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四十五.新たな神の力

「ここは、家内安全の神様がいるところよ」


「ほぉ。ありがたいのぉ」


えんじいは感心したように境内の前に進んでいく。

リエルと渉を後を追う。


賽銭を入れ、2礼2拍手1礼でお参りをする。


みんなの沈黙が長い。

祈り終わるとちょっとした屋台による。


「ねぇ、リエルは何を願ったの?」


「んー。それは、皆の安全だよ。日向や、渉、えんじいが健康でいられますようにって!」


「ふぅーん」


「そういう、日向は何をお願いしたの?」


「えっ!? そ、それは、一緒よ? みんなが健康でいられますようにって」


そういう日向だが、実はリエルがずっと健康で一緒にそばに居られるようにと願っていたのであった。


「そっか! 一緒だね!」


「つ、次に行きましょ!」


歩いて次の神社に行く。

20分くらい歩くと大きな木のある神社に着いた。


えんじいの目に力が入る。

リエルも何かを感じる。


「リエル。感じるかのぉ? ここには強い神様がおるなぁ」


「うん。いるね……」


目を閉じて祈る。


『僕達少し騒がしいですが、お邪魔させて頂きます。どうか、お見守り下さい 』


『ほっほぉ。そんな殊勝で腰の低い人は、珍しいですねぇ』


『あっ。返事してくださってありがとうございます! 失礼ですが、何の神様なんでしょうか?』


『私は雷の神の建御雷神(タケミ)といいます。以後、お見知り置きを』


『あっ! はい! 宜しくお願いします!』


目を開けるリエル。


「どうじゃ? 神はいたかのぉ?」


「……うん。いたよ。雷の神様なんだって」


「ほぉ。ここも自然神であったか。良かったのぉ。リエル」


「うん! また新しい神様と知り合えた」


「ねぇ……早くお参りして帰ろう?」


日向は待ちきれなかったようだ。


「わかったよ。お参りしよう」


「忍耐のねぇやつだなぁ」


「うっさい!」



お参りを終えたリエル達4人は帰りの電車に乗るために最寄りの駅へ向かっていた。


「疲れたぁ」


「日向、もう少しだよ? 頑張れ!」


リエルに励まされて遅いながらもなんとか歩く。

何時もはこんなに歩くことが無いので疲れてしまったようだ。


テーマパークではそんな事1度も言っていなかったが、あまり興味のない所に何十分も歩くのはこたえるようだ。


駅が見えてきた。


「あぁーー! 着いたぁ」


グッたりする日向。


「行こう? 階段は荷物もってあげるよ」


「……リエルゥー。ありがとー!」


「リエル、あんまり甘やかすんじゃねぇぞ?」


「あんたは、うるさいのぉ!」


それぞれのキャリーケースを持って階段を上る。

リエルは2個持って上がる。

意外と力があるリエル。


「はい! 電車乗って帰ろう!」


「うん! ありがと!」


再び歩いて電車に乗り込む。


「あぁー。楽しかったなぁ。またみんなで来ようね?」


「うん! そうだね! 楽しかったもん!」


「まぁ、悪くなかったよな」


「そうじゃのぉ。いい気分転換になったわい」


4人でにこやかに話していると。


「キャーーーー!」


「おい! あっちに逃げろ!」


「みんな逃げろーー!」


人が奥の車両から向かってくる。


「どうしたんだろう?」


「なぁ、なんか奥の方で暴れてねぇか?」


渉が言うと、確かに暴れてる男が近づいてきている。

電車は走ったままだ。


「何見てんだテメェら! ぶち殺すぞ!?」


カッターを振り回しながら叫んでいる。


「日向、下がって!」


男がニヤニヤしながら近づいてくる。


「おうおう。色男が、女を守ってんのかぁ? 纏めて切り刻んでやろうかぁ!?」


『お力を貸してください!』


神通力で神に呼びかける。


『先程の礼儀正しい子では無いですか。私の力がここにはあります。力を貸しましょう』


『タケミの力を!』


手を暴れてる男にかざす。


バリバリバリッ


暴れていた男は痙攣しながら倒れた。

リエルが駆け寄り、うつ伏せにして乗りかかる。


「ふぅ。なんとかなった」


電車が次の駅に着いたようで、停車する。

渉も手伝い、両脇を掴んで駅員さんに事情を話す。


「この人、カッター持って電車の中で暴れていたんですよ」


「あなたが拘束してくれたんですか!?」


「あっ……はい」


「ありがとうございます! 怪我人は居ないでしょうか?」


「あっ、居ないと思います」


「良かったです! ありがとうございます!」


男を引き渡し、渉を連れて戻る。

日向がガタガタと震えている。

リエルは近づき、ギュッと抱きしめる。


「日向、大丈夫だよ。もう大丈夫」


日向の背中をさする。


「うん。ごめん。ちょっと怖かった……」


えんじいが2人を見て微笑んでいる。


「リエル、助かったのじゃ。ありがとうのぉ」


「ううん。助けれてよかった」


「また違う神から力を借りれたんじゃな?」


「うん。その前にお参りにいってたから、尚、良かったみたい」


背中をさすりながら。

ギュッと抱きしめる。


「ごめんね……リエルが死んじゃうと思ったら怖くなって……」


「そうなんだ。大丈夫だよ。日向。僕はまだ死ぬ気は無いよ?」


「ぅん」


リエルの胸に収まる日向。


「よし、つぎの電車で帰ろう」


「あぁ、そうだな」


「そうじゃのぉ。帰って休むとしよう」


すぐに次の電車がやってきた。

電車に乗るが、日向は落ち着かないようだ。

先程襲われたばかりでは無理もないだろう。


片手でつり革に掴まりながらも、もう片方の手はリエルの腰の辺りの服を掴んでいる。


地元の駅にやって来た。


「あぁぁぁ。帰ってきたって感じねぇ!」


バンザイするように伸びをする。


「なんでぇ、お前が行きたいって行ったんだろうがよ」


渉がまたいつもの様におちょくるが。


「うん。でも、やっぱり地元が落ち着くわね」


いつもの様に怒ったりはしない日向。

気分が落ち込んでいるようである。


「日向、みんなで家まで送っていくよ」


「うん…………ねぇ! えんじい! 今日泊まってもいい!?」


「はぁ!? ちょっ……お前……」


渉が戸惑っている。

それはそうだろう。

平屋の家にはえんじいの部屋の他にもう一部屋しかないのだ。

後はリビングになってしまう。


「ワシは構わんが……リエルと渉がよければいいがのぉ」


「僕はいいけど……」


渋っているのは渉であった。


「来たってお前が泊まる部屋はねぇぞ?」


「そうかもしれないけど……みんなと一緒にいたいのよ……」


渉を見つめる日向。


「渉は、僕と一緒にリビングで寝よう?」


しばしの沈黙の後。


「……わぁったよ! お師匠もリエルも良いって言うんだ! 俺が止めることは出来ねぇ!」


「やったっ! ありがと! 早く帰ろっ!」


満面の笑みで礼を言う日向。

スキップして先頭を行く。


「ったく……極端なやつだな」


「渉、ありがとね。色々気になっちゃうから嫌だったんでしょ?」


「あぁ。家族以外の女と一緒の家で寝るとか考えられねぇからな」


「ふぅーん。別に日向も家族みたいなものじゃない? いつも一緒にいるし」


「そうかぁ?」


「うん! もちろん、渉も家族だと思ってるよ?」


「お、おう。そうだな。もう家族みたいなもんだよな」


「だよねぇ! さっ、帰って夜ご飯作らなきゃね!」


胸の前で拳を作り、頑張らねばと気合いを入れるリエル。


「そうじゃのぉ。適当に作ろうかのぉ」


「手伝うよ! えんじい!」


新しい神の力を借りることができたリエル。

これからの役にきっと立つだろう。


日向の提案で始まった旅行はまだ終わらない。

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