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十三.BBQ

渉と語り合って、気づいたら夕方だった。


「あっ!」


突然リエルはえんじいの元に行く。


「ねぇ! バーベキューって出来る!?」


「何じゃ? 急に?」


「この前河川敷でやってるの見てさ、日向とやりたいねって話をしてたんだよね!」


「まぁ、バーベキューセットはあるし……野菜もある……肉が焼肉用がないのぉ」


「じゃあ、買い物に行こう!」


「そうじゃな。そやつも一緒に行くかの?」


「うん! 行くよね? 渉?」


渉を見てニコニコして聞く。

そんな顔で見られたら断れない。

少し困惑しながらも。


「お、俺も行っていいのか? なら、一緒に行くよ」


3人で並んで歩いて買い物に行く。


「渉くん。すまんのぉ。リエルが無理を言って」


「いえ……なんかそういうのも新鮮な感じで嬉しいっつうかなんつうか……」


「ホッホッホッ。そうかい? ならいいんじゃがのぉ」


「別に渉は着たくてきたから良いよねぇ!?」


「そうなんだけどよぉ。そういうとこじゃねぇのか? 強引だと思われるのはよ?」


「そうなの?」


「まぁ、悪意がねぇからいいけどよ」


「渉くんは悪意がわかる子なんじゃな? 素晴らしい感性じゃ!」


頭を掻きながら照れる。

明後日の方を向いてこっちを見ないようにしている。

きっと顔が赤くなっているのだろう。


「そうっすかねぇ」


と言ってこっちを見ない。


スーパーに着くと肉をそれぞれ選ぶことにした。


「ワシは鶏肉じゃな。胃がもたん」


「俺は豚肉で……」


「遠慮せんでいいのじゃぞ?」


「い、いえ……」


「渉、遠慮してんの? えんじい、美味しいお肉が食べたいなぁ」


「じゃあ、この牛肉のカルビにするといい」


「ありがと! ほら! 渉の分もあるよ?」


と言って2パック買っている。


「はぁ!? いいって! 高ぇじゃん!」


「気にしないことじゃ。たんと食べて大きくなるんじゃ!」


「そうじゃ渉!」


えんじいの真似をして渉を茶化す。

ブッッと吹き出してしまう渉。


「おまえが買うわけじゃねぇだろうか!」


「あははは! あっ! 日向も来るかなぁ?」


「日向って、あの時いた女か?」


「うん。そう」


「あいつ大丈夫か? 俺の事目の敵にしてそうだけど」


「んーー。話せばわかるよ」


「なら、良いけどよ」


「嫌なら呼ばないよ?」


「嫌ではねぇけど、俺が原因で空気を悪くしなきゃいいんだが」


「大丈夫だって!」


大丈夫だと言い張るリエル。

渉はその言葉を信じるしかなかった。


「ロースっていうのも買っていい?」


「良いぞ。肩の部分じゃよ? ハラミも買ったらどうじゃ?」


「ハラミってどこ?」


「どこじゃったかなぁ? お腹の辺りの筋肉だった気がするのじゃが」


「んーーー。買ってみようか!」


そういうとお肉を入れていく。

リエルは遠慮を知らない。


「炭酸ジュースでも買うかのぉ」


「何それ?」


「はぁ!? 炭酸飲んだことねぇの?」


「ん? 炭酸って何?」


「リエルはほぼ外国に居たようでの。今色々覚えておるんじゃ。炭酸は、飲んで見ればわかる」


えんじいはとりあえずそこでの話を終わらせる。

すると、レジに向かった。

お金はもちろん、えんじい持ちだ。


リエルはどうすればお金を稼げるか。

えんじいに聞いたことがあった。

しかし、答えはここにいれば良い。

それだけだった。

だから、神社の仕事も覚えた。

出来ることはしているのだ。


店を出ると再び歩く。


「えんじい! それ持つよ!」


えんじいから袋を奪う。


「何じゃ? もう少し優しく取ればいいじゃろうが!」


「まぁまぁ、いいじゃん?」


そんな二人を見ていた渉は。

おもむろに口を開いた。


「リエルはいいな? えんじいみたいな人がいて」


「渉も一緒に住む?」


「いやいや、何言ってんだよ!? 無理だろ!」


渉をからかうと。

怒られる~と言って先に走っていく。

取り残されたえんじいと渉。


「もう1人くらいは大丈夫じゃろう。修行する身として受け入れても構わんよ?」


「えっ!? いいんですか? 家を出れるということですか?」


「両親の許可が必要じゃが、話してみてはどうじゃ? 一人で話せなければワシも同席しよう」


「なんで……なんでそこまでしてくれるんですか?」


遠くを見て少し黙っているえんじい。

ジッと見ていると。

おもむろに口を開いた。


「初めてなんじゃよ。リエルに同性の友達と呼べる人ができたのはのぉ。じゃから大切にしたい。もちろん、渉くんを助けたい思いもあるんじゃ」


「そうなん……ですか。リエルって外国から来たんじゃないんですか?」


「実はのぉ、ワシもどこから来たのかはわからんのじゃ」


「えっ!? じゃあ、なんで一緒に住んでるんですか!?」


「神様からのお達し……ワシはそう感じておる。神に近しいワシだからそう思ったのかもしれないのぉ」


「そうなんですね。まぁ、リエルの過去がどうとかは関係ないですから」


「リエルは、よき友を持って幸せじゃ」


「俺の方こそですよ」


リエルは全然来ない二人に痺れを切らして戻ってきた。

戻ってくるなら行かなければいいのに。


「2人とも遅いよぉ! 早くいってバーベキューしよう!」


「よしっ! 行くか!」


「おーーーっ!」


渉とリエルで神社に向かって走っていく。

それをえんじいは微笑ましく見て後を追うのであった。



神社に戻ってきた3人は早速準備を始めた。

主にえんじいが、だが。


セットの網と奥に眠っていた炭をだす。

着火剤で火をつける。

パタパタとうちわで扇ぐ。


こんなのホノカに頼めばすぐだろうに。

しかし、頼んでばかりではいけないのだ。

自分で火を熾すのがバーベキューの醍醐味なのだから。


「ほれ! 突っ立っているんじゃない! 扇ぐんじゃ!」


「はぁーい」


「あっ! すみません!」


2人でパタパタと扇ぎ出す。

段々と火が炭に移る。

オレンジ色の光を出し、熱を発する。


「へぇー。炭ってこうなるんだぁ」


そういいながら指を近づける。

ガシッと渉に腕を掴まれる。


「おいっ! 火傷するって! 何やってんだよ!?」


「えぇ? これそんなに熱いの?」


「子供じゃねぇんだからよぉ」


「あははは! ごめんごめーん!」


そんなやりとりをしていると。


「やってるわねぇー! 炭もできてるなんて丁度いいじゃない!」


2人が振り返るとやってきたのは日向であった。


「おっ! 日向が来た! えんじぃー! 日向きたよぉー!」


リエルはえんじいに知らせる。

すると肉と野菜を持ってやってきた。


「揃ったからやるとするかのぉ」


「やろーやろー!」


1人だけテンションが高いのはリエルである。

渉は遠慮して立っている。


「ん? 渉どうした?」


「いや……」


「あんた! あの時の放火魔じゃない! 何してんのよぉ!」


「いや、これには─────」


「俺が呼んだの」


「えぇ!? なんで?」


「俺が話聞くから来てって言ったの。それで仲良くなったから友達になってバーベキュー。終わり! さぁ、食べよう!」


「むう。リエルがそういうならしょうがないか」


日向がムスッとしていると。

渉が寄ってきた。


「なんかわりぃな」


「いいわよ。リエルらしいわ。でも、友達できてよかった。ありがとう。あんた名前は?」


「俺は、渉」


「覚えたわ。よろしく。さぁ、食べましょ?」


なんとかいい雰囲気になった3人。

一番心配だった日向が一番大人だった気がするが……。


どんどん肉と野菜を焼く。

肉を網から取り、タレにつけて頬張るリエル。


「うおおぉぉぉぉ! うめぇぇぇぇ! はっはっはっ!」


叫んで喜んでいる。

その姿をみて呆然としているのは日向。

日頃の大人しい感じが何故かガッツリ男な感じになっている。


あのちょっと可愛かったリエルはどこへ?

肉なの?

やっぱり肉食になるとああなっちゃうの?


混乱している日向。


「この野菜もおいしい」


「それはワシが栽培したやつじゃな」


「そぉなのぉ? 流石えんじいだね!」


ニカッとえんじいに笑顔を振りまいている。

そんなリエルを見て。


あれ?

いつものリエルだ。

えぇ。どういうこと? こわっ。


そんな周りを見ていたのが渉だが。

渉にはさらに面白く見えていて。

テンションの高いリエルが人格崩壊。

それを見ている日向の顔面が二十面相。

何も変わらない。えんじい。

カオスである。


この中でまともなのおれだけじゃねぇか?

とそんなことを思う渉であった。


バーベキューはもう少し続く。

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