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四十二.ホテルで

「ねぇ、皆は何買ったのぉ? 誰かの部屋で皆でご飯食べようよ?」


「うん。僕の部屋でいいよ?」


「ワシは疲れたから自分の部屋で食べるのじゃ。3人で食べるといいのじゃ」


「まぁ、飯ぐらいならいいか」


「じゃあ、僕の部屋で3人で食べよう!」


受付でカードキーを受け取るとエレベーターで泊まる階に行く。


リエルの部屋を空けて入る。


「さ、食べよ?」


適当にベッドや椅子に座る。


「リエルは、何買ったのぉ?」


「ん? 僕はおにぎりとソース焼きそば」


「渉はぁ?」


「俺は、焼肉弁当と焼きそばパンと、納豆巻き」


「凄い食べるのね?」


「普段が摂生してるからな。こういう時に食っておきたいんだ」


最近は普段から食べてないために痩せてはいるが、昔はかなり大食漢だったのだ。


「そういう日向は、何買ったの?」


「えっ? 私はサラダパスタと紅茶よ」


「それだけ?」


「うん。それだけ。あんまり食べちゃうと太っちゃうから……」


「気にする事ないんじゃない?」


「むー。油断するとダメなのよ? 油断禁物よ!」


険しい顔をする日向。


「あんたは、そんなに食べて太らないのはどういう事?」


「俺の知ったことか。最近は精進料理ばかりで腹が満たされてないんだ。今日はトコトン食うと決めた」


その一言を皮切りにガツガツ食べ始めた。


「うん。うまい」


何時もの精進料理は健康面を重視されているため、味が薄目だ。


コンビニ弁当は味が濃くて渉には美味しく感じるだろう。


リエルもパクパクと食べ始めた。


「美味しいね? コンビニのご飯って」


「そっか。お前食べたこと無かったっけ?」


「うん。多分、初めてかな?」


「そうか。たまぁに食いたくなるもんだよなぁ」


「そんなものなの?」


「気持ちはわかるわね。でも、あんまりガツガツ食べちゃうと太るからなぁ」


「全然太ってないから大丈夫じゃないの?」


リエルが日向の事を見ながら言う。

見られていることに気づき、体をひねって見えないように隠す日向。


「もう。そんなに見ないでよぉ」


「あっ……ごめん!」


「いいけど……恥ずかしい」


おにぎりを食べようとするが、開けられないリエル。


「えっ? これどうやって開けるの?」


「あぁ、それな、1、2、3って番号が書いてるとこあるだろ? その順番の通りに引っ張るんだよ」


「へぇ。1…………これか」


真ん中を割く。


「2……こうか?……3も…………こうか」


左右に引っ張り袋を取る。


「できたぁ!」


パクッと食べる。

パリパリッと海苔の良い音がする。


「んーー! 美味しい!」


「それなにが入ってるやつ?」


「ツナマヨ」


「おぉー。それは間違いねぇな」


パクパクと食べるリエル。

リエルを横目に見ながらガツガツ食べている渉。

日向はサラダパスタのドレッシングをかけている。


「日向のは体に良さそうだね?」


「んー。どうなんだろう? ただパスタ食べるのよりはカロリー少ないかなって」


「カロリー? って何だっけ?」


「食べ物に含まれる、エネルギーの量を表す単位……かな?」


「おう。たぶんそんなとこじゃねぇ?」


「ふーん」


パクッとおにぎりを食べながらおにぎりの袋を見るリエル。


「ホントだ。カロリーが書いてある」


「あぁ。最近はほとんど書いてあるんじゃねぇかなぁ?」


「そうなの!? なんか凄いね」


「手間かかってるわよねぇ。家で食べるご飯もカロリーが表示されればいいんだけど」


「そこまで求めたら大変だぞ? 外のもの食べる時だけでも充分だって」


「んー。そうねぇ」


サラダパスタを口に運ぶ日向。


「んー! これ美味しい!」


リエルはおにぎり2個目に突入している。

同じようにおにぎりを開ける。


「それ、美味しいの?」


「野菜とパスタにドレッシングはホントに美味しいんだから! 食べる?」


「一口もらおうかな」


サラダパスタを受け取り、口に運ぶ。


「あっ……これ美味しいね」


「でしょー?」


リエルから再びサラダパスタを受け取ると。

受け取ったサラダパスタを見つめる。

箸もリエルが使ったと思うと、胸がドキドキする。


少し顔を赤らめながら、サラダパスタを食べる日向。


リエルは最後の焼そばに突入する。


「僕、麺が好きなんだよねぇ」


「お前、ほんと好きだよな? 毎日ラーメン食いてぇんだろ?」


「そうそう! 話したことあったよね? 1回ラーメンをえんじいが作ってくれた時に美味しすぎて、毎日これ食べたいって言ってたんだよね?」


「そうそう。あんまりにも言うから次の日もラーメンだったよな?」


「そう! えんじいが仕方ないって言って作ってくれたんだよね」


「そんなにラーメン好きなんだね。何ラーメンが好きなの?」


「えっ!? あのラーメンってあれ以外にも味があるの?」


リエルは渉を見て疑問をぶつける。


「言ってなかったっけ? お師匠が作ったのは味噌ラーメンだ。他にも醤油、塩、豚骨とかあるな」


「……知らなかった。食べてみたい!」


キラキラした目で渉を見るリエル。

じっと見つめられ、耐えきれなくなった渉。


「わぁったって! 明日の昼は、どっかのラーメン屋で食うか!」


「やった!」


「渉、リエルにはあまくなぁい?」


怪訝な顔をして渉を見る日向。


「はぁ。そりゃそうなるだろ。俺の恩人なんだからな」


「恩人ってそんなこと……」


リエルが否定しようとするが、渉は真剣な顔になる。


「いや、俺はリエルに救われたんだ。今、こうして穏やかに過ごせてるのは、他でもねぇ、リエルのおかげだ」


「そう。だからリエルには頭が上がらないのね」


「あぁ。リエルにもダメな時はダメだと言うことにはしてる。けど、少しのワガママは聞いてやりてぇ。そう思ってんだ」


「渉……そんな風に思ってたの? ありがとね」


「いや、俺にはその位しかできねぇから」


しんみりした空気になる。


「そっか! 明日はパァっとラーメン食べに行こう!」


「そうだな。俺は飯食い終わったから部屋に戻るな? また明日」


「「おやすみー」」


「おやすみ」


サラダパスタをツルツル食べる日向。


「渉があんな風に思ってたなんてね」


「ふふふっ。でも、あんな事した渉を呼んで一緒に住まわせるなんて思ってなかったわよ」


「うーん。あの時は、それがいいと思ったからそうしただけだよ」


「それで、渉は救われたのよ。今は真面目に修行してるし。言葉使いは悪いけど、色々やってくれるし、良い奴よね?」


「うん。僕は一緒にいて楽しいよ。もちろん、日向といる時間も楽しいよ?」


「そ、そう? なら良かったわ……」


サラダパスタを食べ終わる日向。

リエルも最後の焼そばを食べ終わったところだった。


「あぁーーーー! お腹いっぱぁーい!」


バフッとベッドに仰向けに寝っ転がる。


「ふふっ。僕もお腹いっぱいになったよ。部屋に戻って寝なよ」


「…………」


「えっ? 日向?」


「…………」


近づいてみると。

スゥスゥと寝息を立てている。


「えぇぇ。どうしよ。日向! 起きなよ! 日向!」


絶望するリエル。

すると、むくっと起き上がる日向。


「あっ! 良かった! おき────」


バタンッ


ユニットバスに入ると、シャワーを浴びる音が聞こえる。


「えぇ!? どういう事?」


困惑したまま待つしかないリエル。

暫くすると音が止んだ。


ガチャッ


「あっ! 日向だいじょ────」


ユニットバスの方を振り返る。


「あー! サッパリしたぁ」


髪を拭きながら生まれたままの姿で出てきた日向。

リエルと目が合う。


「な……ななな、なんでぇぇ!?」


ユニットバスに咄嗟に隠れる。


「なんで、私の部屋にリエルがいるの!?」


「見ちゃってごめん! でもここ僕の部屋!」


「えぇ!?」


「さっき日向がベッドで寝ちゃって、起こしたらシャワー浴びに行っちゃったの!」


「そうなの!? えっ……じゃあ、着替えが……」


「僕がキャリーケース持ってくるよ! カードキー何処にあるー?」


「持ち歩いてた小さいカバンの外ポケットにある!」


カバンを探ると見つけた。

隣の部屋からキャリーケースを持ってくる。

ユニットバスの前に起き、離れる。


「僕そっち見ないから! 出てきて着替えて! 終わったら声掛けてちょうだい!」


「分かったわ!」


ユニットバスから出てきた音がする。

キャリーケースを開けて服を出して居るのだろう。

ゴソゴソと探してる音の後に服を着る音がする。


リエルの頭には先程見てしまった日向のスタイルのいい体が頭に焼き付いてしまった。


顔が赤くなっているだろうとわかるくらい、顔が火照っている。


リエルはこの時、初めて女の人の裸を見たのであった。


「終わったわ。もういいわよ」


振り向くとスウェットに着替えた日向がいた。


「あのー」


「ごめん! 私、寝ぼけると周りが見えなくなっちゃうの! 嫌な思いさせたらごめんね!」


「いや、嫌な思いはしてないって言うか……僕こそ止めてれば良かったのに、ごめん!」


「ううん! 私、部屋に戻るね! おやすみー!」


部屋を出ていく日向。

動揺を隠せないリエルは頭に焼き付いた映像が離れずに、寝れなかったようだ。

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