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四十八.救異ノ神

日向の所から帰ってくると、渉が待っていた。


「おう。帰ってきたか……あいつは大丈夫だったか?」


「うん! 何とかなったよ」


「そうか。それなら良かったぜ。夕飯準備しようぜ」


「うん」


浮かない顔で台所に行く。


「今日はカレーにすっか」


「そうだねぇ」


野菜を黙々と切っている。


「なぁ、リエル? なんかあったか?」


「うーん。なんかあったわけではないんだけど、なんか不思議な気分で」


「なんだよ? 言ってみろよ」


野菜を切りながらリエルは言葉を紡ぎ出す。


「日向がさ、来年受験なんだって」


「あぁ、俺らと同じ歳だもんな」


「うん。それで、進学すると僕と会えなくなるのが嫌だから悩んでるって言ってたんだ」


「そんなこと言ってたのかぁ。まぁ、そうだろうな。今は会いたい時に会えるが、大学に行ったら遠くなる。そんなに会わねぇと思うと、嫌になるんだろうな」


「そんなもんかな?」


「会いたい時に会えない。それがつれぇんだろうな」


「そうだね。それは辛いか……」


2人でしみじみと物思いに更けながら野菜を切っていた。


ドタドタドタッ


「リエルや、大変じゃ!」


「そんなに慌ててどうしたの? えんじい?」


「日向が……事故にあったそうじゃ」


「えっ!? さっきまで家にいたよ?」


「リエルが帰った後気分転換にと買い物に言ったんだそうじゃ。その時に信号無視した車に引かれたんだとそう言っておった」


「ど、どこの病院に運ばれたの!?」


「玄の病院じゃ。今から車で向かうぞい」


「早く行こう!」


「こういう時は落ち着くんじゃ。そして、覚悟するんじゃ」


「嫌だ! 早く行こう!」


えんじいは日向の最悪を覚悟するように言うが、それをリエルは拒否した。


リエルと渉が車に乗りこみ、えんじいが運転して向かう。


病院へ着くと、えんじいをみた看護師さんが案内する。


案内されたのは手術室の前であった。

そこには母親ともう1人男の人がいた。


「親父……その子がリエルくんか?」


リエルを見て言うのは父親だろう。


「はい。僕がリエルです」


「リエルくん。日向は君のおかげで明るくなった。友達とうまくいかなくてねぇ。そんな時にリエルくんが現れた。いつもリエルくんの話をするんだ。妻はそんなリエルくんに依存する日向を心配していてね」


「だから、家に言った時の反応が……」


「妻に聞いたよ。来てくれたんだってね。すまなかった。そして、ありがとう」


「なんで……そんなもう死んだみたいな……」


「さっき言われたんだよ。意識が戻らないそうだ。体の怪我はそこまでではないが、脳死してしまった様なんだ」


「そんな……」


ガラガラガラ


ベッドに乗った日向が運ばれてくる。

そのまま病室に運ばれる。


リエルは傍による。


「嘘だろ? 日向。さっきまで元気だったじゃないか……」


日向が返事をするわけが無い。

それは分かっている。


「大丈夫だよ。日向? きっと生きれる」


そう言うと日向に手をかざすリエル。


「リエル! 何をする気じゃ!?」


「えんじい、安心して? 日向は大丈夫」


リエルの体が光る。


「僕に力を貸してくれる神々よ。僕にできる限りの力を貸して」


外から光が集まってくる。

リエルの手から光が日向へ移る。


「日向、僕の力を受け取って?」


ブワッ


リエルから風が溢れる。


「リエル! そんなに力を使っては!」


「僕はどうなってもいい。ありったけの神力を使う! あぁぁぁぁぁぁぁぁ! 生きるんだ日向ァァァァァ!」


病室に光が包まれる。


しばらくすると光がやんだ。

リエルがペタンと座っている。


「リエル!? リエル!」


渉が揺するが、反応がない。


「日向は!?」


えんじいが日向を見る。


「日向! 日向!?」


目がピクリと動く。


「日向!?」


「んー? ここはどこ? 私何してたんだっけ?」


「日向……無事でよかったのじゃ」


「「日向!?」」


両親がやってきた。


「親父!? どういう事なんだ? リエルくんは何者なんだ!?」


「信じられんじゃろうが、半神じゃった」


「神だったと、そういうのか!?」


その言葉に反応したのは日向だった。


「あれぇ? リエルは?」


「日向、よく聞くんじゃ。日向はのぉ、脳死と判定されていたんじゃ」


「えっ? でも生きてるわよ?」


「リエルが全部の力を使って蘇らせてくれたんじゃ」


「リエルは!?」


「そこじゃ」


ペタンと座るリエルを見つける。


「リエル! リエル! 嫌だよ! 私が生きてても! リエルがいないと意味が無いよ!」


リエルは座ったまま動かない。


「なんで? 何でリエルが死ななきゃいけないの? 神様……こんなに人を救った人を救ってはくれないんですか?」


その呼び掛けに答えたのは、色々な神であった。

リエルに力を貸していた神様。

さっき発した力で異世界の神たちもリエルの場所に気づきやってきた。


病室は、神達で溢れた。


リエルの体にも光が注がれていく。

なんとも不思議な光景である。


リエルの体が発行する。


『リエルの体は死んでしまったが、神として生き返らせる。我々の神の力を集結させるのだ』


リエルの体に虹色の光が注がれる。

体が発光する。


光が収まる。


「リエル!? リエル!」


ビクッと体が震える。


「あれ? 僕はなんで? 日向は?」


「リエル!」


「日向! 無事だったの?」


「リエルが助けてくれたんでしょ?」


「助けられたんだね。でも、僕は力を使い果たしたと思うんだけど……」


「神様たちが、リエルに力をくれたのよ?」


「そうなんだね。神様……本当にありがとうございました」


『リエルよ。そなたは我々の力を注いで神となった。これからは好きに生きるといい』


「ありがとうございます。感謝します」


「ねぇ、リエル?」


「何? 日向?」


「私さ、リエルと一緒にえんじいを継いでもいいかな?」


「僕と日向が番になるって言うこと?」


「うん! ダメかな?」


「もちろん、いいよ」


日向とリエルは見つめ合い。

いい雰囲気になる。


「ウオッホン! 2人とも。そういうのは2人の時にやるんじゃ」


「あっ! ごめんなさい」


「そ、そうだね」


「まぁ、なんじゃ、みんな無事でよかったのぉ」


その日は解散になった。

日向は様子見で一日入院となったが、元気そのもので全く問題なかった。


後日、えんじいの元に日向が荷物全てを持ってやってきた。


「ここで暮らすでしょ?」


跡を継ぐと決めてからは行動が早かった。

日向も一緒に修行の日々を送った。


数年して、渉は独立して別の場所に神社を構えた。


日向とリエルはえんじいの所で跡を継いた。

色々な人を救うリエルを街の人々は口々にこう言った。


「この街には救異ノ神が本当にいるんだって」


リエルは神としてこの街を守り続けたのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後はちょっと打ち切りっぽくなった気もしますが、グダグダする前に完結する方がいいですもんね。 最後までほぼストレスなくほのぼの読めてよかったです。 完結お疲れ様でした〜
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