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三十一.半神

パチッ


目を覚ましたリエル。


「なんか変な夢見てたな」


手をグッパする。

腕をグルグル回し。

うーんと伸びをする。


「なんか良く寝たなぁー。あんまり身体は変わった気がしないけど」


『リエル、目覚めたようじゃな? 気分はどうじゃ?』


「うーん。体調はいいよ! 凄くスッキリした気分。でも、何が変わったかはあんまり分かんないかな」


『まぁ、その内に何が変わったかは分かってくるじゃろう』


「うん。そうだね」


ホノカと話していると。

襖を開ける音がした。


「おぉ! リエル! 目ぇ覚めたか!? おししょーーー! リエルがめーー覚ましましたよぉーーー!」


大きい声で呼びかける渉。

ドタドタと音をさせながら寝室へやってくる。


「おぉ。リエル! 目が覚めてよかったのじゃ! どうじゃ!? 体調は!?」


「うん。凄くスッキリした気分。良く寝たなぁー! って感じ」


「それはそうじゃろうな。丸一日寝ておったからな」


「えぇ!? そんなに寝ちゃってたんだ。そりゃスッキリする訳だ」


「しかし、リエルからも神の気配が少しするようになったのぉ」


「そう? なんかあんまり変わってる気はしないんだよね」


「ふむ。まぁ、まずご飯を食べて栄養をとる事じゃな!」


「うん! お腹空いた!」


起き上がると、布団を畳む。

リビングへと行くと。

煮物と漬物、天ぷらが並んでいた。


「そろそろ起きるじゃろうと思って作っとったんじゃよ」


「ありがと!」


「俺も心配したぜぇ」


「ごめんね! 心配かけて! 大丈夫だから」


「あぁ。起きた顔みて安心したぜ。いい顔をしてるよ」


「そうかな? ありがと!」


その笑顔は神々しささえ感じる。

何が変わったかは渉にもわからない。

しかし、雰囲気に重みが出たような気がしていた。


「「「いただいます!」」」


「うん。美味しい!」


半分ほど食べた所で。

箸が止まる。


「リエル、どうしたんじゃ?」


「うーん。これ以上はいいかなって感じなんだよねぇ」


「いつもの半分しか食ってねぇぞ?」


「でも、これ以上は食べれそうにないよ……」


えんじいはなにかに気づいたように手を叩いた。


「リエル。リエルは半分神になったんじゃ。食べなくてもすむ身体になったんじゃないかのぉ」


「うん。そんな感じかも……」


「まぁ、食べたくないのを無理に食べる必要は無いのじゃ」


「うん。作ってくれたのにごめん。えんじい」


「良いわい。後で食べるからのぉ」


話していると。


「えんじぃー! リエルは起きたぁー?」


「うるさいのが来たな」


「日向じゃのぉ」


リビングに来ると。


「あー! 起きてるじゃない! 心配して損したわぁ」


そう言って座る。


「心配掛けてごめんね。日向」


「んー。いや、いいのよぉ」


この時をリエルは不思議に思った。

いつもの日向ならご飯に真っ先に反応するところ。

なんか疲れたような顔をしている。


「日向、体調悪い?」


「んー。体調は悪くないのよ。でも、なんか気分が上がらないのよねぇ。ご飯も食べたくないわー」


そう言っている日向が身体をひねり。

背中を向ける。

すると、背中にぶら下がっている水の塊のようなものが居る。


「!?……日向?……背中どうしたの?」


「何言ってんだ? なんもしてねぇだろ?」


「えっ!?」


皆には見えていないものが見えている?

しかし、これはなんだろうか。


「リエルや、何が見えるんじゃ?」


「日向の背中に……なんか水の塊みたいなのが見えるんだよね」


「えぇ!? やだぁ。そんなわけないじゃなぁい」


やはり元気がない。


「なんかジメジメしてる感じがするんだよね」


「うむ。もしかすると(あやかし)かもしれんのぉ」


「あやかし? ってなに?」


「なんと説明したら良いか……人には見えんのじゃ。しかし、厄介な事象を引き起こす厄介者かのぉ」


「ふーん。じゃあ、そうかもね。日向にジメジメした何かを送ってる気がする」


嫌そうな顔でこちらを向く。


「なによぉ。私がジメジメしてるって話!?」


どうもマイナスな方向に思考が向いているようだ。


「日向、後ろ向いてみて」


日向は大人しく背中を見せる。


水の塊のようなものに手を伸ばす。

スッと手が触れることなく素通りした。


「実際には触れないんだね。どうしたもんか……」


考えていると。


『私が手伝おう』


「ホノカ? どうすればいいの?」


『そなたにはもう神の力、神力(しんりょく)が備わっているのじゃ。それの力を使って滅すればよい。妖にはそれぞれ効果的な滅し方があるのじゃ』


「ふーん。人体に影響はないの?」


『その辺は標的を定めればそれ以外には影響がないようにできるのじゃ』


「なるほどねぇ。この妖だとちょうど炎が効果的な気がするね。蒸発させちゃうみたいな」


『そうじゃな。やってみるが良い。我の名で力を借りる宣言をして滅するのを願えば良い』


「うん」


水の塊のようなものに手を向ける。

こうして標的を特定する。


「ホノカの力を借りるね。炎で標的を滅せよ!」


水の塊のようなものが炎で包まれる。

少しプルプル動いている。


「リエルー? まだぁ?」


こっちを向こうとする日向。


「日向。まだそっち向いてて? もう少しだから」


「むー。わかったわよぉ」


再び背中を向ける。

水の塊が小さくなったように見える。


「中々しぶといね?」


『リエルがまだ上手く神力を注げていないんであろう。仕方があるまい。直ぐに滅せれるわい』


「うーん。そうだね。まだいまいち力の注ぎ方がわからないね」


ホノカと話していると。


「リエルや、何も起きてないが大丈夫なのかのぉ?」


「そっか。僕の目には炎が見えるんだけど……えんじい達には見えないんだね」


「炎を出しているのかの?」


「全然見えねぇけど?」


水の塊のようなものはだんだん小さくなってきた。


「もう少ししたらわかると思う」


プスプスッと妖は消えた。


『うむ。滅せられたようじゃな。良くできたのじゃ!』


「助けてくれてありがと! 日向が元に戻るね。日向! もういいよ」


「何よぉ! 急に背中向けなんて言ってぇ! あっ! ご飯食べてたんじゃない! お腹すいたから私も食べるー!」


いきなりまくし立てるように喋りだした。

日向は元に戻ったようだ。


「おぉ。日向が元気になったのぉ」


「うるさいけど、さっきのウジウジしたのよりはマシだな」


極端な日向の姿にえんじいも渉も笑う。


「ご飯食べたいわよ! なんか凄いお腹空いてきたわ!」


「わかったよ。今用意するから待ってて」


そういうと席を立つリエル。

準備しながら思う。

半神になって見たことない事象を起こせるようになった。

これは、困って訪ねて来た人をもっと助けることが出来るかもしれない。

いい力を授かったな。


リエルはもっと人の為になれる。

それが嬉しくて気分が高揚する。


キッチンで日向の分を準備し、リビングに向かう。


「はい。どうぞ」


「ありがと! さぁ、みんなで食べましょ?」


「なんでお前が仕切ってんだよ!」


「いいじゃない! いただきまーす!」


「「「いただきます」」」


皆で食卓を囲む。

こんな日常が幸せだ。

この幸せが続くように。


困ってる人の日常がより良くなるように。

手助け出来たら僕は幸せだ。


半分神になったリエルは。

皆の幸せを願うのであった。

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