四十六.仕組まれたハプニング
ガラガラガラ
「ただいまぁー」
「「ただいま」」
「おっじゃまっしまーっす!」
玄関から中に入る。
それぞれで荷物を片付ける。
「日向! 日向はこの隣の部屋に荷物置いていいよ!」
「うん! ありがと!」
隣の部屋に行くと襖を閉める。
ゴソゴソ音が鳴っているのは、なにかしているようだ。
「リエル。俺たちはどうする?」
「あぁ。日向が終わったら部屋着に着替えよう。洗濯回すから着替えたら出してね?」
「おう」
リエルも荷物から着替えを出す。
サーッと襖が開くと、部屋着に着替えた日向がいた。
「ねぇ、さっきの洗濯の話聞こえてたんだけど、これも洗濯してくれない?」
そう言って袋を渡される。
「うん。いいけど、そのまま洗えるやつ?」
「あっ! 自分で入れるわ!」
「うん! じゃあ、洗濯機に入れて?」
「リ、リエルの下着と一緒…………」
顔を赤くする日向。
「あっ、別で洗おうか?」
「えっ!? ううん! 一緒でいいわ!」
「リエルー! 俺のは別にしろよ!?」
「うん! どうせ全部は入らないから、渉のは後で洗うねー!」
「はぁ。よかったぜ」
一緒に洗わないことを知ると安堵する。
洗濯を回す。
「今日2回回すけど!他に洗濯ある?」
「ううん! ないわ!」
「おれも、あれだけだ」
「そう。じゃあ、ご飯適当に作るね!」
そう言うと台所に向かう。
日向が着いて来た。
「リエル〜? なんか手伝おうか!?」
「うん。じゃあ、そこにある野菜切ってちょうだい!」
「オッケー!」
リエルの横で野菜を切る。
リエルは鍋でだし汁を作っている。
「今日のご飯は何にするの?」
「量があった方がいいかなと思って、大量に野菜を入れたおでんかなぁ?」
「暖かくなってきたけど、食べたくなるよねぇ」
「だよね!? 最初食べた時はこんなに美味しいものがあるんだと、衝撃を受けたものだよ」
「そんなに?」
「えんじいのおでんは美味しいんだよ! 圧力鍋で味を染み込ませるんだよ!」
「へぇー」
よく分からないが返事をする日向。
「まぁ、ちょっと大きめに野菜を切って! 僕も手伝うから」
日向が野菜を切っている間に出汁をとる。
今日は昆布出汁で煮込む。
昆布を鍋に入れて沸騰させ、出汁をとる。
に煮立たせたまま、2人で野菜を切る。
「日向、野菜切るの上手になったねぇ」
「うん! リエルのおかげで上手になってきたんだよ!?」
「ぼくのおかげではないよ。日向が覚えが早くて頑張ってるからだよ」
「リエルの教え方が上手いのよ?」
「そういう事にしておこうか」
そうこうしているうちに野菜を切り終えた。
「よしっ! じゃあ、野菜を全部入れよう!」
ドボドボと入れる。
しっかり蓋を閉めて弱火にして火にかけておく。
「よしっ! じゃあ、洗濯干そうか」
「わっ! 私のは自分のところに干すね?」
「うん! そうだね! 僕達のは後から干すよ! 先にとって!」
「うん! 外に干すのは渡すね!」
「オッケー!」
リビングで待っているリエル。
昨夜の見た光景を思い出してしまう。
あの時から、なんか日向を見るとドキドキしちゃうんだよね。
何なんだろう。
「リエル? どうしたの?」
ボーッとしていたようだ。
「あっ! ごめん! 下着とった?」
「うん! 後は一緒に干すわ!」
「わかった! じゃあ、一緒に干しちゃおう」
一緒に次々と外に干していく。
干し終わると、渉とえんじいのを回す。
台所に戻ると渉がいた。
「お風呂掃除とかは終わった?」
「おう! 腹減ったんだよなぁ」
「もう少しだから待ってて?」
「待てるさ! 子供じゃねぇんだから」
「あらそうなの? 子供みたいにおかずを見にきたみたいだけど?」
日向がからかう。
「おまえぇ。泊まるの許すのは今日だけだからなぁ」
歯を食いしばって言う渉。
「リエルとえんじいが良いっていえばいいんでしょ? さっき言ってたものね?」
「このあまぁ」
目を釣りあげて睨みつける渉。
「なんで喧嘩するの? さっ! 出来たからご飯盛ろう!」
「はぁい!」
「お前に飯はねぇんじゃねぇのかぁ?」
「ありますー。ねっ!? リエル?」
また睨み合う2人。
はぁ。と呆れるリエル。
「ご飯はあるから! 渉も落ち着いて!? ご飯とおでんとサラダ持ってって! 日向も働いて!」
「お、おう」
「わかってるわよ」
渉は大人しく配膳する。
日向も口を尖らせながら手伝う。
えんじいを呼びに行く。
「えんじぃー! ご飯出来たよ!」
「おぉ。すまんのぉ。今行くわい」
リビングに集まるとテーブルをか混む。
「「「「いただきます!」」」」
日向がおでんをつまみ。
「うん! 美味しいよリエル!」
「そう? よかった!」
リエルと渉はえんじいが手をつけるのを待つ。
おでんに箸を伸ばし、パクッと食べる。
「うん。美味いのぉ」
「ホント!? よかった!」
2人はえんじいの後に食べ始める。
日頃の修行している為に身に付いた習慣であった。
雑談をしながら食べる。
「買い物楽しかったわよねぇ?」
「そうだね! 僕も服買えたからよかったよ!」
「お前らは買い物楽しそうだったもんな?」
「渉も買えばよかったじゃん?」
「んー。なんかお前らと服の趣味合わねぇからさぁ、行く店が違くなるじゃん? 俺の行きたい店まで回ったらさ……」
えんじいを横目に見る渉。
あぁ。そういう事か。えんじいも飽きてたから言えなかったって事なんだね。
「そうだね。次にいけなくなっちゃうもんね?」
「そ、そうだろ?」
上手くいってくれたリエルにのる。
ご飯を食べ終わると順番で風呂に入る。
「日向先に入っていいよ」
リエルが日向に促す。
「えっ? 私でいいの?」
「うん。一番風呂の方がいいんじゃないかな」
「ありがと! じゃあ、入るね!」
お風呂場に行った日向。
「あいつの次はリエルが入れよ」
「うん。わかった。次が嫌なの?」
「あぁ。俺は、あいつの次は嫌だ」
「わかったよ。僕が入るから」
持ってきた荷物やお土産を片付ける。
「渉も、買ってきたの片付けなよ?」
「おう。沢山買ってきちまったからなぁ」
「それ、誰かにあげるの?」
「あぁ。俺が迷惑かけたやつらに渡そうと思ってな」
「そうなんだ! それは、喜んでくれそうだね!?」
「だといいがな」
そんな事を話しながら片付けをする。
渉は前の仲間と会うの嫌がってたけど。
前に玄さんのお孫さん助ける時に頼み事して以来ちょくちょく会ってるみたいなんだよね。
渉が一方的に参ってたみたいだから周りは心配だっただろうな。
そんなことを考えていると。
「リエル。あいつ上がったみたいだぞ?」
「うん。わかった! 入ってくる!」
颯爽と風呂に行くリエル。
風呂場を開けると。
下着を着た日向が立っていた。
見つめ合う2人。
「キャーーーーー!!」
「えっ!? なんで? ご、ごめん!」
慌てて扉を閉める。
えんじいがやってきた。
「何したんじゃ?」
「いや、僕が開けたらまだ日向が着替えてるところで……」
「なんで開けたんじゃ?」
「渉に日向が上がったって聞いたから、いないと思って!」
「ほぉ。まぁ、それも間違ってはいないのぉ。風呂からは上がっていたんじゃから。渉のやつ、わざとじゃのぉ」
リビングに向かって走る。
「わーたーるー!」
肩を怒らせながら歩いていく。
「ん? なんだ? あいつ上がってただろ?」
「風呂場から出てなかったじゃん!」
「出たとは言ってねぇよ?」
笑いながら言う渉。
確信犯のようだ。
「もぉーーー!」
風呂場に戻るリエル。
「日向! ホントにごめんね! 僕が不注意だった!」
「う、うん。大丈夫。リエルになら見られてもいいから……」
扉越しにそう言う日向。
「ん? どういう意味?」
ガラッと扉が開く。
「と、とにかく! 気にしないでいいわ!」
そう言って真っ赤な顔を隠しながら部屋へ急ぐ日向。
「う、うん」
頷いて風呂場に行く。
リエルはモヤモヤと頭の中にある映像をなんとか消しながら風呂に入るのであった。
仕組まれたハプニングがあった他は何事もなく過ごすのであった。
リエルがまた寝れなかったのは、意識し始めたせいなのだろう。
リエルの中に今まで抱いたことがない感情が芽生えていた。
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