの先生達がおり、ドアをあけるなり、『今、会議中だから、一般生徒は入って来たらダメだ』と注意されてしまった。


仕方なく、クラスに戻り自分の席にいると、一人、また一人、クラスメート達が登校してきた。


当然、彼らの様子は普段と変わりなく、その日が何時もと違う日になる事を気づいているのは、良太だけであった。


時間が過ぎ、朝のホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴る。


しかし時間がたっても、石井君たち3名の姿は勿論なく、丸井先生もいっこうに教室に入って来なかった。


『委員長、丸井先生、来ないけど、何か聞いてる??』


『何か、職員室の雰囲気が何時もと違うって、他のクラスの奴が言ってたし』


一人の生徒が良太にそう聞いてきたが、良太は首をふるしか出来なかった。


すると、英語担当の清本先生が教室に入って来た。


『お前ら、今日な、丸井先生、急用があってな、今日は教室に来れなくなったから・・』


『あとな、1時間目は自習だから、今、その理由は詳しくは説明できないんだ、先生達も確認中と言うか、2時間目。~先生が来る頃には説明できるかもしれない。』


『分ったか?、ヨシ、じゃあ、真面目に自習しておくように!!』


清国先生が、教室から出ていくと、クラスメート達は一斉に騒ぎ出した。


自分達の置かれた状況を、推理、予想しはじめたのである。


『もしかして、誰か、何かやっちゃたんじゃないのか??』


その場にいない、クラスメートの名前が出て、皆石井君たちが居ない事を話し始めた。


自習の時間中、話しはそれで持ち切りだった。


自習時間が30分過ぎた頃、廊下をあるく4人の人影に気づく。


その4人の姿は異様だった。


先頭を歩く、巨体は丸井先生、その後ろを付いて行く、小柄な子は石井君、下柳君、佐藤君だった。


彼らは、牢獄へ向かう囚人の様に、4人とも丸刈り(5厘頭)だったのである。


2回頭を開ける手術をした、丸井先生の頭は、大きな傷が二つあり、物言わぬそのキズは迫力があり。以前死にかけたという、先生の話に偽りがなかった事が分った。










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