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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第七章 千年王国交差編

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第223話 八人目

「よ! ミズト!」

 案の定と言えばいいのか、タクマの店で食事をしているとウィルがやってきた。


「ウィルさん、少しお久しぶりです」


「ああ、そういえばあれ以来だな!」

 ウィルは当たり前のようにミズトの向かいの席に座った。


「シュンタさんにお聞きしたのですが、私に何かお話があるようで」

 さっさと用件だけ聞こうと思ったミズトは、自ら話を切り出した。


(…………ん?)

 聞くまでもなく、ウィルのことなのでそれなりに面倒な内容なのだと想像していたが、少なくともシュンタの言っていた意味は先に分かった。


 ====================

 ウィル・バートランド LV98

 種族 :人間

 加護 :水の精霊

 クラス:ハイガーディアンロード(熟練度10)

 ステータス

  筋力 :A(+B)

  生命力:S(+A)

  知力 :C

  精神力:B

  敏捷性:B

  器用さ:C

  成長力:C(+A)

  存在力:A

 ====================


(なあ……エデンさん……ウィルのこのレベルって…………)


【はい、ご想像どおりスタンピードを殲滅した際に、大量の経験値がパーティメンバーであるウィルさんにも流れ込みました】


(…………ウィルはこのことを理解しているのか?)

 ミズトは色々と疑問が湧いていたが、先に状況を確認した。


【いいえ、違和感は自覚していますが、鑑定球を使用しない限り自身のステータスを見ることはできませんので、ご理解されていません】


(そうか……)

 ミズトは、自分の意思とは無関係に強制的に強くなることへの嫌悪感を知っているので、急にウィルへ後ろめたさを覚えた。


「そ、それがな――――」 ウィルには珍しく、歯切れの悪い言葉から始まった。

「最近、帝都周辺のダンジョンの様子がおかしいんだ。なんて言うかこう……モンスターが弱体化しているって言うか、難易度が下がったって言うか……」


 ウィルは上手く表現できずにいる。


「モンスターとの戦闘が楽になったということでしょうか……?」


「そう! そうなんだ! 何だか分からないが、簡単に消滅していくんだよな。お前に借りている武器が高性能なのは理解しているが、それでもフロアボスクラスが一撃だ! どういうことか分かるか?」


「いえ……私はこの世界の人間ではないですし……」

 ミズトはウィルの目を見られなかった。


「そうか、ダンジョン内の全モンスターが弱体化したり、俺が急に強くなったりするわけないとは思うんだが……」


「どうなのでしょうか……」


「まあ、仕方ない。曖昧な話すぎてギルドにも報告できないし、少し様子を見るか」

 ウィルは食事も頼まず立ち上がると、

「悪かったな、時間とって」

 と笑顔で言った。


「いえ、私にできることなら、いつでもご相談ください」

 ミズトは、久しぶりに全力で愛想笑いを浮かべた。



 *



 翌日、ミズトはウィルと冒険者ギルド本部を訪れていた。

 ウィルが朝からミズトの部屋へ訪ねてきて、連れ出されたのだ。


 普段から遠慮のないウィルだったが、二階にあるミズトの部屋を直接訪れることは今までなかった。

 ところが今日は冒険者ギルドへ誘いに、真剣な表情でやってきた。

 何の用事もないことがバレているミズトは、断る術がなかった。


「ギルドマスター、入るぞ」

 ウィルが無遠慮にドアを開けた。


 ミズトは入ったこともない建物に連れられ、入ったこともない部屋に入った。

 入り口には『ギルドマスター室』と書かれていた。


「ウィル殿、ミズト殿、よくいらっしゃった」

 室内で答えたのは、冒険者ギルドマスターのブルクハルトだった。

 サブマスターのフェルナンもいる。


 最近のミズトにとっては、食事中によく話しかけてくる気さくなおっさんコンビなのだが、今はいつものノリではない。

 重々しい空気のまま、ミズトとウィルはソファ席に座った。


「ミズトも連れてきたぞ。例の話、やるのは俺だけでいいのだな?」

 ウィルは向かいに座る冒険者ギルド最高幹部の二人に言った。


「ええ、正式にはウィル殿だけですので、ミズト殿はあくまでパーティメンバーということになります」


「そうか。俺は仕方ないとして、ミズトはそういうの苦手だからな。助かる」

 ウィルはブルクハルトに答えた。


(…………)

 ミズトは何の件か分からず、話についていけてないのだが、できれば知りたくないので黙っていた。


「さて、ミズト殿にもご理解いただくために、改めて事情を説明する必要がありますな」


「ブルクハルト様、ここは私から」


「そうか、フェルナン殿、頼みます」

 ブルクハルトはフェルナンに軽く会釈をした。


 ミズトは聞きたくなくて仕方ないのだが、話し出したフェルナンに視線を向けた。

 フェルナンは主にミズトに向けて、話し始めた。


「ミズト殿は異界人いかいびとなのでご存じだったと思いますが、ウィル殿ご本人も、我々ギルドも、気がついたのは昨日。ウィル殿の要望で鑑定球を使用したことによりました」


(なるほど、その件か……)


「突然このような事象は聞いたこともありませんが、つい先日までレベル67だったウィル殿がレベル90を越え、世界で八人目の『到達者』になられたのです」

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― 新着の感想 ―
最初は偏屈で短期なオッサンの話かと思ってたが異世界の人と関わることでお人好しな面も見えてきて今は主人公が面白味のあるキャラに思えてる
異界人がステ見えるの解ってて、強くなった事を知らないフリして、濁して、でも何かあれば相談してほしいって伝えて… いざ頼ったら…聞きたくも知りたくもないと… どんどん拗らせてるな(笑)
面倒だなぁとか、相手への負い目で後回しにしていた事象が、後で大事になって跳ね返ってくるパターンですね。
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