表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親不孝高校 3年D組のデアテーチャー【Forever Yong (追憶の彼方)】  作者: 野松 彦秋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/30

25.GTM(グレート テーチャー マルイ)と石井君(転)

『じゃあ、長崎屋に向かうわよ・・・長崎屋に着いたら、又教えて頂戴・・。』


石井君は、手慣れた様に方向指示器を出して右折をしながらそう言った


『あ・・有難う』


洋太は礼を言い、同い年で同じクラスメートが既に免許をもっている事実、心の中でカッコいいなあと思ってしまった。


『そいでさ、委員長、どうして歩いて帰ってたの??サイフ?バスの定期でも忘れたの?』


佐藤君が、良太が寒い雪道を歩いて帰っていた理由を聞いて来た。


『・・・実は、今日受験した大学から、合否判定が来て・・色々と考えたくて・・・』


『エッ??受かったの??』


『‥‥一応ね、運よく・・』


助手席に座っていた下柳君が驚いた様に聞いてきたので、洋太は小さな声で答えた。


『良かったじゃん、スゲェ・・スゲェよね、石井君?』


『何言ってんの、生意気よ、酸っぱい梅干しの様な匂いがするクセに、』


『じゃあさ、卒業したら東京の方へ行くんだ!委員長は・・・』


『未だ、分からない、親と相談するつもり・・・』


『何よ、もう決まってるんでしょ、勿体ぶった言い方してぇ・・・』


『まあ、良かったじゃないの、アンタなんか、未だ働けないわ・・大学に入ったらバイトでもして社会勉強しなさいよ・・・フン、一応、おめでとうって言ってあげるわ。』


『良かったじゃないの』


運転してる為、後ろを振り返れない石井君は、相変わらずの表現で良太の合格を喜んでくれた。


『ところで、今日、3人とも、学校に居なかったけど、何してたの』


良太は、自分の話題を別にしたくて、他の話題にかえようと3人に聞く。


『サボリよ、サボり、丸井、何か言ってた??4月からこのメンバーじゃ、なかなか集まれなくなるからね・・』


石井君が先ずそう言った。


『佐藤と俺は、街(市内、駅周辺の意)で買い物していたらね・・・石井君とバッタリ会っちゃて・・』


そんな会話をしている時、4人の乗っている車が市内のメイン道路に入った。


暫く行くと、其処で渋滞にはまった。


『でもさ、、東京に行けるのって良いよね・・』


『アッ、前に警察がいるぞ・・・・何か、検問してるみたいだ』


『飲酒運転の取り締まりかな??』


良太もそれを聞いて、自分の傍にある窓ガラスの外を見た。


未だ少し乗っている車とはく距離はあったが、遠くに赤ランプが点灯している警察のパトカーや白バイが数台止まっていた


『何だろう??事故かな・・』


佐藤君と、下柳君は自分の予想を口に出し、興味津々になっていた。


『何だろうね・・』


二人に相槌を打つように、良太もそう呟いた・・・、が石井君は一人だけ様子が違った。


『ヤバいわね・・・・。』


低く、そう呟いた。


『・・・石井君、何、どうしたの??』


『ヤバいって、何が・・・』


『・・・・・』


二人の問いに、石井君は直ぐに答えず、何かを考える様に握っていたハンドルから片手を放し、自分の髪を触った。


『・・・委員長、アンタ、此処でこの車降りなさい・・』


『降りたら、普通に歩いて、来た道を戻る方向に行って・・・』


『石井君、どうしたの、急に』


下柳君が、慌てた口調で言う。


『・・・実はね、アタシ未だ免許持ってないの・・・』


『エッ・・・何言ってんの??』


『それでね、・・・この車も、アタシのモノじゃないのよ・・・』


『歩いていたら、鍵がかかったままの車があってね・・・借りてきちゃったの・・・無断でね』


『・・・・・』


『????』


3人が一斉に事の重大さが分かり、石井君の方を見つめた。


あまりの衝撃に、言葉が出ず一瞬その場が凍ったのを良太は覚えている。


『じゃあ、オレも逃げるよ!』と佐藤君。


『オレも!』と下柳君。


『馬鹿!、3人で逃げたら、直ぐに奴らに気づかれるわよ・・』


『・・・』


良太は何も言えず、突然自分が巻き込まれた事態の大きさに唯々驚いていた。


『逃げるのは、野末よ、大学合格したばかりの奴、取り消しになんか出来ないでしょ・・』


『イヤだ、俺だって就職決まってるんだよ』


佐藤君が自分の意志の正当性を訴える。


『・・・・分かったわ、まあそうね、だったら一人づつ、順番。最初は野末で、その後は、佐藤、下柳は最後でいい??』


『・・・・・』


誰も返答出来なかった。


すると、石井君が切り出す。


『ハイ、決まり、野末、行きなさい・・』


『・・・』


『サッサと行けって言ってるんだよ、馬鹿野郎!!』


良太が躊躇していると、男の言葉の大声が社内で響いた。


迫力に押される様に、良太は驚いてドアを開け外へ飛び出た。


それで、言われた様に、車とは逆方向にゆっくりと歩き出した。


車から数百メートル離れた所で、良太は少し冷静になり、その大声の主が石井君だったとその時気がついたのである・・。当然、振り返る事は出来ず、唯ユックリと歩く事しか出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ