表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第五章 亡国の騎士編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/207

第179話 帝都中心部

 ある日、ウィルは鉱夫仲間から、ポーション屋の噂を聞いた。

 最近、帝都内で大きな話題になっていて、どうやら最高品質のポーションを扱っているようなのだ。


 ポーションの品質は、高品質・普通・低品質の三種類というのが一般的。

 稀に最高品質があるとウィルも聞いたことはあったが、実際に実物を見たことはない。


 それがポーション屋で販売しているとなると、皆が騒ぐのも当然だ。

 ウィルは鉱夫仲間からポーション屋の場所を詳しく聞きだし、休日に訪れてみることにしたのだった。


「帝都の中心部なんて久しぶりだな……」

 通りを行く人のあまりの多さに、ウィルは思わず声を漏らした。


 噂のポーション屋は大通り沿いにある話だった。

 ウィルはアレックス達と帝都に移り住んで以来、ほとんど帝都の中心部へ来ることはなかった。

 住んでいるエリアが中心部より離れているので来る理由がないのだ。

 それに、これだけ人がいると、どうしても異界人いかいびとが視界に入ってしまう。彼らを見ると、心穏やかでいられなかった。


「なあ、今の奴の所属見たか?」

「ああ、見た見た。なんで『日本卍会』の奴が帝都にいるんだ?」

「あいつ『チーム世紀末』の奴じゃなかったか?」


 ウィルは数人の異界人いかいびととすれ違った。

 気にしないようにしても、無意識に気にしてしまう。


 この世界には、すでに数千人の異界人いかいびとがやってきていると言われている。

 この帝都にはもちろん、ウィルが生まれ育った王国にもたくさんの異界人いかいびとがいた。


 彼らは皆『天使の加護』を持ち、最初からステータスが高い。

 天使より下位にあたる『精霊の加護』を持つこの世界の人々にとって、異界人いかいびとはそもそもが受け入れがたい存在であった。


 それに加えて異界人いかいびとは、異界人いかいびとだけの社会に閉じこもり、この世界の人々と打ち解けようとしない傾向がある。

 異界人いかいびと同士だけで生活し、この世界と関係を築こうとしないのだ。


 それゆえに、異界人いかいびととこの世界の人々の争いは至る所で起こり、ウィルはそれを散々見てきた。

 この帝都でも、視界に入る異界人いかいびとはやはり異界人いかいびとだけで活動し、この世界に壁を作っているように感じる。

 異界人いかいびとが帝都の人々と揉めている場面を見たこともあるし、異界人いかいびとが帝都内で冒険者を殺害したという、とんでもない話も耳にした。


 異界人いかいびとに嫌悪感を持つウィルは、より一層異界人(いかいびと)を嫌悪し、必要以上に意識してしまっていた。




 それから、歩いているだけで気疲れする帝都を進んでいると、信じがたいことにウィルは街中でモンスターと遭遇した。

 それは脇道から突然現れ、ウィルと衝突しそうになった。


 百戦錬磨のウィルは、それが強力なモンスターだとすぐに分かったが、武器どころかつるはしも持っていない状態だ。

 とても素手で戦えるような相手ではないと直感し、一瞬で死を覚悟した。


「くそっ……なぜこんなところにゴーレムが!?」

 ウィルは両腕を交差させ、防御態勢に入った。


 しかし、想定していたタイミングで攻撃は来なかった。

 ウィルは真上以外からの攻撃を警戒し、防御態勢のまま左右に視線を送った。

 それでもやはり攻撃は来ない。


「…………」


 ウィルは、恐る恐る腕の隙間から覗き込み、ゴーレムを探した。

 すると、目の前にいたはずのゴーレムが、いつの間にか遠ざかっていくのが目に入った。

 それも、不思議なことにモンスターのはずのゴーレムが、周りを攻撃することなく、ただひたすら歩いているように見えた。

 そして、何故かその周りにいる人々は、ゴーレムを怖れることなく、気にすらしていない様子だった。


「どういうことだ……?」


 その光景にウィルは混乱した。

 もしかするとウィザードが生成したゴーレムの可能性も考えたが、『クリエイトゴーレム』は戦闘中にゴーレムを生成して、戦闘に参加させる魔法。街中で使用するようなものではないのだ。


 ウィルは答えが出ないまま、しばらくその場で立ち尽くしていたが、帝都の様子に変化はなく、先ほどの光景がなかったかのように時間が流れていくため、警戒を解いて、また歩き出した。

 見間違いなわけがないのだが、あまりにも帝都の街に異変を感じないので、何かに化かされた気分になっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ