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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第六章 ロストダンジョン編

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第210話 セーフティエリア開放条件

「…………あ? ゴミ騎士が、この俺様に何か用か?」


異界人いかいびとなら名前が見えているだろうが、俺は騎士ではなく、冒険者のウィル・バートランドという名だ。キミたちのクランのせいで、冒険者が通れずに困っている。悪いがセーフティエリアを開放してくれないか?」

 ウィルは強めの声でジンに言った。


「ゴミ騎士の分際で俺様に意見を言うたあ、生意気じゃねえか」

 ジンは椅子から立ち上がり、ウィルの前まで進むと、

「ああ?」

 とウィルに顔を近づけて凄んだ。


(何を食ったらそんなデカくなるんだ)

 ミズトはジンの大きさに少し驚いた。


 身長は190cm前後。日本人にしてはかなり大きく、ミズトの知り合いの誰よりも高い。

 体格も、プロの格闘家のようにがっちりしている。

 普通に日本の街中を歩いていれば、誰もが避けて通りそうだった。


 だが、ウィルも負けていなかった。

 体格はほぼ同じで、ジンの威圧に少しも臆することはない。


「キミは何を勘違いしているのか知らないが、我々は冒険者代表としてここに交渉にきたんだ。まずはこちらの意見を聞くべきだろう」


「『神楽』に滅ぼされた負け犬の分際で、何を言ってやがる。勘違いしているのはてめえのほうだ。レベル67程度じゃ、俺様には勝てねえぜ?」


「勝ち負けは関係ないのだが、キミには力を見せる必要があるようだな。そういうことなら我々も分かりやすい。うちのミズトが相手をしてやろう」


(…………おい!)

 ミズトはウィルを見上げると、真剣な表情のままジンを見ている姿が目に入る。


「ガーハッハッハッ!! このゴミチビが俺様と?! ゴミ騎士は冗談がうまいぜ! マジメな顔して面白えこと言いやがる!!」


「冗談ではない。力を見せるなら、俺より強い彼のほうがキミも納得するだろう」


「つまんねえこと言ってんじゃねえ! 俺様のクラスは『インパクトマスター』だ。マスタークラスの中で一撃の威力は最強だぜ? ウィザードなんざ一撃でバラバラだ。勝負になんざならねえよ!」

 ジンは不機嫌な目でミズトを見下ろした。


(こういう展開、多くないか……?)


【ミズトさんを認めている方々は、ミズトさんに託したくなるものなのです】


(……もしかして、そういうスキルを持ってるとか?)


【他人から託されやすくなるという効果のスキルはございませんが、『創造神』の加護の影響は多少ございます。しかし、大部分はミズトさんの人となりによるものとお考えください】


(ん~…………)

 ミズトはジンの視線にどう対応するべきか悩んでいた。


「ジンさん、そういうことなら俺にやらしてくれ!」

 沈黙が少し流れた後、ケンスケが声を出した。


「なんだケンスケ。ゴミ騎士の言うこと信じんのか?」


「いえ、そういうわけじゃないですが、どうせ瞬殺なんで、俺がやっちゃいます」


「そういうことか……」

 ジンは少し考える素振りを見せ、続けた。

「こいつは卍会ナンバーツーのケンスケだ。ゴミチビがこいつに勝ったら、セーフティエリアを開放してやってもいいぜ! どうだ?」


「いいだろう、交渉成立だ」


「待て待て、まだだろうが! こいつが勝った場合の条件がねえ! ケンスケが勝ったら、そのゴミチビはうちに入ってケンスケんとこの下につけ。レベル50なら悪くねえ」


「そっちが勝てばミズトは冒険者を辞め、キミたちのクランに加入する。こっちが勝てばセーフティエリアを開放する。それで問題ない」


「じゃあ決まりだ!!」


(おいおい……わざと負けてやろうか?)


【ミズトさんにまったくその気のない台詞は意味がありません】


(…………)

 なんだか面倒なので、ミズトはジンも纏めて相手にしたくなってきた。




 それから、丸坊主とパンチパーマの二人がテント内を少し片づけ、ミズトたちが戦うスペースを作った。


「おいガキ。まさかいい勝負になるとか思ってねえよな?」

 ケンスケが、向かい合うミズトに言った。


「えっと……」

(俺やるって言ったか? マジやるしかないのか?)

 ミズトは何一つ意見を求められることもなく、ケンスケという男と向かい合わされている。

 クロは戦いが起こることを理解していないのか、ミズトの足元で丸まってくつろいでいる。


「てめえは無所属だから知らねえだろうが、クランに所属すると補正がかかんの知ってるか?」


「まあ……一応……」

(質問の多い野郎だな)


「クラン補正ってのはな、クランのランクが上がると大きくなる。うちみてえにランク4なら、所属メンバーの能力はレベル4アップしたと同じくらい補正がかかり、俺のような幹部になればレベル8相当上昇する。そこまでは知らねえだろ?」


「そうなのですね……」

(どうでもいい~)


「てめえは俺の舎弟になるんだ。教えといてやらねえとな!」

 ケンスケは背に差していた剣を両手で構えた。ウォリアーらしい大きな剣だ。


(…………どうすっかな)

 周りを見ると、ジンはニヤニヤと笑いながら見ている。

 ウィルは腕を組み、ミズトと目が合うと首を縦に振る。


「おいガキ! てめえから魔法を撃っていいぞ! 魔法を使う前に負けたら納得しねえだろ!?」

 ケンスケの声が段々と高揚している。


 ミズトは仕方なくエレメントリウムの杖を構えた。

(なあ、エデンさん。『マジックシールド』で完全に防ぐんじゃなくて、致命傷になる一歩手前程度にダメージを減らすってこともできるよな?)


【はい、もちろんです。ミズトさんが放った魔法を、わたしなら完全防御から死なない程度までダメージの調整が可能です】


(そうか……)

 ミズトは悩んでいた。

 対人戦闘なら基本的に状態異常系の魔法を使うのだが、少し痛い目を見せてもいい気がしてきていた。


【ただし、残念ながらミズトさんがこちらの二人と戦うのは、少し後になります】


(ん? どういう意味だ?)

 ミズトがエデンへ質問をし終える前に、誰かがテントの中に駆け込んできた。


「たいへんだ、ジンさん! 魔族とノワールの連中がなだれ込んできやがった!!」

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― 新着の感想 ―
主人公は反発を心の中だけでしか出来ないヘタレなのは徹底的に理解しました。正直無双ラノベの主人公には適していません。彼の肝っ玉が小さい故の態度に出せない言動には共感できず、こなのを読んでも面白く思うのは…
勝手に人の人生の進路決めてくる騎士も頭どうかしてる
お、卍会ざまぁ展開か!?と期待してからのこれ。 ちょっと残念。 まぁ次回以降でどうなるかですが。
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