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二十四.朝日を見に

「明日さ、朝日を見に海に行かない!?」


「海かぁ。僕見た事ないなぁ」


「俺も見た事ねぇ」


日向は驚いた。


「リエルは分かるけど、渉も!?」


「うちの親が連れてってくれるわけがねぇ。そして自分で行こうとも思ったことがない」


「そっかぁ。皆で歩いて行かない? 1時間位で行けるし」


「いいよ! 行ってみたい!」


「付き合ってやるか」


「素直じゃないぞ!」


目を吊り上げて渉に怒る。


「まぁ、皆で行った方が楽しいよ! ねっ!」


ニカッと2人に笑顔を見せ。

2人も笑顔で返す。


「そうね」

「ま、そうだな」


「ワシは……」


えんじいが行きたそうに話に入ろうとしていると。


「売り子はバイトで良いでしょうけど、お師匠は居ないと行けないんじゃないっすか?」


「そ、そうだのぉ。流石に放っておく訳にも行くまい」


「そっかぁ。残念だねえんじい」


えんじいは残念そうにため息を吐いている。

なにも初日の出ではないので。

2日にわざわざ見に行くことでもないのだが。

3人はもう楽しみにしてしまっている。

3人で出かけるのは楽しいのだ。


「海の方もお正月で何か店をやってるかもしれんから、何か美味しいもんを食べてくるといい」


「ありがと! えんじい!」


リエルの笑顔に癒されるえんじい。

本当に孫のように可愛いのだ。


「じゃあ、4時くらいにここを出発しましょ?」


「いいよ! 楽しみで早く起きちゃいそうだし!」


ワクワクしているリエルだったが。

時間を聞いた渉はゲンナリする。


「いつもより早いじゃねぇか」


「だって、日の出見逃したら嫌じゃん!?」


「分かってるって」


ふぅと疲れたふうにぐでぇっとする。


「起こしてあげるよ!」


「そうだな。頼むわ。起きれる自信がねぇ」


「分かった!」



そんな会話をした次の日。


「渉! 起きるよ!」


「んぁ? あぁ。そうだった……」


「着替えて待ってよう? あの調子だと待ち合わせより早く来そうだよ?」


「マジか……あの女……」


「まぁ、そう言わずに」


普段着に着替えて軽くパンを食べていると。


ガチャガチャ


ドアを引く音が聞こえる。

まだ待ち合わせの20分前であった。

ガチャッと鍵を開けると。


「ねぇ、鍵開けといてよ」


「いやぁ、こんなに早いと思ってなくてさ」


「お前、来るのはえぇよ!」


リエルはやんわりと言っているが。

渉はどストレートに文句を言う。


「まぁ、遅れるよりいいじゃない? 行きましょう!」


「行こう!」


出ていく2人。

カギを閉めて後からついて行く。

しっかり者の渉。


「んーーーー! なんか空気が澄んでるねぇ!」


天に手を向け伸びて深呼吸をする。


「たしかに空気が澄んでる。寒いけど気持ちがいいな」


「早朝っていいよねぇ!」


前を歩いていた日向が後ろを向く。


「日の出前だから暗いけどね」


「全くだ。街灯がまだついてるじゃねぇか」


「いいじゃん! 日の出は感動すると思うよぉ?」


会話をしながら歩くこと50分くらい。

遠くに海が見えてきた。


「おぉぉぉ。あれが海?」


「そっ! あれが海だよぉ!」


下り坂の下には砂浜と海が広がっている。

まだ暗いが。

水平線の辺りは少し明るい気がする。


防波堤に登り。

腰掛けた。

ゴミで海が汚れている。

昨日の初日の出を見た人達のだろうか。


「ゴミがすごいね……酷い」


「昨日は凄い人が来たらしいからね。それでかな?」


腰掛けて海を眺めている。

すると、さざ波の音が聞こえなくなった。

不思議に思って海を見ると。

海がひいている。


「ん? なんか波が……」


「おい! 海がひいてる! 津波が来るぞ!」


「えっ!? どうしよう!?」


日向が狼狽えているが。

渉は冷静だ。


「逃げるぞ!」


海のひきかたがとても大きな津波を予想させる。

リエルはよく分からないが。

多くの死を連想させた。


突然海に向かって走っていった。


「海の神様! どうか、気を沈めて下さい!」


『貴様らが我を汚したのであろう! いつもいつも汚しおって、もう我慢できんわ!』


「すみませんでした! このゴミは私が責任をもって拾います! どうか怒りを鎮めてください!」


『毎年汚されているが、今年はなおのこと酷い! なぜ我を汚す?』


「私が汚さないように呼び掛けます! ゴミも拾います! 津波に襲われれば沢山の人が命を落としてしまいます! どうか、お止め下さい!」


海に向かって土下座をし。

怒りをどうにか沈めて欲しい一心で必死だ。

すると、両隣にも気配がする。


「俺もゴミを拾います! どうか許してください!」


「私も拾います! 綺麗にしますから怒らないで!」


渉と日向も土下座をして神に許しをこう。


『……我は……怒りに身を任せようとしていた。人間達よすまなかった。汚したのは貴様達ではないと分かっていた。それなのに……すまない。人間達よ。仲間想いなのだな。そんな仲間がいて羨ましいぞ』


「はい! とてもいい仲間です! 最高の友達です! 一緒にいて楽しいです!」


『そうであろうな。友達とはいいものよ』


「お友達になりましょう! 海の神様!」


『我も仲間に入れてくれるのか? 我は、海神(タツミ)という。何かあれば助けになろう。ゴミは片付け頼んだぞ』


「はい! ゴミは片付けます! また会いに来ますね!」


『あぁ。楽しみにしておるぞ』


海が。

徐々に戻ってきた。


「はぁぁぁ。驚いたわ!」


「海に向かっていった時は頭おかしくなったと思ったぜ!」


「ははは! 2人ともありがと! 2人のおかげで津波をおこさせなくてすんだよ!」


2人は照れくさそうに笑っている。


「じゃあ、ゴミ拾おうか」


ビン、缶、ペットボトル、食べ物の食べた袋等。

色んなゴミが散乱していた。

こんな事するからバチが当たって死ぬところだったんだぞ!

と思いながらゴミを拾う。


一通り拾い終えると。


光がさしてきた。


水平線から太陽が昇ってくる。

辺りは日に照らされ。

何やらパワーを感じる。


太陽の神様がパワーを分けてくれている。

そう感じるくらい。

身体に力が漲ってくる。


「なんか力が湧いてくる」


「キレー! 私は癒されてるわ! こんな綺麗な景色滅多に見られない!」


「あぁ。朝日ってこういうものなんだなぁ。なんか神秘的でいいわぁ」


珍しく渉も癒されている。


太陽に使って大の字になるリエル。


「太陽の神様! 力を分け与えてくれてありがとうございます! 精進していきます!」


太陽がリエルに集中するような錯覚に陥る。

後光が差しているように。

日向と渉には見えた。


リエルはやはり神なのだろうかと。

そう思う渉。

日頃の行いから見ても。

神と変わらない。

こんな人間が存在することが奇跡だと。


日向は少し寂しい気分になっていた。

やっぱりリエルは人を超越するんだ。

そう思わせる何かがある。

でも、できるだけ隣で。

いっぱい支えていきたい。


人間達は考えた方がいいのだ。

自然を怒らせるということが、どういう事態になるのか。

怒りを鎮める為にはどうすればいいのか。

自然と共に生きていくにはどうすればいいのか。

一人一人が考え。

実行していくことで。

少しずつ改善されるのではないだろうか。


リエルは、これから実行していこう。

そう誓ったのだった。


「あっ、袋ないけど……このゴミどうしよう?」


締まらない最後であった。

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